民主主義と共産主義の選択選挙

今日はこの話題です。
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1.民主主義か共産主義か


10月19日、衆院選の公示が行われ、正式に選挙戦がスタートしました。

15日、時事通信などのインタビューに応じた自民党の甘利幹事長は、衆院選の最大の争点を問われ「衆院選は政権選択選挙だ。今回はこれに加え、体制選択選挙になる。立憲民主党と共産党が小選挙区候補者の一本化の調整を行った。自民、公明両党による自由と民主主義を基本とする体制か、日本の政治史上初めて共産主義が政権に入る体制を選択するかだ。政治理念を無視して閣内協力、閣外協力をするということになる。物事が進まなくなる」と答えました。

甘利幹事長は前日も、国会内で記者団の質問に同じ主旨の答えをしていますから、このことをかなり重く見ていることが窺えます。


2.共産党と手を結んだ立憲民主


甘利幹事長がインタビューで指摘したとおり、今回立憲民主と共産党が手を結んだのですけれども、9月30日、立憲民主の枝野代表と共産党の志位委員長が国会内で党首会談を行い、次の3点で協力することで合意しました。
一、次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する。

二、立憲民主党と日本共産党は、「新政権」において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際、日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする。

三、次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す。
ここで二に出てくる「市民連合」というのは、2015年12月に発足した「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(通称:市民連合)」のことです。

市民連合は、野党共闘に向けた政党間の協議がなかなか進まないことに業を煮やし、まずは市民が広く連帯することで、市民が野党共闘をリードしようという考えの下生まれました。

市民連合発足の呼びかけ団体は次の通りですけれども、これを見るだけでどんな方向性を持った団体なのか大体分かります。

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 / 安全保障関連法に反対する学者の会 / 安保関連法に反対するママの会 / 立憲デモクラシーの会 / SEALDs(2016年9月 解散)

9月8日、立憲と共産、社民党、れいわ新選組の4党はこの市民連合を介し、次の6項目の共通政策に合意しました。
(1)憲法に基づく政治の回復
(2)科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化
(3)格差と貧困を是正する
(4)地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
(5)ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
(6)権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
今回、立憲と共産が閣外協力するとしたのは、この6項目の共通政策が対象です。

立憲の枝野代表は記者会見で「政権を獲得できた場合の共産党との関係における枠組みは、これで明確になった」と語り、共産の志位委員長は「党の99年の歴史でこうした合意を得て総選挙を戦うのは初めてのことだ」と歓迎し、立民との協力の枠組みを「わが党が提唱してきた野党連合政権の一つの形態だ」と歓迎しています。

立憲の幹部によると、立憲が描く新政権と共産の関係は、自公政権と日本維新の会との関係に近く、政府提出法案の事前審査などには関与させないイメージだとしています。


3.反発の連合


今回、立憲が共産と手を組んだことについて、立憲の支持母体の一つである連合(日本労働組合総連合会)が反発しています。

連合の幹部によると、「これでも立民を支援するのか、という声が地方の連合会を中心に次々と上がってきている」という状況らしく、10月7日、新たに連合会長に就任した芳野友子氏は、東京都内で記者会見し、「連合はこれまでも共産の閣外協力はあり得ないと主張している」と、共産と協力する立憲に不快感を示しました。

元々「連合」は、共産党を排除した当時の労働団体「総評」の駆け込み寺として、民間労組の呼びかけに応じて、1989年に結成されたという経緯があります。つまり、共産党とは対立関係にあった訳です。

それが今回、立憲が共産と手を結んだわけですから反発するのも当然です。

芳野会長は、連合が推薦する立憲の候補予定者の活動について、「現場では選対にも共産党が入り込んで、立憲、共産両党の合意をたてに、さらなる共産党政策をねじ込もうとする動きがある。立憲には混乱がないよう選対をしっかりコントロールしてほしい」と指摘。今後、立憲の枝野代表と初めて面会した際に直接申し入れる考えも示しています。

これに対し、枝野代表は7日の会見で、「連合も『これならばあり得るよね』と一定の理解をいただける内容で、芳野会長も理解いただいていると思っている……実態がきちんと組合員や国民に広く伝わるよう、さらに努力したい」と理解を求める考えを示していますけれども、ギクシャク感は拭えません。


4.手を引くトヨタ労連


反発する立憲の支持母体は他にもあります。

9月17日、トヨタ自動車グループの労働組合でつくる「全トヨタ労連」の鶴岡光行会長は、名古屋市内で会見を開き、「同じ志の人、色々お世話になった人達がいます。地域の皆さんの声も聞きながら、衆議院選挙に臨みたい」と述べ、衆院選での立憲民主党との連携について、距離をとる姿勢を滲ませました。

そして、自動車産業の政策実現に向けた連携を自民党と強める方針に転換。14日には、トヨタ自動車労働組合出身で愛知11区選出の古本伸一郎前衆院議員が衆院選出馬を見送ると表明しました。

会見に同席したトヨタ労連の西野勝義委員長は「政策課題に取り組むために、政党の対立前提の選挙区からは組織内議員を出さない」と明言しているところを見ると立憲が共産と組んでいる限り、トヨタ労連が立憲の候補者を支援することはないように思われます。


5.観測気球という聞く力


こうしてみると、自民の甘利幹事長が、今回の総選挙を自由民主主義か、共産主義かの選択だと述べたように、立候補者が民主主義なのかそれとも共産主義なのか、明確に色分けされつつあるようにも感じます。

振り返ってみれば、先の自民党総裁選で、各候補者で議論が交わされると同時に、自民が保守からリベラルまで広くカバーしていることが、改めて知られるようになりました。

そんな自民と対抗して、差別化を図るには、もっと左かもっと右、いわゆる極左か極右になるか、あるいは自民が手をつけていないニッチなところに絞り込んで主張するくらいしかないのかもしれません。

けれども、それでは、狭い範囲しか相手にできないので、必然的に多数の議席を確保することは難しくなります。

その意味では、やはり先の総裁選は自民党にとって大きかったのではないかと思います。

では、その自民党、岸田政権はどうか、というと岸田総理の発言のブレが少し気になります。

総裁選前ではモリカケ問題でもっと説明をといったかと思えばすぐに引っ込めましたし、金融所得課税もやるといったかと思えば、今ではないといい、そのあとには任期中にはやるかもしれないと発言がブレています。

また経済政策についても、総裁選の際には成長優先の経済政策を見直すといったものの、所信表明演説では「分配なくして次の成長なし」と口にする一方、代表質問では「成長なくして分配なし」へとひっくり返りました。

これでは、成長と分配の順番などどうでもいいと考えているか、それとも分かっていないのかと訝られても仕方ありません。

もっともこの発言は、、世論の様子を見て出したり引っ込めたりする「アドバルーン戦略」だという指摘もあります。

なるほど、観測気球としての発言とするのならブレるのも分からないでもありませんし、見方を変えればこれも「聞く力」の一部なのかもしれません。

けれども、これは裏を返せば、岸田総理にとってどうしても自分がやりたい政策などないことをも意味します。

以前「岸田総理は日本を整えるか」で、岸田総理の政策は、「皆の意見を聞いて、歪みを調えよう、直していこう」というものではないかと述べたことがありますけれども、増々その感が強くなってきたように思いますね。


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