NHKが映らないテレビがもたらすもの

今日はこの話題です。
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1.公共放送の在り方に関する検討分科会


6月26日、NHKの改善課題についての総務省の有識者会議「公共放送の在り方に関する検討分科会」が第4回会合を行い、要望事項をとりまとめました。

要望では、テレビがない人向けのネット配信サービスについての検討などを求めています。

今やテレビを見ない人はどんどん増え、20代で3割強、10代で4割近くが見ていません。50代以上は見ていない人はまだ1割前後くらいしかないことを考えると、若い世代ほどテレビを見ない傾向ははっきりしていると見てよいかと思います。

有識者会議では、スマホなどでの視聴について議論し、受信料の徴収方法の見直しも含めて検討するとしています。

これは筆者の印象にしか過ぎませんけれども、サッカーや野球などのスポーツ中継ならいざ知らず、スマホで態々テレビ番組を見る人がどれくらいいるのかと思ってしまいます。

それに、テレビを見ているといっても、その中身を見ると地上波の番組はほとんど観ずにアマゾン・プライム・ビデオやネットフリックスばかり観ている人も多いと言われていますからね。

地上波離れという観点でみれば、実態はもっと進んでいるかもしれません。


2.NHKが映らないテレビは受信契約の義務なし


6月26日、東京地裁はNHKを受信できないテレビを設置している場合は、受信契約の義務がないという判決を下しました。

原告女性は、NHKの番組が映らないテレビを3000円で購入し、自宅に設置していました。

報道ではNHKが映らないテレビを開発したのは筑波大学の准教授とだけ紹介している記事が多のですけれども、おそらく掛谷英紀・筑波大学准教授の「イラネッチケー」なのではないかと思われます。

原告女性は件の大学准教授に連絡。准教授は、インターネットオークションを通じて3千円で購入したテレビに、NHKの放送信号を減衰するフィルター組み込んで樹脂などで固定し、女性に販売したようです。

NHKがみれない受像機について、旧郵政省(現総務省)は「復元可能な程度にNHKの放送を受信できないよう改造された受信機については、受信契約の対象とする」との見解を出していますし、過去の判例でも、復元の可能性ある以上は、「NHKの放送を受信することのできる受信設備であることに変わりはない」との判断を下しています。

けれども、逆に言えば、復元できない程に改造してしまえば受信契約の対象ではなくなる訳でで、今回の裁判でもここがポイントの一つになったようです。

NHKは「原告のテレビは放送を受信できる基本構造を維持している……フィルターや電波の増幅器(ブースター)を使うなどの実験をした結果、原告のテレビでは『NHKを受信できる状態に簡単に復元できる』と主張したのですけれども、小川理津子裁判長は「専門知識のない原告がテレビを元の状態に戻すのは難しく、放送を受信できるテレビとはいえない……増幅器の出費をしなければ受信できないテレビは、NHKを受信できる設備とはいえない」とNHKの主張を却下しました。


3.NHKの番組が映らないテレビが普及すると


今回の判決は非常に画期的なものだと思いますけれども、必然的に考えられるのは、最初からNHKだけ映らないようにしたテレビが開発され普及するのではないかということです。

NHKが映らないテレビについては、2018年7月のエントリー「NHKが映らないテレビは発売できるか」で取り上げたことがありますけれども、地上波離れが広がっていることを考えると、Androidテレビが売れたり、今回のようにイラネッチケーのフィルタを組み込んだテレビが開発、販売される可能性はないとはいえないと思います。

その意味では、今回の判決は、NHKがもっとも恐れている事態を招きかねないといえるかもしれません。


4.NHKを分割民営化する


嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、放送制度改革を止めているのは、受信料を既得権にしたNHKと、電波利用料を既得権にした民放各社だとし、NHKを「公共放送のNHK」と「民間放送のNHK」に分割民営化することで、受信料は下げられると述べています。

要するに、「偏向」と批判されるような報道ドキュメンタリーや、視聴者全員の納得が得られる保証がない紅白歌合戦や大河ドラマなどの芸能ショーやドラマ、各種スポーツ中継などは民間放送部分のNHKで放送し、公共放送のNHKは、アメリカの「非商業教育局」のように教育に特化した番組や災害情報だけを放送すればよいということです。

確かに、災害報道は国民全員の生命・財産に関わることですし、教育番組は余程内容に問題ない限り、公共に資すると見てよいと思いますし、これなら受信料を徴収する理由にはなると思います。

高橋洋一教授は、NHKを民間部門と公共部門に分割することで、地上波のみの契約で年間約1万4000円、衛星放送の契約を入れると約2万5000円。年間総額約7000億円という受信料は、必要最低限の公共放送を維持するだけのものとなり受信料は劇的に下がると指摘しています。

高橋洋一教授は「公共放送のNHK」に消費者が納得できる受信料の額は、せいぜい月200~300円でしょう、と述べていますけれども、生活感覚からいくとそんな感じです。

余談ですけれども、筆者の個人的な感覚からいえば、携帯料金も今の価格は高すぎて、やはり半額以下が妥当ではないのかと思ったりします。

NHKの分割民営化は過去にも検討されたことがありますが、そのたびにNHKのみならず民放業界からも反発があり、実現しませんでした。

いずれにせよ、今回の判決でNHKに対する世間の目は益々厳しいものになるのではないかと思いますね。

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