中国が狙うクワッド解体と台湾のTPP加盟

今日はこの話題です。
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1.バイデン政権の対中融和


アメリカのバイデン政権の対中姿勢が軟化していると批判の声が上がり始めています。

産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏によると、次の3点で批判が上がっているようです。
・中国の人質外交に屈服した
・バイデン大統領は外交演説で中国へ配慮した
・国防費の実質的削減で対中抑止力が低下する
最初の「中国の人質外交に屈服した」についてですけれども、トランプ前政権の国家安全保障担当の大統領補佐官ジョン・ボルトン氏は、9月30日、ワシントンの政治新聞「ワシントン・エグザミナー」に「中国に対するアメリカの弱点(American weakness on China)」という論考を発表しました。

論考でボルトン氏は、中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイの副会長である孟晩舟氏の中国への帰国を許可したことを取り上げ、「その背景がどうであれ、バイデン政権の真の弱さを示している」と批判。

今回の釈放によって「他の国々は、孟氏のDPAをアメリカの譲歩と見なし、その後のアメリカによる犯罪者の引き渡し要請や、犯罪捜査・起訴におけるその他の協力関係を弱める可能性が高い」と指摘。更に、孟晩舟氏を釈放したタイミングで、アメリカ・日本・オーストラリア・インドの「クアッド」首脳会議を行ったことの不備に苦言を呈しています。

また、この件について、ウォール・ストリート・ジャーナル紙も社説で「中国の人質外交の威嚇に屈するべきではない」とバイデン政権を批判しています。

次に、「外交演説で中国へ配慮した」件ですけれども、これは、バイデン大統領の9月下旬の国連総会での外交演説のことです。

バイデン大統領はこの演説で、「インド太平洋地域などの優先事項に焦点を移し、同盟国などとともに多国間の枠組みで取り組んでいく……より強い国々が武力で領土を変更したり、経済的に抑圧したりして、弱い国を威圧しようとする行為に反対し、同盟国や友好国のために立ち上がる」と強い姿勢で臨む考えを示したものの、中国の不当な言動への批判はほとんど述べず、中国の国名も挙げませんでした。

更に、「新たな冷戦や、硬直した陣営に分断された世界を望むわけではない……我々の共同の未来では新型コロナウイルス、気候変動、貿易、サイバーテロ、国際テロ防止などが課題になる」とし、対立を望むわけではなく、どの国とも協力していく用意があると強調しました。

中国への配慮がにじむバイデン大統領のこの国連演説に対し、中国問題を積極的に提起している共和党のティム・スコット上院議員らが、「バイデン大統領は明らかに中国へのスタンスを軟化させた」として非難しています。

バイデン大統領は、この国連演説で世界での人権弾圧などの問題を提起したのですけれども、ベラルーシ、キューバ、ミャンマー、シリア、ベネズエラなどの国名をあげる一方、中国の名を出しませんでした。その時点でまぁ、お察しです。

そして最後の「低下する対中抑止力」ですけれども、下院軍事委員会のマイク・ギャラファー議員(共和党)は、バイデン政権の国防費の事実上の削減が、非核の通常戦力面で中国の優位を許し、中国にトランプ前政権時代よりも大胆で果敢な軍事攻勢を招く結果になったと主張。現在の国防総省の軍事政策では中国への軍事抑止は効かなくなると主張しています。

また、民間の研究機関「民主主義防衛財団(FDD)」のデービッド・アデスニク調査部長も、「バイデン政権の当初からの軍事軽視が、いまになって中国側の軍事攻勢を奨励する結果を招くようになった」と指摘。その実例として、最近の大量の中国軍用機による台湾の防空識別圏への侵入や、台湾攻撃を想定するような大規模な軍事演習、さらには南シナ海や東シナ海での水上艦艇や潜水艦の行動の活発化を挙げ、「中国のこの種の果敢な軍事行動は、軍事抑止能力を重視したトランプ政権時代にはみられなかった」と強調しました。

要するにトランプ前大統領と比較して、バイデン大統領は中国に舐められている訳です。


2.日中首脳電話会談


一方、日本はどうか。

10月8日、岸田総理は、中国の習近平国家主席と就任後初めて電話会談をしました。

会談の冒頭、岸田総理が就任の挨拶を述べ、習主席からは祝意が示されました。

岸田総理は、岸田総理が「日中国交正常化50周年である来年を契機に、建設的かつ安定的な関係をともに構築していかなければならない」と両国間のさまざまな懸案を率直に提起したうえで、こうした問題も含め、今後、対話を重ねていきたいという考えを伝えたのに対し、習主席は、賛意とともに日中関係を発展させていくことへの意欲を示したと伝えられています。

会談後、岸田総理は記者団に対し、沖縄県の尖閣諸島をめぐる問題や香港、新疆ウイグル自治区の問題について提起し、意見交換を行ったと明らかにしたのですけれども、記者団が中国のTPPへの加入については「その話題は出ていない」と述べ、習主席の国賓訪問についても「きょうの電話会談ではやり取りはない。私自身、何も決まっていないと承知している」と述べています。

一方、中国外務省は、会談で習主席は「中国と日本は隣り合う国であり、両国の友好協力関係の維持と発展は、双方の利益にかないアジアと世界の平和と安定、繁栄に資するものだ……中国は日本の新政権が、両国間のハイレベルの意思疎通の維持を重視していることを評価し、日本側との対話と協力を強化して新時代にあった関係を構築していきたい」と述べ、今後の関係強化に期待を示し、「歴史や台湾などの敏感な問題を適切に処理し、立場の違いをうまくコントロールしながら、正しい方向を把握し、両国関係の政治的基礎と大局を維持すべきだ」と述べたと明らかにしました。

けれども、岸田総理が述べた尖閣や香港、新疆ウイグル自治区の問題などについては中国メディアは報じていないようです。

今回の日中首脳電話会談について、張陽チャンネルの張陽氏は、中国側の発言が柔らかいものであると指摘した上で、中国が岸田総理を丸め込む、あるいは利用したいとする下心があると指摘しています。




3.中国が狙うクワッド解体と台湾のTPP加盟


更に張陽氏は、中国は日米豪印の「クワッド」を解体させたいと思っているとして、そのためにアメリカを攻略する必要があると指摘しています。けれども、アメリカが対話によって中国との問題を解決しようとしても利用されるだけだと警告し、それを食い止めるには、同盟国が反対の声を上げ、中国に妥協しないことだと述べています。

ただ、中国は、アメリカ以外の3ヶ国、すなわち日豪印のうち、一番弱い「鎖」は日本だと見ているとして、日本を攻略し、台湾を孤立させてくるだろうと述べています。

張陽氏は、日本が中共政府を牽制するよりはバイデン政権を牽制した方が、クワッド維持にはより良いだろうと指摘していますけれども、これは裏を返せば日本がクワッドを主導するということです。

果たして岸田総理にそこまでのリーダーシップを期待できるのかというと、正直分かりませんけれども、一つその試金石になりうるものがあります。

それは、台湾のTPP加盟です。

先日、自民党は選挙公約を発表しましたけれども、その政策パンプレット06章「毅然とした日本外交の展開と国防力の強化で日本を守る」の中に「台湾のTPP加盟申請を歓迎し、WHO総会へのオブザーバー参加を応援します」と明記されています。

台湾のTPP加盟を公約として掲げた訳です。

これについて、高市政調会長は、10月5日、自民党有志による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」が国会内で開いた会合で「価値観を同じくする仲間として、台湾の取り組みを応援していきたい……党外交部会などの了解も必要だが前向きに検討したい」と述べ、会合に出席した台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が講演し「中国が先に加盟国になれば、必ず台湾の加盟を否決する……中国より先に加盟しないといけない」と日本の支援を要請しました。

高市政調会長は総裁選期間中の9月20日に台湾の蔡英文総統とオンライン会談しているのですけれども、蔡総統が「台湾は先進的な経済体であり、民主的で透明性の高い市場メカニズムを有している……日本には、TPPのような自由貿易協定に台湾が加盟できるように、積極的に支援してほしい」と要請したのに対し、高市政調会長は「日本は参加を支持し、できる限りの支援をしたいと思っている」と応じています。

党の公約に載せた以上、岸田政権はこれに取り組むことになりますし、日本は今年TPPの議長国でもありますから、台湾のTPP加盟を実現させやすい立場でもあります。

果たして、中国の反対や妨害に屈しず、岸田政権は台湾のTPP加盟を実現させることが出来るのか。

これが実現できれば、その次のクワッド維持、発展にも展望が開けてくるのではないかと思いますね。


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