革命、野党、国民政党

今日はこの話題です。
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1.謝罪する八代英輝


9月17日、弁護士の八代英輝氏がTBS系「ひるおび!」で、野党の共闘について話題が及んだ時、9月10日に番組内で「志位委員長がつい最近、『敵の出方』という言い方をやめようとは言ってましたが、共産党は『暴力的な革命』というのを、党の要綱として廃止してませんから。よくそういうところと組もうという話になるな、と個人的には思います」という自身の発言について「現在の共産党の綱領にはそのような記載はないと、多くのご批判を頂きました……ご指摘の通り、現在の党綱領にはそのような記載は存しません……選挙を間近に控えたデリケートな時期に私の発言で多くの関係者に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申しあげます」と謝罪しました。

八代氏は10日の発言について、13日の放送でも「先週の私の発言ですが、私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした。一方、日本共産党はたびたび否定されていることも申し上げるべきでした。申し訳ありませんでした……テレビで発言する者として、今後はより正確にバランスに配慮し、言葉に責任を持っていきたいと思います」と1度謝罪していました。

けれども、わずか4日で再び謝罪するという異例の事態となりました。

こうなったのも共産党が執拗にクレームを入れたからです。

八代氏の10日の発言に対し、共産党の田村智子政策委員長は同じく10日の記者会見で、「許されないフェイクだ」と批判。志位和夫委員長も「どんな場合でも平和的・合法的に社会変革の事業を進めるということが、日本共産党の一貫した立場です……『番組としての謝罪と訂正』をきちんと行うことを求めます」と反論しました。

しんぶん赤旗によると、TBSの広報部は11日に八代発言について、「共産党の綱領には記載がなく、発言は誤りでした……おわびします」と謝罪。そして「共産党に対しては真摯に対応する……月曜日の放送で対応する」と答えたそうですから、速攻でクレームを入れたものと思われます。

これを受けて八代氏は、TBS広報部の答えたとおり、13日に謝罪したのですけれども、共産党は許しませんでした。

13日、志位委員長は「コメンテーターの発言は『暴力的な革命を党の要綱として廃止していない』という虚偽発言への撤回・謝罪になっていない」との見解を示し、小池書記局長も「その後、問題の発言を行った八代氏が、自らの発言が事実無根であったことを一切認めず、筋の通らない弁解をした。これではまったく『謝罪』になっていない……番組が市民と野党の共闘を報じる中で発言したもので、共産党のみならず、市民と野党の共闘に参加している人々全体に対する共闘破壊の不当な攻撃だ」と攻撃しました。

これを受けて八代氏は16日に再び謝罪。「謝罪・訂正したものと受け止めます」と見解を示した。

この発言に志位委員長は「謝罪・訂正したものと受け止めます」と見解を示し、田村政策委員長も国会内での記者会見で、「撤回、謝罪と受け止める」と表明しました。ようやく鉾を収めた訳です。


2.日本共産党は破防法の調査対象である


八代氏は、共産党の綱領に「暴力革命」は記載されていなかったと謝罪した訳ですけれども、「閣議決定された政府見解に基づいたもの」という点については撤回しませんでした。

この閣議決定というのは、おそらく2016年3月に閣議決定された「日本共産党は破壊活動防止法の調査対象である」との答弁書のことを指すと思われます。

答弁書では「現在も警察庁は、日本共産党は暴力革命の方針を捨て切っていないと認識されているか、見解を求める」との質問に対し、「警察庁としては、現在においても、御指摘の日本共産党の『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」と答えています。

そして、9月14日、加藤官房長官は記者会見で「政府としては日本共産党のいわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している」と述べ、政府見解は変わっていないとの認識を示しました。

共産党が破防法の対象となっているのには、当然ながら理由があります。

公安調査庁は「共産党が破防法に基づく調査対象団体であるとする当庁見解」として、次のように述べています。
共産党は,第5回全国協議会(昭和26年〈1951年〉)で採択した「51年綱領」と「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない」とする「軍事方針」に基づいて武装闘争の戦術を採用し,各地で殺人事件や騒擾(騒乱)事件などを引き起こしました(注1)。
 その後,共産党は,武装闘争を唯一とする戦術を自己批判しましたが,革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする「いわゆる敵の出方論」を採用し,暴力革命の可能性を否定することなく(注2),現在に至っています。
 こうしたことに鑑み,当庁は,共産党を破壊活動防止法に基づく調査対象団体としています。

(注1) 共産党は,「(武装闘争は)党が分裂した時期の一方の側の行動であって,党の正規の方針として『暴力革命の方針』をとったことは一度もない」(3月24日付け「しんぶん赤旗」)などとしていますが,共産党自身が5全協を「ともかくも一本化された党の会議であった」と認めています(第7回党大会中央委員会報告,昭和33年)。
  また,不破哲三前議長と上田耕一郎元副委員長の共著「マルクス主義と現代イデオロギー」 では,当時の武装闘争について,次のように述べています。 「たんに常識はずれの『一場の悪夢』としてすまされることのできない,一国の共産党が全組織をあげ,約2年間にわたって国民にさし示した責任のある歴史的行動であった」

(注2) 共産党は,「『議会の多数を得て社会変革を進める』-これが日本共産党の一貫した方針であり,『暴力革命』など縁もゆかりもない」(3月24日付け「しんぶん赤旗」)などと主張していますが,同党が,日本社会党の「議会を通じての平和革命」路線を否定してきたことは,不破前議長の以下の論文でも明らかです。
 ○ 「『暴力革命唯一論』者の議論は,民主主義を擁護する人民の力を無視した受動的な敗北主義の議論である。しかし,反対に『平和革命』の道を唯一のものとして絶対化する『平和革命必然論』もまた,米日支配層の反動的な攻撃にたいする労働者階級と人民の警戒心を失わせる日和見主義的『楽観主義』の議論であり,解放闘争の方法を誤まらせるものなのである」(不破哲三著「日本社会党の綱領的路線の問題点」)
共産党は「51年綱領」と呼ばれる方針に基づき警察襲撃事件などを起こしたあと、昭和33年に「51年綱領」を廃止し、昭和36年に民主主義革命から社会主義革命に至る「二段階革命」を規定した綱領を採択しました。

このころ、革命が「平和的となるか非平和的となるかは結局敵の出方による」との「敵の出方論」が登場し、政府は「暴力革命の方針」として監視対象とした訳です。

共産党は平成16年に党の綱領から二段階革命論の表現を削除したのですけれども、公安調査庁が毎年公開している「内外情勢の回顧と展望」では、オウム真理教などと並んで共産党の動向を報告。平成28年版でも「資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる」との綱領の記述を基に、共産党を「最終的に『社会主義・共産主義の社会』を実現する」ことを目指した「革命政党」と断じています。

今回の八代氏の発言を切っ掛けとしてネットで話題となり、ツイッター上で日本維新の会の音喜多駿参議院議員と共産党の宮本徹衆議院議員が「場外乱闘」を行うなど、注目を集めました。

共産党が抗議するのは勝手ですけれども、却って「共産党の正体」を自ら世に知らしめることになった感もなくはありません。


3.埋没する野党


悪目立ちした共産党に対し、"抵抗野党"は、沸騰する自民党総裁選の裏で埋没していっています。

9月17日、立憲民主党の枝野代表は「国会議員の仕事は国会にある。午後5時以降にやっていただきたい。なぜ臨時国会を開かないのか、強い違和感、不信を覚えざるを得ない」と記者団に語り、国民民主党の玉木雄一郎代表も朝日新聞の取材に、「これまでのコロナ対策の問題点を検証せず、何もなかったかのように総裁選で新しいことを言っても意味がない」と訴えました。

気にいらないと直ぐに審議拒否して勝手に"長期休暇"を取りまくっていた、抵抗野党が今更、「国会議員の仕事は国会にある」とは片腹痛い。言っていることは「正論」であっても、これまでの自身の態度がそれを打ち消してしまっている。

実際、世論調査でも野党の支持率はさっぱり上がっていません。

先進国のポピュリズムなどについて研究している、同志社大学の吉田徹教授は、憲法や安全保障問題を重視する確固たる左派層を「岩盤リベラル」と呼び、野郎第一党である立憲民主の支持率が上がらない理由について次のように述べています。
立憲は『岩盤リベラル』にあまりに忠実すぎて、そこからウィングを中道の『無党派』に広げられないのが弱点だ。夫婦別姓やLGBTQなどリベラルな論点は訴求力は高いが、幅広い有権者に浸透しにくい。

一方で、立憲は(中道向けの)マクロ経済政策を打ち出してこなかった。リベラルと中道に橋を架けることこそ政治の役割なのに、岩盤リベラルに寄りかかった政党、という以上の存在感を示せていない。

岩盤リベラルは憲法など1960年~70年代の対立軸をそのまま大事にしているが、若年層は同じ目線で政治を見ていない。雇用や賃金、教育、生きづらさなど、もっと目先の問題に関心がある

『明日は今日より良くなる』時代だった中高年と異なり、若年層は『明日は今日より悪くなる』前提のなかで生きている。若者にアピールする政策は、自ずと違ってくるはずだ。
要するに、立憲は「岩盤リベラル」に寄り掛かり過ぎて、打ち出す政策の幅が狭く、一般への訴求力に欠けるというのですね。至極御尤もな指摘だと思います。


4.派閥という党内野党


政策の幅、訴求力でいえば、野党より自民党の方がはるかにあります。

実際、立憲民主党の泉健太政調会長は10日のインターネット番組で、自民党総裁選に出馬を表明した岸田文雄前政調会長の政策について「立民とほぼ同じ。連立を組めるのではないかと思う」と語っています。

立民と政策がほぼ同じということは、自民党内に野党と同じ政策を出す人が存在し、更に、総裁候補として出馬することも許容しているということです。

これは、つまり自民党は派閥という形で、事実上の党内野党が存在し、それらの連立政権でもあると見ることが出来るということです。まぁ、あまりにも極端な考えだったり、仲間を後ろから撃つような議員は党内で嫌われることになるのでしょうけれども、それら党内野党を包含する形で、議論を進め、最後には結論を出す。そういった構造で政権を担っていたという訳です。

これなら別に野党など要らないのではないかという気もしないでもありません。

けれども、安泰が長く続けば腐敗していくのも世の常。その意味では、破防法の調査対象になる革命政党ではなく、「岩盤リベラル」だけに寄り掛かった政党でもない、一般に訴求力のある、まともな野党がもっとあってよいように思います。


5.若手に頭を下げた安倍前総理


今回、自民党総裁選が盛り上がっていますけれども、野田氏以外の岸田、高市、河野の三氏の政策が保守からリベラルまで幅広く、訴求力があることもその原因の一つだと思います。

実際、元民主党で、現在は自民党に所属する細野豪志衆院議員は、「総裁選候補4人の顔ぶれと政策を見ると、国民の世論の8割は自民党の中に含まれているのではないかと思う」とツイートしていますけれども、世論の8割をカバーするのであれば、確かに訴求力があって当然です。

けれども、こういう状況を仕掛けた人が自民党内に要ることも忘れてはならないと思います。安倍前総理のことです。

9月10日のエントリー「高市氏の自民党総裁選正式出馬表明について」で、筆者は、安倍前総理が高市氏を支持することで、総裁選で議論させ、保守層を取り戻そうとしているという狙いは見事に当たっていると述べたことがありますけれども、安倍前総理の高市氏支持はかなり本気だという話が出ています。

ある若手議員は、「頭ごなしに『高市に入れろ』と言われるかと思ったらまったく違った。『きみの考えはもっともだ。河野なら次の選挙は大きく負けない戦いが出来るかもしれない。しかし、負けるかもしれない。そんなことは誰にも分からない。ただ、考えてもらいたい。自民党は保守政党として憲法改正を党是としてきた。そこを支持してきてくれた人たちに報いるのが自民党の政治家の務めだと思う。高市は保守政治を背負ってくれているんだ。そこを分かってもらいたい』。そういって深々と頭を下げたんです。こうなると、高市でやるしかなくなった」と述べています。

高市氏の出馬によって、岸田氏や河野氏の発言が保守側に少し寄ってきたというのは既に多くで指摘されているところですけれども、逆に高市氏が出ていなければ、あるいは泡沫候補で止まっていたのであれば、当初から有力候補とされていた岸田氏や河野氏の政策や発言はもっとリベラルに寄っていたと思われます。

なにせ、保守に少し寄った筈の岸田氏の政策をして、立憲民主からほぼ同じだから連立できるとまで言われているくらいですから、もともとはもっとリベラル寄りだったと推測されます。

その意味では、総裁候補の発言や政策の少し保守に寄らせることで、保守からリベラルまで幅広く訴える総裁選を演出した安倍前総理の狙いと手腕は見事だと言ってよいのではないかと思います。

一方、総裁選討論会では、岸田氏と河野氏に質問が集中したことで、ネットで「公平な発言機会を」、「高市外し」、「4人に同じ質問を同じ回答時間でされたほうが良い」と炎上したりしていますし、総裁選立会演説会を中継で、高市氏のときだけ聞きづらくなったなど、公正中立に首を捻るような報道姿勢も指摘されています。

果たしてこれが意図的なのかそうでないのか分かりませんけれども、選挙報道におけるマスコミの姿勢も問われてしかるべきだと思います。

今後、まともな野党が出現するかどうか分かりませんけれども、少なくとも、一部の勢力に寄り掛かることなく、一般国民の関心に広く訴える訴求力を持たない限り、自民党の牙城を崩すことは中々難しいのではないかと思いますね。



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