台湾はアフガニスタンではない

今日はこの話題です。
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1.遠隔操縦無人機防衛システム


この程、台湾国防部は無人機による脅威への対応を強化するため、陸海空3軍合わせて43億5144万台湾元(約173億1900万円)の継続費を2022年度予算に計上したことが明らかになりました。

8月31日に立法院に提出された予算書によると、継続費は「遠隔操縦無人機防衛システム」の導入や撃退のための妨害銃の購入に充てるようです。

国防部のシンクタンク、国防安全研究院中共政軍・作戦概念研究所は、中国メーカーが小型無人機で世界市場を席巻しているとして、国軍が地上での武力衝突に遭遇した際には、無人機の脅威は避けられないと指摘。西側諸国のアンチドローン技術の構築と発展は注意するに値するとの見方を示していました。

予算書によると、陸海空3軍がそれぞれ基地や港、空港などにシステムを導入し、無人機の侵入を防ぐとのこと。更に、離島や高山に位置する施設、ミサイル陣地など重要施設では、侵入した無人機に対して調査や情報収集、妨害を行い、基地や飛行の安全維持、防衛作戦能力を高めるとしています。

導入時期は、海軍が2023年までにシステム5台と妨害銃43丁導入。陸軍2026年までにシステムと妨害銃232丁導入し、空軍も同じく2026年までにシステムを導入し45ヶ所に設置するとしています。

今やドローンが普通に軍事転用されていますから、対ドローンシステムを開発・整備するのは当然の対応ですし、特に中国の進攻が懸念される台湾では急務です。


2.三万人の在台駐留米軍


その台湾ですけれども、既にアメリカ軍が駐留しているなどという噂が流れたことがあります。

8月16日、アメリカ共和党のジョン・コーニン上院議員は、アフガニスタンを含めた世界に駐留しているのアメリカ軍の兵数に言及する際、台湾にも触れ、台湾に3万人駐留しているとツイッターに投稿したそうです。その後、誤りだったとしてこのツイートを削除したのですけれども、これに中国が食いつきました。

人民日報系の環球時報はツイッターで、コーニン議員の誤りをアメリカの政治家の無責任さを示す証拠だとし、「アメリカ軍が台湾に3万人駐留しているというツイートは驚愕すべき誤り、あるいは『老いぼれ』議員の虚言といえるかもしれないが、重要な台湾問題に対するアメリカの政治家の無責任ぶりを十分に示している」と批判。環球時報の編集長も、台湾当局はコーニン議員のツイートについて説明すべきであり、もしツイートの内容が真実であれば、中国は「米兵を排除するために即時開戦すべきだ」とツイートしました。

更に、17日、ワシントンの中国大使館の広報担当者は17日、ツイッターに「米政府は過去39年で総額700億ドル相当の武器を台湾に売却している。これは『台湾への武器売却を徐々に減らす』というアメリカの言葉と矛盾する」と投稿しています。

本当に"老いぼれの戯言"だと思っているのであれば、スルーすればそれで終わる話です。それをここまで食いつくとは、よほど都合が悪いのでしょう。しかも、台湾はコーニン議員のツイートについて説明すべきだなんて、環球時報の編集長が叫ぶあたり、その真偽を確かめたくて仕方がないことが見え見えです。

仮に、台湾にアメリカ軍が3万人も駐留しているのなら、中国が斬首作戦で一気に台湾を奪取することも難しくなります。

中国大使館のコメントからも、台湾が国防力を強化するのを嫌がっていることは明らかです。


3.台湾のハリネズミ戦略


けれども、対ドローンシステムにせよ、アメリカ軍の台湾駐留にせよ、そのメインは台湾島への進攻に対応するものです。国防という意味では当然それだけでは足りません。対ミサイル防衛もその一つです。

8月18日、台湾メディアは、台湾の防空ミサイル密集度が、イスラエルに次いで世界2位であると報じました。

それによると、台湾軍が保有している空対空ミサイルおよび各種の短距離防空ミサイルを全て合わせると7700基を上回り、現在 稼働中である地対空ミサイル基地も22か所に達するとのことで、台湾は今後 自国で量産中の台湾版サードである「天弓3ミサイル」を運用する12の中隊編成を推進する一方、東部地域の防御のために天弓3ミサイルを投入し、西部地域の都心にも パトリオットミサイルを引き続き配置する計画だとしています。

イギリスのシンクタンク、国際戦略問題研究所(IISS)の関係者は「昨年台湾は、パトリオット3(PAC-3)システムを72基ほど運用しているものとみている」と明かしているそうで、台湾の日刊紙"蘋果日報"は「台湾国防部は 2027年までに200億台湾ドル(約787億6173万円)を投入し、パトリオット3ミサイル300基をさらに購入する予定だ」と報道しています。

3月28日のエントリー「台湾の長距離ミサイル量産」で、北京をも射程に収める高高度高速巡航ミサイル「雲峰」について取り上げたことがありますけれども、台湾は対ミサイル防衛として「ミサイルによるハリネズミ戦略」を取っています。

まぁ、北京を攻撃せずとも三峡ダムにミサイルを撃ち込んで決壊させてやればよいという意見もどこかで見たような気がしますけれども、敵国に打撃を与える手段を持つことは、抑止力の基本です。




4.台湾はアフガンとは違う


台湾では、タリバンによるアフガニスタン崩壊が話題になっています。

8月17日、野党国民党の趙少康氏が「台湾もアフガンの失敗を教訓にするべきだ……台湾はアフガンで米国が見せた態度を教訓にし、中国との戦争と平和の間で、考えをはっきりさせるべきだ。アメリカに頼れば何もないと、考えてはならない。また、戦争することになったら、今のようにアメリカに依存する考えを捨て、準備を徹底するべきだ」と主張。更に蔡英文総統に対して「戦争することになれば、徴兵制復活のほかにも全国民徴兵制を実施するイスラエルのような厳格な訓練、および最新武器などを準備しなければならない……もしアフガンのように緊急事態になれば、蔡総統の選択は決死抗戦か、それとも海外脱出のどちらか」とフェイスブックに投稿したと、自由時報など台湾メディアが報じています。

これについて、台湾行政院長の蘇貞昌氏は、「アフガンが陥落したのは内政が先に乱れたためだ……内政が安定していれば、台湾を侵略しようとするいかなる武力にも対抗できる」と反論。台湾が武漢ウイルス感染症の状況でも一致団結し、マイナス成長の他国と違ってプラス成長に転換したことに触れ、「台湾の底力」を力説しました。

更に国防大学の名誉教授だった廖宏祥氏は「台湾はアフガニスタンではない……腐敗したアフガン政府と違い、台湾の国防戦略は正規軍が防御する形だ。アフガンの内戦とベトナムの遊撃戦とは明確に違う」と指摘した上で、北大西洋条約機構(NATO)、韓国、日本、リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3カ国、ポーランドなどの国家安全保障戦略は、すべてアメリカと共同での戦略だとし、「台湾は当然アメリカ側に立つべきだ……韓国がアメリカの兵器を購入しながらも、韓国型戦闘機の開発に乗り出した……台湾の安保戦略は、より積極的かつ明確でなければならない」と述べました。

一方、民進党の蘇治芬議員は「アメリカは信じられない」としながらも、「台湾が第2のアフガンになると主張するのは、比喩としては適切でない」と指摘しています。

このように、アメリカに対する依存を警戒する声と、「台湾はアフガンとは違う」という意見とで対立しているのですけれども、どちらも台湾を守るという政策では一致していて、独自防衛するか各国共同防衛するかという方法論の違いだけに見えます。

この点、先日アフガンに邦人救出のため自衛隊の輸送機を派遣したことに、なぜ派遣したのか、必要だったのかなどとギャーギャー喚いていたどこかの野党とは大違いです。

中国の進攻に備え、着々と備える台湾ですけれども、そこに日米ががっつりサポートする姿勢を取ることも、抑止力の強化になります。もはや日本も含めて対中防衛は必須の国策になっていると思いますね。


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