日本は次世代エネルギーモデルを示せ

今日はこの話題です。
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1.白旗をあげた中国


中国の電力不足が続いています。

中国東北部の遼寧省、吉林省、黒竜江省では9月下旬、相次いで電力供給制限が行われ、信号が消えて交通渋滞が発生したり、集合住宅のエレベーターの停止や断水も起きたそうです。

また、製造業が盛んな東部の江蘇省や浙江省、南部の広東省では電力供給制限で工場の操業停止が相次いでいます。

例えば、広東省では、精密機器メーカーの工場で週に6日間、夜間以外の電力使用量が通常の半分に制限され、一部の操業を夜間に振り替えているほか、別の電子機器メーカーは、週に5日間、電力使用量が通常の10%に制限され、自家発電で対応しているという有様で、日本貿易振興機構(JETRO)の広州事務所によると、広東省だけで自動車関係など約180以上の日系企業が影響を受け、アップルやテスラ関連の工場も生産が混乱しているそうです。

一部では、中国とオーストラリアの紛争で、オーストラリア産の石炭輸入を禁止したことが電力不足の要因になっていると報じ、最近、中国はその輸入禁止したオーストラリア産の石炭輸送の荷降ろしを開始し、約40万トンの石炭を排出したと伝えています。


2.省エネしないと出世できない


では、中国はオーストラリアの石炭がないとどうにもならないのかというと、そうとは限りません。

確かに、中国は発電電力量の約6割を石炭火力に依存しているのですけれども、その石炭火力燃料の9割以上は国内炭で賄っています。

輸入炭は1割程度で、オーストラリア産の石炭は全体の2%程度しかなく、既にインドネシア産などで代替しています。
要するに、オーストラリア産石炭の輸入禁止が今の電力不足の原因ではないということです。

10月3日のエントリー「中国の電力不足」で、中国は中央政府が掲げた省エネ目標を達成するために、各地方政府が電力規制を掛けたからだと述べましたけれども、それ以外に単純に電力需要が伸びたからだという指摘もあります。

中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏は、今年1‐8月期の全国石炭生産量は昨年同時期の生産量の4.4%増と生産絶対量が減ったわけではないものの、中国全土の電気使用量の増加が、石炭供給量の増加よりも遥かに大きいスピードで動いた結果、電力不足に陥ったのだと述べています。

実際、中国の国家エネルギー局データによれば、2021年1-8月期の電力消費は昨年同期比の13.8%増となっています。

なぜ、ここまで電力消費が伸びているのか。

これについて、先述の遠藤氏は、パンデミックを起こした武漢ウイルス禍からいち早く抜け出して、通常の工業生産に戻した結果、世界中から注文が殺到して電力不足に陥ったというのですね。

ただ、中国の電力不足は単なる供給不足に加え、地方政府の電力規制が上乗せされています。せめて、この電力規制がなければ、ここまで酷い停電にはならなかったのではないかと思います。

もっとも、中国では、中央政府が出したエネルギー効率の環境基準をきちんと守って達成するというのも、地方政府幹部の昇進に響くらしく、それゆえ躍起になって規制しているという面もあるようです。


3.世界を席巻する中国太陽光発電


2020年9月、習近平主席は、国連でのビデオ演説で「中国は2060年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする」と宣言しました。

これは、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」で世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度までに抑えるよう努力すると定められているのですけれども、これを実現するためには、2050年に世界全体で二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにしなければならないとされています。

従って、習近平主席の国連での宣言はこれを意識してのことだと思われます。

もともと、中国は2013年頃PM2.5による大気汚染が非常に深刻になって、国際問題にもなったことがあります。この時、中国は大都市での石炭使用を禁止するなど規制を厳しくしました。

これにより、2013年まで上昇傾向であった中国の石炭消費量は、それ以降、横ばいになっています。

一方、再生エネルギーである太陽光発電は急速に拡大。中国における2020年の太陽光発電の新規設備容量は、前年比約60%増の48.2ギガワットに達し、8年連続で世界一。累積設備容量も253ギガワットと6年連続世界一となっています。

実際、太陽光発電市場でも、中国メーカーがトップ5を独占しています。意外にもこの分野では中国が世界を席巻しているのですね。

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4.日本は次世代エネルギーモデルを示せ


ただ、だからといって、国内生産に支障をきたすほど規制して、省エネ目標を達成したとしても、いつまでもそれを続けるわけにもいきませんし、もとより再生エネルギーで、全ての電力を賄うのは難しいと思います。

となると、再生エネルギーだけでなく、二酸化炭素排出が少ない他の発電方法を増強するしかありません。例えば原発などもそうでしょう。

2020年現在、中国で稼働している原発の発電設備容量は4988万キロワットなのですけれども、中国政府は、国内原発について、2030年には、全国の発電量全体の8%を占める1億2000万キロワットへと拡充する計画を立てています。

ただ、6月19日のエントリー「ゴリ押し稼働だった台山原発」でも述べましたけれども、中国の原発建設と運転は無理を通している部分があり、安全性で懸念がないとはいえません。

カーボンニュートラルを目指すのは結構ですけれども、そのために国民生活を犠牲にし、先祖返りするのでは、本末転倒です。そもそも、この考えを是とし、更にこれを突き詰めてしまえば、どこかの小説や漫画ではありませんけれども、「人類は地球には不要なのだ」論になってしまい兼ねません。

今、全世界的にカーボンニュートラルに向かって動き出していますけれども、手段が目的化してしまって、人類を先祖返りさせることは避けるべきだと思います。

そのために、日本は、4S炉など安全性が高く、温室効果ガスを出さない発電設備を開発・構築して、次世代モデルを世界に示していくことも考えるべきではないかと思いますね。


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