一つの中国の原則を自ら切り刻んだ中国

今日はこの話題です。
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1.アメリカ上院議員が台湾訪問


6月6日、アメリカ議会の上院議員が台湾を訪れ、アメリカ政府からワクチン75万回分が提供されると表明しました。

訪台したのは、上院の軍事委員会や外交委員会に所属する超党派の議員で、民主党のタミー・ダックワース議員、クリストファー・クーンズ議員と共和党のダン・サリバン議員の3名です。

アメリカ軍戦略輸送機C-17グローブマスターに同乗した3名の議員は、台湾に提供する75万回分のワクチンと共に、台湾の台北松山空港に降り立ちました。

3人は空港内で挨拶し、ダックワース議員は「われわれ3人とホワイトハウス当局者との数週間の話し合いの結果、新型コロナウイルスのワクチン75万回分が台湾に提供されることになった。台湾に差し迫った必要があると認識し、パートナーシップを重視しているからだ」と述べました。

このあと台湾の蔡英文総統が空港に出向いて3人と会談し「ワクチンは台湾にとって恵みの雨だ。皆さんの手助けをわれわれは深く心に刻む……私たちはバイデン政権がワクチン提供先に台湾を加えてくれたことに感謝します……台湾とアメリカは自由で開かれたインド太平洋地域の平和と繁栄をともに守ってきた……今後も引き続き協力関係を強め、ポストコロナ時代の世界により多く貢献していきたい」と謝意を示しました。


2.台湾海峡で戦争が起こると叫んだ中国


台湾メディアの自由時報は、今回の米軍機の来訪について「台湾のC-17が本日、松山空港に着陸」という記事を掲載し、「昨年、中国の官製メディア『環球時報』の社説で、米軍機が台湾に直接離着陸した場合、『台湾海峡で戦争が起こる』と断言したことを揶揄したものだ」と述べました。

件の環球時報の社説はおそらく2020年8月31日付の「蔡英文政権への根本的な警告が必要だ」と思われますけれども、この社説では「アメリカは台湾を戦略的な対中抑圧の有力な駒として利用しており、蔡英文政権は米国の対中戦略に寄り添う努力をしており、台湾海峡の状況に長期的な悪影響を与えている。このアメリカの手先を叩き出し、台湾当局を根本的に手なずける必要がある」と述べ、米軍機が台湾に着陸したときや、アメリカの高官が台湾を訪問したときなどは、人民解放軍機の台湾初飛行を実施するべきだ、と主張。「これら軍用機は一方で主権を誇示し、一方で台湾空港にアアメリカ軍用機が離着陸しないか、港にアメリカ軍艦が停泊しないか偵察しなければならない。仮に台湾軍用機が解放軍の軍用機に発砲すれば、最初の発砲を戦争挑発と見なし、解放軍は直ちに台湾のすべての軍事力量を破壊し、武力統一を実現しなければならない」と述べていました。

それが、今回実際に米軍戦略輸送機が台湾に着陸したにも関わらず、中国政府は沈黙しました。

これについて、自由時報は、台湾ネットが沸き立っていることを紹介。ネットユーザーは「左岸(中国)の人は米国の軍用機または軍艦を許さないと叫んでいたが、きょう米軍用機が台湾に来た。左岸はなぜ黙っているのか。米国の軍用機と軍艦が台湾にまた駐留すると思ったのか」となどと嘲弄のコメントを書き込んでいると報じています。

一方、台湾連合報と、親中の多維メディアは、「アメリカ台湾協会(AIT)が事前に明らかにした飛行計画によると、アメリカの訪問団はC-17戦略戦術輸送機1機、C-12小型輸送機2機で編成され、上院議員はアメリカ輸送機のC-12JとC-12Uに搭乗する予定だった」と説明した上で、6日に台湾に着陸した米軍機はC-17だけだったと、中国が沈黙した理由を述べています。

要するに、アメリカの軍用機ではあるが、アメリカ台湾協会(AIT)の下で飛行した「商用機」であって軍機ではないということです。

言い訳にしても大分苦しい感じがします。


3.一つの中国の原則を自ら切り刻んだ中国


今回のアメリカ上院議員の訪台について、中国の「環球時報」が早速反応しています。

6月6日「台湾当局は米上院議員の訪問を救世主として扱う」という社説を掲載しました。

社説は、「台湾島の2300万人にとって75万本のワクチンは焼け石に水である」とし、「アメリカの3人の上院議員の訪問は、アメリカと台湾が採用しているサラミを切り刻む戦術の中で、骨に近い部分、つまり、一つの中国の原則を切り刻むものだ」と批判した上で、台湾当局のアメリカとの駆け引きは、あくまでも戦術的なレベルの話であり、戦略レベルや台湾海峡のパワーバランスを逆転させることはできない」と断言。

中国大陸の力によって、逃げ場を失った台湾は。いかにアメリカの忠実な反中国大陸の手先となり、ワシントンに自分たちの安全を守ってもらうかばかり考えていると、まるで負け惜しみのような批判をしました。

また、同じく6日、環球時報は「本土は台湾に着陸するC-17戦略航空機にどのように反応すべきか?」という社説も掲載。台湾の狙いは「民進党当局と台湾人との間の争いから、海峡両岸の争いを目くらましにして、島の関心を大陸に移し、台湾でのCOVID-19の死者数の多さは、大陸と対峙する代償だと台湾人に思わせることだ」と述べ、「大陸のワクチンを拒否したのは、大陸のワクチンを受け入れれば、いわゆる反中政策が失敗することを懸念してのことである。しかし、非常に厳しい状況に置かれており、現在の政策では流行を抑えられる見込みはほとんどない。彼らは出口を見つけようとすることで、両岸の対立をエスカレートさせるという行き止まりに自らを追い込んでいるのだ」と批判。

そして、アメリカと台湾の「サラミスライス戦術」を許してはならないとし、中国が台湾に対し圧倒的な軍事的優位を持っている立場を利用して、台湾問題をどのように解決するかについて主導すべきだ、と主張しています。

なんだかんだいって、ひらたくいえば「武力統一」です。それ以外の手は取れないと考えているのでしょう。

日本が台湾にワクチンを供与したとき、中国は、ワクチンを政治の道具にするなと批判しましたけれども、「一つの中国」を標榜するのであれば、日本の支援を歓迎するコメントを出すのが普通です。

実際、台湾は中国のワクチンを拒否して、日米のワクチンを受け入れた。純粋に外交的な動きだけを見れば、台湾は、中国とは別の独立国としての振舞いをしているように映りますし、世界もそう見たと思います。

件の社説は「大陸が再び米台間の謀略を打ち破ることができると信じるべきだ、自信があれば心配する必要はない」と強がりを言って締めくくっていますけれども、それだけ、今回のアメリカ上院議員の訪台はショッキングな出来事だったのではないかと思いますね。


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