河野氏の総裁選出馬表明と戦略の階層

今日はこの話題です。
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1.目標が小さすぎる河野太郎


9月10日、河野規制改革担当相が会見し、総裁選への出馬を正式表明しました。総裁選出馬を決めたのは岸田前政調会長、高市前総務相に続く3人目となりました。告示までまだ5日ほどありますけれども、これでほぼ面子が出揃った感があります。

河野氏は出馬会見の冒頭発言はこちらにありますけれども、ネットでの評価は非常に悪く、ユーチューブでの低評価は高評価の4~8倍にも達しています。

筆者は河野氏からどのような国家観が披瀝されるのか注目していたのですけれども、冒頭発言で、日本を日本たらしめているものは、「日本語と皇室」であり、目指すものとして「皆さんの思いを受け止め、皆さんに共感していただける、そんな政治を通じて人が人に寄り添うぬくもりのある社会を作っていきたい」という発言がありました。

けれども、「日本語と皇室」を掲げておきながら、目指すのものが「ぬくもりのある社会」では、ギャップがあり過ぎて両者がすんなりとは結び付きません。

そもそも、「ぬくもりのある社会」は、国家が目指す目標としては小さすぎると思います。

なぜなら、河野氏のいった「皆さんの思いを受け止め、皆さんに共感していただける、そんな政治を通じて人が人に寄り添うぬくもりのある社会を作っていきたい」の"社会"という言葉を"村"とか"町"とかに置き換えてみても、そのまま通じてしまうからです。



2.世界観と政策がない岸田と河野


自民党総裁選は党内のリーダーを決める選挙ではありますけれども、今の日本では事実上、総理を決める選挙でもあります。したがって、たとえ党内選挙といえども、天下国家を語り、日本が目指すべきもの、国家でなければできない事をきちんと訴えなければいけないと筆者は考えています。

その視点から他の総裁候補の冒頭発言を見てみると、岸田氏は「国民のため、国家のため、私の全てをかけて、この戦いに臨んでいきたい」というだけで、誰に対して、何を戦うのか全く分かりません。



筆者が過去のエントリーで何度も紹介している「戦略の階層」でいうところの世界観、政策が抜けています。

いやいや、河野氏が掲げた「日本語と皇室」は世界観だろう、という意見もあるかと思います。けれども、「戦略の階層」は階層の名の通り、上位の階層が下位の階層を規定する構造になっています。つまり、ある階層の戦略はより上位の階層の戦略に従う関係になっています。河野氏のは、それに準じていない。

戦略の階層では最上位に位置する「世界観」階層の下に「政策」階層があるのですけれども、「世界観」で「日本とは何者か、どんな役割があるのか」を定めると、その下の「政策」階層では、上位の「世界観」に従って、「だからこうしよう」という方針が決まる構造になっています。

ところが、河野氏の「日本語と皇室」を世界観においた場合、「だからこうしよう」という「政策」階層にあたる"政策"が見当たらないのですね。

河野氏は冒頭発言で、「ワクチン」と「ハンコ」、「子育て支援」と「カーボンニュートラル」、「デジタル化」と「改革」などと"政策"を挙げていますけれども、どれ一つ、「日本語と皇室」という世界観から導かれる「だからこうしよう」という「政策」に結び付かないのですね。

これが例えば、「世界一の国」という「世界観」を出し、「世界一安全で世界一暮らし易い国」という「政策」を掲げるのであれば、そこから下の階層の戦略として「子育て支援」や「カーボンニュートラル」、はたまた「デジタル化」などが出されても、戦略として繋がってくるだろうと思います。

つまり、戦略の階層の視点でみれば、河野氏の「日本語と皇室」はただの看板に過ぎず、その実態は何のことはない「羊頭狗肉」だということです。

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3.保守アピールのパフォーマンス


筆者が河野氏の出馬会見に「羊頭狗肉」を感じたのはそれだけではありません。それは左胸のブルーリボンにも感じました。

ブルーリボン運動は、福井県や鳥取県のサイトによると、NPOの発案で始まったとされ、拉致問題に関心のある人がそのバッジを着用することで知られています。国防に関わることだけに、着用を好む保守系の政治家も見られます。

今回、河野氏は出馬会見でこのブルーリボンバッジを付けていました。

河野氏は、2017年12月の日韓外相会談でこのバッジを着用する姿が報じられたことがありますけれども、2021年9月3日に菅総理が不出馬を表明したときの囲み取材に応じたときは、着用していませんでした。

これはネットでも注目され、ヤフーのリアルタイム検索では、トレンド1位となり、ネット上では、河野氏がブルーリボンバッジを着ける姿はあまり見たことがないとの声も飛び交いました。

ネットでは、「被害者救出にもこれからは真剣に向き合う決意」とか「してくださった... ありがとうございます」と期待や感謝を示す声がある一方、「僕は『保守だよ』アピールでしょう」「パフォーマンスに用いるものじゃない」という意見もありました。

これについて、筆者はどちらかといえば、後者の方で、保守アピールのパフォーマンスの匂いを強く感じました。

というのも河野氏の冒頭発言では「外交・国防」に関するものが一切なかったからです。ブルーリボンをつけることで被害者救出に真剣に向き合う決意を示したのであれば、対北朝鮮政策について触れてしかるべきだったと思います。けれどもそれが何もなかった。

しかも、冒頭発言で「私は初当選以来、一貫して自由民主党へ所属して政治活動を行って参りました。自由民主党は保守政党であります」とわざわざ発言しています。一体、誰に対して発言したのか。

もし、河野氏が総裁となり総理となれば、日本という国の指導者となります。そこには自民党支持者もいれば、野党支持者もいます。それら全ての人命と財産を守る責任を負うのが総理です。

河野氏は、自分は自民党の政治家であり、自民党は保守政党だと発言した。確かに自民党の総裁選である以上、自民党員にだけに向けて発言しても、筋は外してはいないかもしれません。また、総裁選に勝つためには党内の保守票を取り込む必要に駆られてそんな言葉を口にしたのかもしれません。

けれども、所詮それだけです。

河野氏の発言からは、総裁の先にある、総理となって日本という国のリーダーになるということへの配慮が見えません。あるいはそんな余裕すらないのかもしれませんけれども、これでは、単に総裁になること、総理になることだけが目的であり、その先は考えてないと受け取られ兼ねません。

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4.国家の使命は国民の生命財産を守り抜くこと


河野氏も岸田氏も「戦略の階層」でいうところの世界観、政策がないと述べましたけれども、唯一、「世界観」、「政策」があったのが高市氏です。

高市氏は冒頭発言で「国の使命は、国民の生命財産を守り抜くこと。領土領海領空資源を守り抜くこと。国家主権と名誉を守り抜くこと」とその世界観を定義しました。そして、「そのために現下の状況を乗り切る」と続けました。「だからこうしよう」という「政策」階層の戦略を「現下の状況を乗り切ること」と規定した訳です。

そうしてから初めて、その下の階層である細々とした政策の説明をしていました。

国家の使命という「世界観」から、目下の現状を乗り切るという「政策」、そして具体的な施策と、見事な説明だったと思います。

実際、高市氏の出馬会見のネットでの評価は高く、低評価が2000足らずに対して、高評価は3.6万と20倍近くになっています。河野氏のそれとはまったく逆です。

もうこれだけでも、誰が総理に相応しいのか明らかなようにも思えますけれども、だからといって、発言したとおりに国が動かせるかはまた別の話です。党内のみならず、国会の協力を得、役人にきちんと仕事させられなければ、その素晴らしい政策も「お題目」で終わってしまいます。

それにそもそも、総裁選で勝てなければ、その「お題目」すら唱えることが出来ません。

来る総裁選で自民党員、自民党議員がどういう判断を下すのか。注視していきたいと思います。





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