中国司法によるカナダ人への死刑判決

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1.中国司法によるカナダ人への死刑判決


8月10日、中国・遼寧省の高級人民法院は、麻薬密輸の罪で死刑判決を受けて上訴したカナダ人のロバート・シェレンベルグ氏の公判を開き、シェレンベルグ氏の上訴を棄却しました。

ロバート・シェレンベルグ氏は、2014年に遼寧省大連市の港から約222キロの覚醒剤をオーストラリアへ密輸しようとした罪などに問われ、「無関係だ」と無罪を主張していました。

2018年11月の一審判決では「従属的に関わった」との認定で懲役15年とされたのですけれども、シェレンベルグ氏の上訴で開かれた翌月の上級審では「新証拠が見つかった」として中級人民法院に審理を差し戻したわずか16日後、一転して「主犯」とされ、死刑判決を受けました。

これを受け、カナダのドミニク・バートン駐中国大使は判決を非難。中国の通信機器大手・ファーウェイ幹部、孟晩舟氏の身柄引き渡しに関する争いがカナダで続いている間に今回の判決が出されたのは「偶然ではない」と述べ、中国が「人質外交」を展開していると非難しています。

翌11日、同じくカナダ人のマイケル・スパヴァー氏が中国北部・丹東市の裁判所で懲役11年の実刑判決が下されました。

裁判所は声明で、「スパイ罪と国家機密を違法に外国に提供した罪により、懲役11年の刑と、5万元相当の所有物の没収、強制送還を言い渡した」と述べました。

スパヴァー氏は2年前に中国で、カナダ人の元外交官マイケル・コヴリグ被告と共に拘束されました。これはカナダでファーウェイの孟氏が拘束されて、ほどなくしてのことでした。

これらについて、BBCのロビン・ブラント上海特派員は、カナダ人被告3人のことを、中国は犯罪者だと主張していると説明。一方、カナダは孟氏の拘束と密接に関係した報復としての拘束だと考えているとし、孟氏をアメリカでの裁判に向けてアメリカに引き渡そうとしていることに対する脅しだと、カナダは受け止めていると解説しています。


2.水面下の交渉


スパヴァー氏に対する判決について、カナダのジャスティン・トルドー首相は、「絶対に受け入れられない。透明性を欠く、国際法で求められる最低限の基準さえ満たさない不当なものだ」と非難。マイケル・コブリグ氏についても即刻の釈放を求めました。

また、ドミニク・バートン駐中国カナダ大使は「公正さと透明性を欠いた裁判の判決を、最も強い言葉で非難する」と述べています。

バートン大使によると。拘置所でスパヴァー氏と面会した際、「支援者に対する感謝」、「自身の精神状態は落ち着いていること」、「自宅に帰りたい」、の3つのメッセージを託されたと明かしています。

更に、高級人民法院で死刑判決を受けたシェレンベルグ氏についても、カナダのガルノー外相は10日の声明で「強く非難する」と表明し、中国当局と交渉を継続する意志を示しました。

時系列でみると、10日にシェレンベルグ氏の死刑判決が下り、カナダが即日中国当局と交渉を継続する意志を示した翌11日にスパヴァー氏に、死刑ではなく、懲役11年の実刑判決と強制送還命令を出したことになります。

これは、中国当局と交渉を継続する意志を示したカナダ政府に対して、中国側がスパヴァー氏の「強制送還」という形で応えたように見えます。有体にいえば、「人質外交」をやっているということです。

中国側は残ったコヴリグ氏について、スパイ罪に問うたものの、まだ判決を下していません。

今後、カナダと中国の間で、水面下でどのような交渉が行われるか分かりませんけれども、中国はこのコヴリグ氏を交渉カードとして残して使おうとするのではないかと思います。


3.中国の人質外交


8月11日、北京のカナダ大使館では、日本を含む25ヶ国からの50人以上の外交官が、険しい顔つきで整列するという珍しいパフォーマンスを行いました。

これは、外国人を恣意的に拘束し報復的な刑罰を与える中国共産党に対し、民主主義国が連帯して、非難する態度を示すというものです。

更に、11日、アメリカのブリンケン国務長官や欧州連合(EU)は、中国の恣意的な拘束と報復的な量刑に強く反対し、スパバ氏と同時期に逮捕された元外交官マイケル・コブリグ氏らの即時かつ無条件の釈放を求める声明を発表。ブリンケン長官は声明のなかで、アメリカは「国家間関係における恣意的抑留に反対する宣言」に参加した60ヶ国以上の国々と行動を共にしていると強調しました。

翌12日には、日本の茂木外相が、カナダのマーク・ガルノー外相と電話会談を行い、拘束されたカナダ人らの状況を聞いた茂木外相は、懸念を持って注視すると述べています。

これらは、民主主義国が中国の人質外交に対し共同して対応するという意思表示ではあるのですけれども、これで、はいそうですかと効くような中国であれば誰も苦労しません。

事の成り行きは、結局のところ、カナダと中国の間での水面下での交渉次第だと思います。

カナダがどこまで中国の圧力および「人質外交」に対抗して筋を通すのか。どこまで民主主義国がカナダと連携して動くことが出来るのか。

直近では北京冬季五輪のボイコット論がその一つの試金石になるのではないかと思いますね。

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