狙われている岸田政権

今日はこの話題です。
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1.金融所得課税


10月10日、岸田総理はフジテレビ番組で、金融所得課税について「当面は触ることは考えていない……成長なくして分配はない。金融所得課税を考える前にやることはいっぱいある……すぐやるのではないかという誤解が広がっている。しっかり解消しないと関係者に余計な不安を与えてしまう」と発言。株価下落について「仮に私の考え方が影響しているとしたならば、誤解を解いていかなければいけない」と述べました。

岸田総理は、その後、党本部で記者団の取材にも応じ、分配政策について「順番を考えた場合、まずは賃上げ税制、さらには下請け対策、そして看護、介護、保育といった公的価格の見直しから始めるべきだ」とし、金融所得課税見直しは「選択肢を並べたうちの一つだった」と述べています。

岸田総理は9月8日の自民党総裁選での政策発表会見で「成長の果実を分配する、国民の一体感を取り戻すという点において、考え直す、見つめ直す必要があるのではないか」と述べ、現在の一律20%(所得税15%、住民税5%)である株式の配当や売買にかかる金融所得課税について、格差是正を示唆していたことから、直ぐにでも金融所得課税強化がされるのではないかとも見られていました。

マスコミは、日経平均株価が9月27日から10月6日まで約12年ぶりとなる8日続落となったことなどから、金融所得課税強化を株価下落の原因などとし、この日の岸田総理の発言を受けて、「一転先送り」とか、「市場に配慮」とか、まるでブレたかのように報じています。


2.格差是正


事の発端は、10月7日、岸田総理の経済政策のアドバイザーでもある岸田派所属の山本幸三衆院議員がブルームバーグとのインタビューで、岸田総理が掲げた金融所得課税の見直しについて「格差是正の象徴だ」と述べ、市場に悪影響が出ないよう「バランスが非常に大事だ」とした上で「これまでの実証研究では株式市場を害さない税率は25%だ」とコメントしたことです。

現在の税制では、給与所得は所得が多いほど税率が上がり、課税所得4000万円以上なら住民税も含めた税率が最高の55%(所得単体では45%)となるのですけれども、金融所得への課税は一律20%に設定されています。

この為、年間所得が増加するにつれ、給与所得が多く金融所得が少ない場合は所得税の負担率が上昇し、逆に、給与所得が少なく金融所得が多い場合は負担率が低下する現象が発生します。

現実には、年間所得が1億円を超えると、所得税の負担率が低下していて、これが「1億円の壁」と呼ばれています。

このコメントから、直ぐに金融所得増税をやるのではないかという見方が広がりました。

これについて、経済評論家の上念司氏は渦中の山本幸三議員に直接インタビューし、その模様をネット動画で公開しています。それによると、山本議員は、株式を見ながら、長期的にやる話で、すぐにやる訳ではない、と述べており、上念氏はブルームバーグの記事は誤報だとしています。

実際、件のブルームバーグの記事には「岸田首相は、分配の選択肢として金融所得課税見直しを挙げている。政府は年末の2022年度税制改正で議論する」との一文がありますから、これだけ読めば、確かにすぐやると捉えられても仕方ありません。

実際、どういうインタビュー内容からブルームバーグがこんな記事を書いたのか分かりませんけれども、本人が否定した以上、誤報だったと認めるべきではないかと思います。


3.国家財政破綻


まだ出発して間もない岸田政権ですけれども、マスコミはもとより官僚側からも足を引っ張ろうとするかのような動きが見えます。

月刊誌「文芸春秋」11月号に、財務省の矢野康治事務次官が「このままでは国家財政は破綻する」という論説を寄稿しました。

詳細の内容は省き、見出しだけ並べると次の通りです。
日本は衝突直前のタイタニック号
「心あるモノ言う犬」としてお話ししたい
国民のバラマキ歓迎は本当か
ワニのくちは塞がなければならない
10万円の定額給付金も死蔵されるだけ
GDPを増やしても赤字が減らない理由
日本国債の格付けに影響しかねない
消費税引き下げは問題だらけで甚だ疑問
日本は氷山に向かって突進している
もう見出しだけで、大体何を言いたいのか分かると思いますけれども、矢野事務次官は、衆院選や自民党総裁選に絡む政策論争を「ばらまき合戦のようだ」と批判。財政再建は喫緊の課題だと訴え、岸田総理が策定を指示した経済対策についても「コストや弊害も含めて、よく吟味する必要がある」と見直しを求めています。


4.ワニの口


この矢野事務次官の論説にには、当然ながら批判の声があがりました。

嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、10月11日の現代ビジネスでの記事で、矢野事務次官の論説を、会計学と金融工学から間違っているとし、次のように述べています。
・まず会計学から。矢野氏は、財政が危機であるとして、データで示しているのは「ワニの口」と称して一般会計収支の不均衡と債務残高の大きさだけだ。これは、同氏が2005年に書いた「決断!待ったなしの日本財政危機―平成の子どもたちの未来のために」(東信堂)からのスタンスだ。また、フローの一般会計収支とストックの債務残高のみで財政をいうのは、大蔵省時代からの一貫したスタイルだ。

【中略】

この財務諸表は、しっかりした会計基準でグループ決算が示されているが、それからみれば、矢野氏の財政データは、会社の一部門の収支とバランスシートの右側の負債だけしかない欠陥であることがわかるはずだ。

【中略】

・次に金融工学からも間違いだ。筆者の研究によれば、連結ベースのネット債務額はその国の破綻確率と密接に関係しているが、これは理論通りだ。この関係を知らなくても、市場で取引されているCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のレートから、破綻確率を算出できる。というのは、CDSはデフォルトに備えた保険だが、その保険料からデフォルト確率が算出できるのだ。

直近の日本国債の5年CDSは0.00188%なので、大学院レベルの金融工学知識を使えば、日本の5年以内の破綻確率は1%にも満たないのがわかる。これは、バランスシートからの破綻の考察とも整合的だ。

人間は5%未満の確率であればないものと認識する。そのため、0~5%の降水確率でも、零%の降水確率と表現する。矢野氏が、日本財政が破綻するおそれがあるというのは、降水確率零%の予報のとき、今日は台風が来るので外出は控えろというのと同じくらい、筆者には滑稽に思える。

【以下略】
高橋氏によると、矢野事務次官は、「ワニの口」と称して、フローの一般会計収支とストックの債務残高のみで財政危機を語る愚を犯しているというのですね。

ちなみに財務省のいう「ワニの口」については、経済評論家の三橋高明氏が自身のブログで次のように述べています。
土居丈郎や小黒一正ら、財政破綻論者が、第二次補正予算を受けて、
「わ、ワニの口がっ!」
 と、やかましく騒ぎ立てていますが、ワニの口とは「国債償還を含む歳出」と「一般税収」を比較するという、そもそもが何の意味がないレトリックでございます。

 国債とは、基本的には借り換えされていくものです。「借りて、返す」のが基本であるにも関わらず、「借りて」を省き、「返す」の部分のみをクローズアップさせ、騒ぎ立ている。というか、騒ぎ立てるためのレトリックなのです。

 財務省は、ワニの口をクローズアップさせることで、
「国債とは、税金で返済する借金」
 という、嘘の考え方で国民を洗脳しようとしてきたわけです(洗脳されましたが)。

 ちなみに、ワニの口が開くとどうなるかといえば、今の日本では、特に何事も「悪いこと」は起きません。ワニの口が開いたということは、その分、「政府の貨幣」が発行されたことになり、国民が豊かになります。
三橋氏も「国債(ストック)とは、税金(フロー)で返済する借金」だという嘘の考えで国民を洗脳しようとしてきたと述べています。


5.一発アウト


けれども、この矢野事務次官の論説は、現職の次官による意見表明であり、異例かつ越権行為です。

ネットでは「現職の自衛官が政治的な発言をした場合どうなるか、置き換えて考えてみましょうか。・・・田母神さんの事例を思い出して一発アウトじゃん」という投稿もありますけれども、そういうことです。

そもそも、矢野事務次官自身、件の論説で「決定権のない公務員は、何をすべきかと言えば、公平無私に客観的に事実関係を政治家に説明し、判断を仰ぎ、適正に執行すること。しかし、これはあくまで基本であって、単に事実関係を説明するだけでなく、知識と経験に基づき国家国民のため、社会正義のためにどうすべきか、政治家が最善の判断を下せるよう、自らの意見を述べてサポートしなければなりません」と述べています。

この通りに、政治家に対して、意見具申をすればよいだけであって、国民に向けて話す権限は持っていません。話したければ、辞職するか、政治家に転身すべきだと思います。

矢野事務次官はそんなことも分からないとは思えないのですけれども、あるいは、目下の状況では、政治家に説明しても、"財政健全化"をしてくれそうにないので、世論を動かして政権にプレッシャーを与えようと考えたのかもしれません。

まぁ、動機はどうであれ、越権行為には違いありません。




6.財務省の犬


当然ながら、今回の矢野事務次官の行為に政府・与党幹部は怒りを露わにしています。

10月10日、自民党の高市早苗政務調査会長はNHKの「日曜討論」で、「基礎的財政収支にこだわって本当に困っている方を助けない、未来を担う子供たちに投資しない、これほどばかげた話はないと思っている……名目成長率が名目金利を上回っていたら財政は改善していくし、そういう姿を目指している。また、自国通貨建ての国債なのでデフォルトも起こらない……少し新型コロナウイルスが落ち着いた場合に消費爆発期が必ず来る。できるだけ分配という中で消費マインドを高めていく、これはまた税収となって返ってくるので、こうしたことを総合的に考えていただきたいと思う」と述べ、矢野事務次官が件の論考で「バラマキ的な政策」としたことについて「「大変失礼な言い方」と不快感を示しました。

また、同じく10日、岸田総理はフジテレビ番組で「議論した上で意思疎通を図り、政府・与党一体となって政策を実行していく。いったん方向が決まったら協力してもらわなければならない」と釘を刺しています。

岸田総理は先日の総裁選出馬表明した後、youtube配信のイベントで視聴者から「『財務省の犬』『財務省のポチ』と言われているがご存じか?」とか「財政均衡主義の財務省の言いなりではない日本の若者が将来に希望が持てる経済政策を示してほしい」など、"どストレートな"質問を受け、財務省の犬ではないと釈明していたかと記憶しています。

であれば尚のこと、「財務省の言いなり」の姿は見せられない筈ですね。




7.サイレントインベージョン


それ以上に、気になることといえば、政権発足から一週間かそこらしか経っていないのに、ブルームバーグの誤報だの現職事務次官の政治発言だの、岸田内閣を引きずり降ろそうとするかのような動きが見えることです。

まぁ、総選挙が近いこともあり、一生懸命与党を叩かないといけないという、マスコミの"習性"が単に活発化しているだけかもしれませんけれども、ちょっと不自然さを感じなくもありません。

ジャーナリストの井上久男氏は、岸田政権を「経済安保内閣」と位置づけ、そのキーマンが甘利幹事長であるとして、甘利氏に対し、中国がメディア操作などの工作を仕掛けてくるのではないかと述べています。

また、井上氏は、中国マネーを受け取った政治家が国会で追及するかもしれないし、経済安保政策は「愚策だ」と国民にアピールするかもしれないなど、外国に情報操作されていないかといった視点が必要だと警鐘を鳴らしています。

確かに甘利氏が幹事長に就任するた否や、過去の金銭授受の問題がほじくり返されるなど、船出したばかりの岸田政権に対する風当たりが強いように感じます。

岸田政権の政策に対するマスコミや野党の反応の裏には工作が入っている可能性にも注意した方がよいかもしれませんね。


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