BCGは武漢ウイルスのワクチンとなるか

今日は感想エントリーです。
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1.俄然注目を浴びるBCG

BCGワクチンが武漢ウイルスに効果があるかもしれないという説がネットで話題になっています。

なぜBCGワクチンが注目を集めているかというと、BCGの予防接種方針を国別に示した地図と武漢ウイルスの広がりとで相関関係が見られているからです。

こちらのブログではその辺りの詳しい検証が行われていますけれども、確かにBCG接種を義務付けていないイタリア、アメリカで爆発的に感染拡大していることを考えると相関関係があるように見えます。

面白いことに、ドイツのように1998年までBCG接種を行っていた国でも旧東ドイツの方が旧西ドイツよりも感染者が少ないという傾向が見えていて、それは、BCGワクチンの株の種類の違いに起因しているのではないかと言われています。

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2.トウキョウ172株

BCG(Bacillus Calmette-Guerin)は結核予防に用いられるワクチンですけれども、その名は、ワクチンの開発者であるフランスの内科医アルベール カルメット(Albert Calmette)とフランスの獣医カミーユ ゲラン(Camille Guerin)の名を取って付けられました。

BCGワクチンは病原性のあるウシ型結核菌を何代も継代培養することで弱毒化した弱毒生ワクチンです。

1920~30年代にかけてBCGはフランスのパスツール研究所から1920~30年代に各国に分与されました。

日本では、1924年に志賀潔がカルメットから直接菌株を分与され、北里研究所、伝染病研究所と大阪竹尾研究所で保管されました。1937年からBCGワクチンの研究がなされたときはこれらのうち伝染病研究所と大阪竹尾研究所の株が使われました。

双方の菌はどちらも性質はほとんど同じだったのですけれども、ヒトに使用した経験の多い竹尾株がワクチン製造用株として使用されています。

各国は、BCGをそれぞれの継代方法で培養していったのですけれども、継代する間に、特異的に遺伝子欠損や変異が発生し、原株とは異なる遺伝的形質を持った多数の亜株を生じることになりました。

日本がBCGとして使っているのはTokyo172-1と呼ばれるロシアBCG-I株と並んでオリジナルに近い初期の株です。

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3.インターロイキンを誘導するBCG

何故、BCGワクチンが武漢ウイルスに効果があるかもしれないのか。

これについて、NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパンは「3月26日 BCGはなぜウイルス感染予防効果があるのか(2018年1月号 Cell Host & Microbe 掲載論文)」という記事で、「総合すると、免疫反応というより、血液全体の状態が強化され、ウイルスの種類を問わず、抵抗性が上がったと言って良さそうだ。……BCGは直接IL-1βを誘導するが、これが血液幹細胞に作用してエピジェネティックスを再プログラムし、さらにIL-1βなど重要なサイトカインが出やすい体質に変え、これがウイルス抑制効果につながるというシナリオだ」と指摘しています。

サイトカインとは、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称のことです。標的細胞にシグナルを伝達し、細胞の増殖、分化、細胞死、機能発現など多様な細胞応答を引き起こすことで知られ、インターフェロンやインターロイキンもこちらに含まれます。

記事で指摘されているIL-1βはリンパ球やマクロファージなど,免疫担当細胞が産生するサイトカインの1種で細胞の活性化、分化、増殖、および細胞間の相互作用などに関与しているとされています。



4.BCGの臨床試験始まる

3月27日、オーストラリア南部メルボルンにある小児医療研究所「マードック・チルドレンズ・リサーチ・インスティチュート」が武漢ウイルスに効果があるかどうかを調べるため、BCGワクチンの臨床試験を開始すると発表しました。臨床試験は、オーストラリア各地の医療従事者4000人を対象に行われます。

同じく、オランダでも、オランダの8つの病院でBCGかプラセボのいずれかを接種する1000人の医療従事者を募集するとしています。

更にイギリスのエクセター大学でも高齢者を対象に同様の研究に着手。アメリカのマックスプランク感染生物学研究所のチームは、 まだ承認されていないBCGワクチンの遺伝子改変バージョンを使用して、高齢者と医療従事者を対象とした同様の試験に着手することを発表しています。

件のオール・アバウト・サイエンス・ジャパンの記事では、無毒化した黄熱病ウイルスを接種する実験を行い、血中のウイルス量がBCGを接種された群では約1/5になると報告されています。

勿論、黄熱病ウイルスはコロナウイルスとは違いますけれども、初期株を使ったBCGワクチン接種によって、ウイルスの種類を問わず、ウイルスの増殖を抑えるのであれば、日本の武漢ウイルスの感染拡大スピードが他国と比べて鈍いというのも頷けます。

もし、初期株を使ったBCGワクチンが武漢ウイルスに有効なのであれば、既に70歳未満の全国民がBCG接種している日本はほぼ、武漢ウイルスに対して集団免疫を持っているとも言える訳で、日本にとっては朗報になるかもしれません。

BCGワクチンの臨床試験結果に要注目ですね。

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