腰砕けに終わった中国軍機の台湾威嚇

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2021-10-09 204102.jpg


1.腰砕けに終わった中国軍機の台湾威嚇


今月1日から4日に掛けて、中国軍の戦闘機や爆撃機など合わせて計149機が台湾の防空識別圏(ADIZ)を侵犯した。

特に4日は56機が台湾南西部のADIZに侵入。台湾の『自由時報』によると、中国は午前3時37分から深夜まで、少なくとも6回にわたり台湾南西部のADIZを侵犯したようです。中国は、主力多目的戦闘機J16(殲16)38機をはじめSu30戦闘機2機、Y8(運8)対潜哨戒機2機、KJ500(空警500)早期警戒機2機、H6(轟6)大型戦略爆撃機12機の計56機を投入したと報じられています。

台湾の中央通信社は国防部の発表内容を引用し、2019年3月を始点として、同年中に台湾のADIZを侵犯した中国の軍用機はおよそ10機だったのに2020年には380機、今年は10月現在で既に600機と、挑発の規模が年を追って急拡大していると伝えています。

もっとも、大規模侵入は4日までで、5日にはたった1機、6日以降は侵入していません。

これについて、評論家の石平氏は、56機侵入した翌日の5日に一気に侵入を止めるのでも、段階的に数を減らすのでもなく、1機だけ侵入したことを挙げ、不自然だと指摘。5日の1機については習近平主席の面子の為だろうと述べています。




2.アメリカの明確なメッセージを受け取った習近平


この中国による台湾防空識別圏侵入が急に尻つぼみになったことについて、石平氏は、アメリカによる強力な抗議が原因だろうと指摘しています。

中国が56機を台湾防空識別圏に侵入させた4日、アメリカ国務省のプライス報道官は電話記者会見で、「台湾への軍事、外交、経済的な圧力と威圧を止めるよう中国に強く求める」と述べました。

そして更に、サキ大統領報道官も同じく4日の記者会見で、中国軍の戦闘機などが台湾の防空識別圏に進入したことに関し「台湾への軍事、外交、経済的な威圧を止めるよう中国に強く求める」と述べ、外交ルートを通じて「明確なメッセージ」を中国に伝えたことも明らかにしました。

アメリカが中国に一体どんな"明確な"メッセージを送ったのか分かりませんけれども、実際、中国はこの翌日に1機だけしか侵入させなかったことを考えると、中国は、このアメリカの明確なメッセージを受け取ったサインだと見ることも出来るように思われます。


3.台湾軍を訓練するアメリカ軍


10月7日、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アメリカ政府関係者の話として、「アメリカ軍の特殊作戦部隊と海兵隊の小部隊が極秘に台湾に派遣され、台湾軍の訓練にあたっている……20数人の特殊作戦部隊と支援部隊が台湾陸軍の訓練にあたり、海兵隊は台湾の海軍と共同で小型艇を使った訓練を実施していて、少なくとも1年にわたって行われている」と報じました。

関係者によると、アメリカ軍は1年以上前から台湾に駐留し台湾軍に「助言」しているとのことで、下院外交委員会アジア小委員会委員長のアミ・ベラ下院議員は、これらの特定の派遣については知らなかったとしながらも、「これまでもそうだったように、特殊工作員などが軍隊を訓練し、彼らと協力していると思います」と肯定しています。

また、上院軍事委員会のメンバーであるトム・ティリス上院議員も、さらに多くの部隊を台湾に派遣してほしいと述べています。

このウォール・ストリート・ジャーナルの報道に対し、国防総省のジョン・サプル報道官は「具体的な作戦、交戦、訓練についてのコメントはありませんが、中華人民共和国がもたらす現在の脅威に対して、台湾への支援と防衛関係が一致していることを強調したいと思います」と述べ、アメリカは中国に対し、「両岸の違いを平和的に解決するという約束を守る」よう求めていると強調しました。

5月6日のエントリー「地球上で最も危険な場所」で、筆者は、台湾大手紙がアメリカの陸軍顧問団が台湾軍を訓練指導するため、台湾軍の基地への一時駐留を報じたことを取り上げましたけれども、今回の報道はそれを裏付ける形となりました。

4日にアメリカが中国に抗議し、7日にこの台湾駐留報道が公になったことを考えるとあるいは、サキ報道官が口にした「明確なメッセージ」とはこの事と関係あるのかもしれません。


4.抑止力は武から生まれる


10月9日、中国の習近平国家主席は、北京の人民大会堂で開いた辛亥革命110周年記念大会で演説しました。

その中で習近平主席は、台湾について「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならない歴史的任務であり、必ず実現できる」と訴え、「『台湾独立』による分裂は祖国統一の最大の障害であり、民族復興にとって深刻な隠れた災いだ……祖先を忘れ、祖国に背き、国家を分裂させる人物はこれまでもよい結末は迎えなかった。これからも必ず人民の唾棄と歴史的審判に遭うだろう」と語りました。

そして、台湾問題は純粋に中国の内政であり外部の干渉は容認できないとして「いかなる人も中国人民の国家を守り領土を保全する固い決意、強い意志、強大な能力を過小評価すべきではない」と力説する一方、「平和的な方式による統一実現は台湾同胞を含む中華民族全体の利益に合致する」とし、「一国二制度」を堅持すると述べました。

中国のいう一国二制度の堅持など、当てにならないことは香港をみれば明らかですけれども、わざわざこのタイミングで、台湾を統一するという演説をしたのは、勇んで大量の軍機を台湾防空識別圏に入れたもののアメリカに抗議されてすごすごと引っ込んだ事に対する、言い訳というか国内向けの宣伝の匂いがします。

更に付け加えるならば、その台湾統一について、ご丁寧にも「平和的な方式」という枕詞をつけているのも、先程、アメリカ国防総省のジョン・サプル報道官が中国に対し、「両岸の違いを平和的に解決するという約束を守る」よう求めていると明かしたことに対する回答の意味も含まれているようにも見えます。

これをみると、今回の中国の台湾防空識別圏侵入に対する、アメリカの強烈な反発を受けて、習近平主席がビビッて手を引っ込めた形に見えます。

筆者にはこれこそが「抑止力」なのではないかと思います。

つまり、相手に勝る軍事力を持つ、あるいは、迂闊に攻撃すれば強烈に反撃され自身も多大な被害を出すであろうと思われる軍事力を持って初めて、今回のアメリカのような「話し合い」による戦争の抑止が出来るということです。

まぁ、中国を上回る軍事力を日本が持つことはかなり難しいことだとは思いますけれども、ならば、尚のこと、いざとなったら「刺し違えて」でも反撃するという意思を見せておく必要があり、それだけでも一定程度以上の抑止効果があるのではないかと思います。

先日、岸田総理は所信表明で、中国について「主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していきます」と述べましたけれども、その裏には刺し違えることも厭わないという「武」の心と力があって始めて有効になることは忘れてはいけないと思いますね。


  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 27

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント