辞任する枝野と敗北したマスコミ

今日はこの話題です。
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1.枝野辞任


11月2日、立憲民主党の枝野幸男代表は衆院選での敗北を受けて、「ひとえに私の力不足ということで、心からお詫びを申し上げる次第でございます。新しい代表のもと、新しい体制を構えて来年の参議院選挙、そして次の政権選択選挙に向かっていかなければならないということを決断いたしました」と代表を辞任する意向を表明しました。

役員会の終了後、福山哲郎幹事長は、「代表選挙規則にのっての選挙を行います。通常のフルスペックの選挙をやることになります。わが党では、代表が欠けた時点から60日以内に代表を選出しなくてはならないので、年内に代表選出の代表選挙を開催したいと思います」と述べ、「当然ですが、支えてきた者として、支えきれなかった、私の力不足も含めて、昨日、腹を決めている内容でしたので、新代表が決まるまでは、党務をやりますが私も幹事長職を辞めます」と自身の引責辞任も明らかにしました。

立民は衆院選で政権交代を訴え、大幅な議席の上積みを目指して衆院定数の過半数233議席を上回る240人を擁立したのですけれども、公示前の110議席に届かず96議席。小選挙区では議席増を果たしたものの、比例代表は大幅に減少。ベテランの平野博文選対委員長や辻元清美副代表が落選するなど波乱も相次ぎました。まぁ、完敗といっていいでしょうね。

福山氏は、議席減について「期待に応えられず心からおわびする。議席が減るとはほとんど考えていなかったので残念だ……今後の党の在り方を、残った者で早急に話し合いたい」と語っていますけれども、選挙前は政権交代の可能性があるなど、イチローの打率くらいだだの鼻息荒かったですからね。表情を見るだけでがっくり来ているのが分かります。

この結果に党内では「まさかこんなに減らすとは思わなかった」、「参院選が心配だ」などと枝野代表ら党執行部の責任を問う声が噴出。ある中堅議員は「結果は相当に厳しく、効果がなかった……来年の参院選に向け、体制を立て直す必要がある」と、枝野氏や福山氏ら執行部の交代を求めていましたから、致し方ないでしょうね。




2.もう穏健保守層からは信頼されない


福山氏は、野党共闘の不振について「競り勝つことができなかったのは残念だ。小選挙区を一本化して戦ったことには一定の評価が得られたが、分析を進める」と述べていますけれども、今回の選挙では、立憲、共産など野党5党は全290選挙区の7割以上となる213選挙区で候補者を一本化して臨みました。

立民幹部からは「公示前勢力から30超は上積みできそうだ」と強気の発言も出ていたそうですけれども、蓋を開けてみれば、野党統一候補が勝利したのは59選挙区に終わり、勝率は3割を下回りました。

党内では共産との連携について「共産との協力という禁じ手を使ってこの結果では話にならない」とか、「共産とべったり連携して、もう穏健保守層からは信頼されない」などと悔やむ声が出ているそうですけれども、何を今更という他ありません。

読売新聞社と日本テレビ系列各局が行った出口調査によると、立民候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は立民支持層の90%、共産支持層の82%を固めていました。一方、共産候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は共産支持層の80%を固めたのに対し、立民支持層は46%にとどまり、自民候補、日本維新の会候補などに票が流れたことが明らかになりました。

また、無党派層でも、比例選投票先では、立民の24%が最多で、自民21%、維新19%、国民9%、共産7%、公明党6%となり、前回の衆院選の調査では立民が30%、維新が9%だったと比べて維新の躍進が目立っています。このことから、野党5党の候補者一本化の動きを嫌った無党派層の一部が維新に票を投じるケースが増えたのではないかと見られています。

国民民主党の玉木代表は「政策を脇に置いて、選挙のために国民の思いとは違うところで物事を決めていくことに厳しい審判が下った」と語っていますけれども、まぁ、そういうことです。


3.維新に秋波を送る国民民主


一昨日のエントリー「総選挙で健闘した岸田総理」で元民進党代表の岡田克也氏が立民と国民民主の合流構想を口にしたことを取り上げましたけれども、国民民主は必ずしもそちらを見ている訳ではないようです。

11月1日、国民民主党の玉木雄一郎代表は、記者団に対し「国会で大きな力になる。政策の一致する範囲で協力できるところはぜひ取り組みたい」と語り、今後の国会で維新の会との連携を視野に入れる考えを示しました。

維新は公示前議席の11から41へ躍進し、国民も8から11に増加。10議席にとどまった共産党を抜いて、それぞれ野党第2、第3党となりました。

国民、維新の衆院議席を合計すると52人となり、衆院で予算措置を伴う議員立法を提出できる50人を超えますから、確かに連携すれば一定以上の力を持つことになります。

玉木代表は維新との協力について、旧民主党時代、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に対処する「領域警備法案」を共同提案したケースを例示するなど連携の余地があることを示し、国民民主を支援する民間労組幹部も「維新との連携は、共産とよりもハードルが低い」と話すなど自信を覗かせています。

もっとも、経済評論家の渡邉哲也氏が、両者の政策は全く合わないと指摘しているように、協力といっても限定的なものになるのではないかと思われます。




4.敗北したのはマスコミだ


今回の総選挙について朝日、毎日などのマスコミは自民単独過半数、自公絶対安定多数を確保したことを"悔しそう"に報じていますけれども、本当に敗北したのはマスコミだという指摘が其処此処でされています。その主な理由の一つに議席予想が大外れしたというのがあります。

各テレビ局が組んだ投開票当日の選挙特番では、投票締め切り直後の20時に「議席予想」を出していました。

この議席予想は「出口調査」とその他取材結果に基づいて出すもので、実際の結果と近ければ近いほど、その会社の力が評価されます。

今回の総選挙における各社の予想と結果は次の通りでした。
日テレ(NNN) 自民 238     立民 114  
テレ朝(ANN) 自民 243     立民 113
TBS  (JNN) 自民 239     立民 115
テレ東(TXN) 自民 240     立民 110
フジ (FNN) 自民 230     立民 130
NHK      自民 212~253   立民 99~141

結果      自民 261     立民 96
各テレビ局は、自民を20~30議席少な目に、立民を15~20議席、NHKに至ってはMAXで50議席近く多めに見積もっていたのですね。

これは率にして10~15%もズレていたことになります。誤差というには流石に無理があります。

なぜこれほどズレる結果となってしまったのか。

これについて、TVプロデューサーで京都芸術大学客員教授の村上和彦氏は「出口調査に協力する人の特性」が関係していると指摘しています。

村上客員教授は、調査に協力的な人たちの中に「政治意識が高め系な人」や「政治意識が高いことをアピールしたい人」が見受けられ、彼らの多くはいわゆる「リベラル系」だと述べています。

これに対し、自民党支持層には「マスコミにつきあってなんかいられない」という人や「特段、声を上げることなく粛々と投票する」いわゆる〝サイレントマジョリティ〟も多いとコメントしています。

この結果、出口調査では〝比較的協力的な〟リベラル系の有権者が投票先を答える一方で、〝メディアの調査とは少し距離を置く〟自民党支持層は出口調査で投票先を明かさない、ということが起きるのだとしています。

畢竟、こうした出口調査のデータを集計すると、「自民党へ投票した人は少なめ」、「立憲民主党に投票した人は多め」という結果が出るという寸法です。

村上客員教授によると、勿論、テレビ局も「そういう傾向」は承知していて、それゆえに、議席予想には、過去の選挙結果や、出口調査に協力してくれる有権者の「傾向」を踏まえて修正を掛けるのだそうです。

けれども、そこまでして10%以上もズレてしまった。

ということは、これまで各テレビ局が持っていた補正値を更に超える「出口調査で投票先を明かさない」人達が増えたということになります。


5.出口調査の限界


10月26日のエントリー「浮かれる野党と厳しい自民」で、筆者は、嘉悦大学の高橋洋一教授が青木率を使って試算する方法を取り上げましたけれども、高橋教授自身は10月25日の段階で自民の獲得議席を240議席をやや下回ると予測していました。

けれども、結果はこれを上回りました。

これについて高橋教授は、自身の予測を外したと素直に認め、その原因を青木率が下がり続けるという前提で計算していたが、実際はそれほど下がらなかったからだと述べています。

高橋教授は青木率が下がらなかった場合は、自民の獲得議席は260程度になるとして、計算式は間違っていなかったが、その前提となる青木率が間違っていたと述べています。

もっとも、高橋教授は各マスコミが出口調査を行っていたにも関わらず、議席予想が全て外れたことについても言及しており、その原因は、投票締切直後に獲得議席予想を出すために、出口調査を早い段階で止めてしまう可能性があり、それが調査データの偏りをよび、その結果違った議席予想を外したのではないかと推測しています。

まぁ、筆者はそんなものでここまでズレが発生するのかちょっと疑問に思えますし、どちらかといえば、村上客員教授が指摘するように「自民党へ投票した人は少なめで立憲民主党に投票した人は多め」という大きな傾向が更に激しく振れたと見るほうが近い気がしています。

いずれにしても偏ったデータから導き出される結論は当然偏ったものになります。

出口調査というやり方が限界を迎えているのかどうかは分かりませんけれども、テレビの選挙報道は今後増々その信頼を落としていきそうですね。




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この記事へのコメント

  • Naga

    出口調査は答える人の層の偏りだけでなく、投票と正反対の答えをする人もいます。
    フェイク報道や印象操作ばかりするマスゴミへのささやかな復讐です。
    2021年11月03日 11:12
  • ハーメルン

    過去30年間、欠かさず投票してきたが出口調査なんて1度もお目にかかった事有りません。
    分母が少ない上に、片寄ってんじゃないの?
    2021年11月07日 07:09