岸田総理は日本を整えるか

今日はこの話題です。
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1.岸田総理誕生


10月4日、自民党の岸田総裁は、衆参両院本会議の首班指名で第100代首相に選出されました。

岸田総理は、皇居での親任式と閣僚認証式を経て、即日新内閣を発足させました。

岸田総理は目下のコロナ禍と総裁選の公約で掲げた経済政策を中心に取り組む方針と見られていますけれども、早速、総理官邸のサイトでは、4日に閣議決定された岸田内閣の基本方針が公開されています。

その概要は次の通りです。
政権運営の基本として、国民との丁寧な対話を大切にし、以下の三つを約束する。
 第一に、国民の声を丁寧に聞き、政策に反映させていくこと。
 第二に、個性と多様性を尊重する社会を目指すこと。
 第三に、みんなで助け合う社会を目指すこと

以下の五つの政策に取り組む

〇新型コロナウイルス対策
「納得感のある説明」と「常に最悪を想定すること」を原則

〇新しい資本主義の実現
成長戦略
(1)科学技術立国
(2)デジタル田園都市国家構想
(3)経済安全保障
(4)社会保障改革

分配戦略
(1)働く人への分配機能の強化
(2)中間層の拡大
(3)公的価格のあり方の抜本的見直し
(4)財政の単年度主義の弊害是正

〇国民を守り抜く、外交・安全保障
世界の我が国への「信頼」と「三つの覚悟」
(1)自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く
(2)我が国の領土、領海、領空及び国民の生命と財産を断固として守り抜く
(3)核軍縮・不拡散や気候変動問題など地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する

〇危機管理の徹底
「常に最悪を想定し」平素から準備に万全を期す。

〇東日本大震災からの復興、国土強靱化
福島の復興・再生、災害に強い地域づくり・国土強靱化
この基本方針について、マスコミは、経済政策として掲げた「新しい日本型資本主義」に着目。小泉改革以降の新自由主義的政策を転換することだとして、成長と分配の好循環による「令和版所得倍増」を説くのはいいが、改革はどこへ行ったのかと批評しています。


2.総理の一字


これまで筆者は新しい総理が就任すると、新総理を表す漢字一字を記事にしてきました。

昨年9月は、菅総理の就任時に「忠臣・菅義偉」というエントリーで、菅総理を表す一字を「忠」としました。

今、改めて件のエントリーを読み直したのですけれども、改革への政治手腕の期待を述べつつ、改革課題をやり切れなかったら、総裁選に出馬して政権継続し、逆にやり遂げたら、その場で潔く退陣する、そんな内閣ではないかと述べていました。

菅前総理の数々の功績を振り返ってみれば、100%やり遂げたとは言えないまでも、それなりの実績は残していますし、スパッと退陣するあたり、やはり「忠」の総理だったのではないかと思います。

では、翻って、岸田総理を表す一字はなにか。

それは、おそらく「調」ではないかと思います。いろんなことを「調(ととの)えて」いく。偏りを無くしていく、いい感じにしていく。そんな政権ではないかと思います。

例えば、岸田政権が掲げた5つの政策にしても、"武漢ウイルス禍"は「自粛自粛で国民生活が偏っているから調えよう」になりますし、経済政策の"成長と分配"についても、「国民の間で富が偏っているから調えよう」としているように感じます。

また、"国民を守り抜く、外交・安全保障"も、「諸外国から陰に日向に国民生活が脅かされているから、いい感じに調えなければならない」という風に見えます。

"危機管理の徹底"も"福島の復興、国土強靭化"も同じ文脈ですね。

つまり、岸田総理は、日本の中の偏りや歪みを修正して調えていく。そんな総理になるのではないかということです。


3.現状維持という世界観


筆者には、岸田総理が打ち出した内閣基本方針を見て気になることがあります。それは総裁選の時でも述べましたけれも、「戦略の階層」でいうところの「世界観」が見当たらないということです。

一応、内閣基本方針の冒頭で岸田総理は、「信頼と共感を得られる政治が必要だ」と述べています。けれども、信頼と共感を得るというのはあくまでも"結果"であって、進むべき方向を示している訳ではありません。

なぜなら、中国や北朝鮮のような全体主義国家、独裁国家でも、住民の信頼と共感が得られさえすれば、それでOKということになるからです。ですから「信頼と共感を得られる政治」は世界観にはなり得ない。方向がない。

ただ、もし岸田総理が描いている「世界観」に相当するものがあるとすれば、それは「安定」あるいは「現状維持」なのではないかと思います。

今の日本を安定させる、今の日本の社会を維持する、それが世界観というか目標に置いているのではないか。

だから、その下の戦略階層である「政策」階層は「日本の歪みを調えよう」となって、これら5つの政策になってくるように思われます。

戦略の階層で「政策」の下の「大戦略」は「国家の資源をどう使うか」を考える戦略階層なのですけれども、確かに岸田総理が掲げた5つの政策は、今、日本が持っている資源の配分や使い方を見直すことで、歪みを調えていく戦略だと言えるのではないかと思います。


4.成長なければ縮小均衡


けれども、資源配分や使い方を見直して、歪みを調えることで「現状維持」するためには、ある程度以上の国力が必要です。

もし、国が貧しく、国民を食わせるだけで精一杯の状態だったとしたら、国の資源をどう使うかもへったくれもありません。食糧確保一択です。

そもそも、現状維持といっても、日本単独で出来る訳でもありません。世界との貿易とて、他国との力関係も影響してきます。食糧とて他国に高値で買占められてしまえば、日本にその食糧は回ってきません。

実際、今年になってから、食用油や小麦粉、牛肉といった食材が値上げされていますけれども、中国での需要増加などを受けて値上がりしているのが一因だと言われています。既に現状維持できていないのですね。

また、GDPにしても、世界各国がGDPを伸ばしている一方、日本は平成からこの方ずっと横這いです。

つまり、何もしなければ、時と共に日本の国力は相対的に下がる可能性が高いということです。

従って、そうしたジリ貧の資源を、いくら一生懸命に配分して、使い方を見直したところで、そこに現れる「調った日本」なる社会は、単なる"縮小均衡"で調っただけになるかもしれない。そこは注意しないといけない点だと思います。

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5.調えるから整えるへ


同じ「ととのえる」と書く漢字に「整える」というのがあります。

こちらは整理整頓の「整える」ですけれども、こちらは無駄を省き、あるべきものをあるべきところに収めるという意味になります。

この場合は、要らないものを捨て、必要なもの、将来、役立つものを残していく、そういった取捨選択が必要になります。その意味では、こちらの「整える」は多分に"改革"の要素を含んだものになります。

こちらの「整える」を戦略階層の大戦略だとおけば、優先順位を付けての資源の重点配分となり、その分野を大きく成長させることになります。

それでも国力を維持し、その結果としての社会の「現状維持」を図るという意味では、こちらの方が可能性が残されていると思います。

けれども、取捨選択するためには、当然ながら「判断」をせねばならず、判断するためには、その中になんらかの「価値基準」がなければなりません。それこそを世界観に置くべきだと思うのですけれども、今のところ岸田政権にそれが見受けられないのは少し残念ではあります。

ただ、国民が安定と現状維持を望んだ結果、"今の"岸田総理を選んだのであれば、その現状維持は、今の日本を調えた結果の現状維持であり、10年後20年後の現状維持を保証するものではないことには留意が必要だと思います。

その意味で鍵を握るのはおそらく成長戦略だと思います。GDPを拡大し日本を成長させる。そうしてはじめて現状維持できるかどうかと腹をくくるべきだと思います。

今後、岸田総理が機を見計らいながら成長戦略を推し進め、「調える」から「整える」にシフトしていく部分を強くしていくことも期待したいですね。


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