安倍政権にあって菅政権になかったもの

今日はこの話題です。
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1.まがりなりにも収束


9月7日、麻生副総理は閣議後の記者会見で、自民党総裁選に菅総理が不出馬を表明したことに関し、6日の東京都の新規感染者数が約1ヶ月半ぶりに1000人を下回ったことに触れ、「コロナはまがりなりにも収束して国際社会の中の評価は極めて高い。そういった意味では『全うした』という思いがあったことは確かだ。私はそこの部分が一番大きかったんじゃないのかなと思っている」と述べたうえで「それなりに尊重すべき判断だった」と語りました。

更に、菅政権の功績については、「脱ハンコ」の推進を「革命的な話に近いくらい、でかかった」と評価し、肝煎り政策のグリーン化やデジタル化の推進についても「経済に非常に大きな影響を与えた」と指摘。東京オリンピック・パラリンピック開催については「マスコミが著しく阻害した中で、きちんとまとめられ、経済や消費に効果があった」と評価しました。

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2.非常に優れた首相だった


マスコミはあまり報じていませんけれども、菅政権はわずか1年の間で様々な改革を成し遂げています。

携帯料金の値下げ、種苗法改正、デジタル庁創設、電波利用帯域再編、需要土地利用規制法、日米豪印(クワッド)推進、武漢ウイルスワクチン確保に世界トップクラスの接種スピードを実現。旧宮家の男系男子の皇室復帰への道筋をつけたなどなどです。

菅総理について、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏は、菅首相については「個人的には評価しておりまして、ワクチンを優先的に確保できたのは、素晴らしい政治的な成果だと思いますし。後期高齢者の医療費を1割から2割に上げたりとか、携帯電話の料金を下げたりとか、公約はほとんど実行できている。歴代首相の中では非常に優れた首相だったと思っております」と功績を称えています。

また、嘉悦大学教授の高橋洋一氏も、菅政権は過去の政権が出来なかった積み残し案件を次々を処理し、一気に在庫整理をしたと高く評価しています。




3.安倍政権にあって菅政権になかったもの


そこまで実績を出していた菅政権が1年という短期政権で終わったのか。

これについて、文芸評論家の小川榮太郎氏が、安倍政権にあって、菅政権になかったものとして次の2点を挙げています。

・安倍氏が退陣表明で次期政権の課題とした、新型コロナウイルスの感染症法上の分類「2類相当扱い」を緩和する基準転換に明確に手を付けられなかったこと

・マスコミの扇動に動揺を来して、経済活動活性化の目玉政策だった「GoToキャンペーン」を昨年12月に取り下げ、緊急事態宣言の濫発に道を開いてしまったこと

つまり、武漢ウイルス対策を誤ったことだというのですね。

小川氏は、倒閣の激しい嵐にさらされた安全保障法制制定時の安倍政権の対応を取り上げ、「安倍氏は有識者の懇談会、内閣法制局対策、法案作成に充分な時間をかけ、ロジックを組み立てた。集団的自衛権の範囲を限定して出口戦略を設けた。首相自らが説明、説得の先頭に立った。国会答弁での論争も、首相自ら引き受けた」と指摘しています。

そして、菅総理はPCR陽性者をゼロに近づけるというような不可能な出口を設定するというミスを犯し、自らの言葉で説明、説得する知性と言語能力を持たなかった。腹中に戦略設定がないままマスコミ輿論に迎合した。そうして自滅したというのですね。

確かに、振り返ってみると、昨年11月に1日の新規感染者が1000人を突破すると、支持率も下降曲線を描き、「GoToキャンペーン」も槍玉に上がりました。

欧米諸国と比べると感染者も死者も低水準だったのですけれども、説明を尽くして納得を得るという対応は少なかったように思います。

今年7月にはデルタ変異株が猛威を振るい、支持率上昇の切っ掛けと目論んでいた東京五輪・パラリンピックは空振りに終わりました。

要するに、菅政権の支持率は武漢ウイルスの感染者数に連動し、感染増加に反比例して低下していった訳です。

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4.明暗を分けた未来を見通す力


このように小川榮太郎氏は、菅政権が短命に終わったのは武漢ウイルス対応に失敗したからだと述べているのですけれども、筆者には詰まるところ、安倍政権と比べて「先見力」が足りなかったように見えます。

先見力とは、その名の通り"未来を見通す力"のことです。なにか物事を進めようとして、その先、どのようになっていくのかを見極める力のことです。

菅内閣は改革において目覚ましい実績を上げましたけれども、改革とは要するに、"過去を原因とする今の不都合"を改善するものであって、未来を見通すことはあまり必要とされません。既に過去にある原因を解決するのが主であり、未来予測をしなくても出来るものです。

これに対し、先見力は、今現在何もわからない物事に対して、将来どうなっているのかを予測し、よき結果を呼び込み、悪しき結果を未然に防ぐために必須のものとなります。

去年からの武漢ウイルス禍などは正にこれにあたることは言うまでもありません。

小川榮太郎氏が指摘するように、安倍政権は昨年8月に武漢ウイルスの感染拡大防止に向けた新たな対策パッケージを策定するように指示。現在の「2類相当」からの見直しを示唆していました。

これは、2類のままでは、医療逼迫が起こるという今の事態を「先見」していたということです。

日米印豪のクワッドにしても、安倍総理は2012年の段階で「セキュリティダイヤモンド構想」としてその基礎となるものを打ち出していました。

安倍総理にはそうした先見力があった。

そこが大きな違いだったのではないかと思います。


5.指導者には先見力が必要


筑波大学システム情報系准教授でNPO法人「言論責任保証協会」代表を務める掛谷英紀氏はその著書『「先見力」の授業 AI時代を勝ち抜く頭の使い方』で、「先見力」の鍛え方を述べています。

それによると、「先見力」を鍛えるためには、まず、予測できることと、出来ないことを見分ける能力が大事になるとし、そのために、多くの事例を知り、研究することで、自分が類似した場面に遭遇した際に、そこに適用できるメソッドやルールに気付くことができると述べているのですね。

小川榮太郎氏は、菅政権の武漢ウイルス対応について、腹中に戦略設定が無いままマスコミ輿論に迎合したことが敗因だと述べていますけれども、これなども、予測できることと、出来ないことを見分けていなかったのではないかとも思います。

確かに数か月後、1年後の武漢ウイルス新規感染者は予測できないものだったかもしれません。けれども2類相当指定のまま感染者が増えれば、医療崩壊になることは予測できるものであったと思います。

しかもこれは、安倍前総理が退陣表明で次期政権の課題として、申し送りまでしていた項目です。それが積み残されたままになったのが、結果として致命的になってしまったのは、返す返すも残念です。

勿論、菅政権に「先見力」が全くなかった訳ではありません。

例えば、ワクチンなどはそうでしょう。

ワクチンについては、開発当初から各国での奪い合いになると言われ、足りなくなるという事態は十分予測できたでしょうし、実際に菅政権は確保に動いて、見事に成功しています。これは現時点で菅政権の功績として高く評価されています。

けれども、それだけでは足りなかった。

激動する社会情勢をみるにつけ、国の指導者に「先見力」があるかないかは非常に重要な要素だと思います。

ちょっと脇道に逸れるかもしれませんけれども、「先見力」という意味では、東日本大震災および福島第二原発事故に対する菅直人政権と、今回の武漢ウイルス禍に対する菅義偉政権の対応は将来、対比して語られるようになるかもしれないと思わなくもありません。

現在、自民党総裁選が行われていますけれども、候補者の中には「国民の意見を聞きます」という人もいます。無論、それは大事なことです。けれども、国民全員が須らく優れた「先見力」を持っていればよいのですけれども、普通に考えてそんなことはないでしょう。一方、その「先見力」を惹起するところのマスコミがその役目を果たしてくれるかというと、武漢ウイルスの感染者が過去最多だなんだと不安しか煽らない現状を見る限り、それも望み薄です。

となると、やはり、先見力を持ちつつ、更にそれを直接国民に説明できる指導者を選ぶことが何よりも大事なのではないかと思います。

自民党総裁選では、そうした観点からもウォッチしていきたいと思います。



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