韓国のムービングゴールポストという流儀

今日はこの話題です。
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1.大法院判決と正反対だ


6月7日、ソウル中央地裁はいわゆる「元徴用工」や遺族ら85人が日本企業16社を相手取り、1人当たり1億ウォン(約985万円)の損害賠償を求めた訴訟で、原告の請求を却下しました。

判決は、日韓の請求権問題を「完全かつ最終的に解決した」とする1965年の日韓請求権・経済協力協定により、原告が「訴訟を起こす権利の行使は制限される」との判断を下しました。

元徴用工訴訟を巡っては、2018年、大法院で新日鉄住金(現・日本製鉄)と三菱重工業に賠償を命じる判決が確定しているのですけれども、これ以降、元徴用工の請求を却下する判決は初めてかつ、大法院判決を否定する異例の判断となりました。

大法院の判決では、「個人の慰謝料請求権は、日韓請求権協定には含まれない」としていたのですけれども、今回の判決では、日韓請求権協定は、被害者の請求権などに関し、一括して補償や賠償をすることで合意した二国間の「条約」に当たるとし、国内法によって不履行とすれば、「国際法違反になりかねない」と判断。原告の訴訟自体を認めませんでした。

更に、判決は、日本側が反発して国際司法裁判所(ICJ)に提訴する可能性にも触れ、国際司法裁判所(ICJ)で韓国側が敗訴すれば、「韓国司法の信頼は致命的に損なわれる……安全保障を毀損させ、秩序の維持を侵害する可能性を排除できない」と、外交的な懸念にまで踏み込んでいます。

これまでの大法院の判決は何だったのかというくらい。至極、常識的な判断だと思います。

原告側の代理人弁護士は「大法院判決と正反対だ」として控訴する意向でいるようですけれども、日本からみればコップの中の嵐です。勝手にやってくださいとしかいうことはありません。


2.賠償請求却下


ここにきて、韓国司法の判断は急激に変わってきています。

慰安婦裁判についても、ソウル中央地裁は4月21日、元慰安婦らと遺族など20人が日本政府を相手に起こした損害賠償訴訟の第一審で「賠償請求却下」の判決を下しています。

判決では、「現時点で、主権免除に関する国際慣習法、最高裁判所の判例による外国人被告に対する主権的行為の損害賠償提訴へは許容できない……被害回復など、慰安婦被害者問題の解決は被告との外交的交渉を含める韓国の対内外的な努力によって行われなければならない……この事件の訴訟を却下し、訴訟費用は、原告が負担する」としています。

原告側は「慰安婦と関連した日本の行為は主権的行為と見られない強行規範(国際共同体維持のために必ず守らなければならない規範)違反で主権免除の例外対象」と訴えていたのですけれども、ソウル中央地裁は、「主権免除の例外範囲を拡大解釈する法的根拠がなく、新しい例外を認めるには、基本的に行政府や立法府の政策決定が先行されなければならない」とし、原告側の主張を退けました。

慰安婦被害者問題の解決は韓国政府の対内外的な努力によるべき、とこの問題は韓国政府の責任だとはっきり明言しています。これも至極普通の判断だと思います。


3.ムービングゴールポストという流儀


こうした韓国司法の方針転換について、神戸大学の木村幹教授は「日本政府に賠償を命じた1月の判決は、一部の学説を基にした国際法の解釈で日本の主権免除を認めなかったが、今回は国際法の実態を根拠に主権免除を認めた。2015年の慰安婦合意についても、被害者救済の効果があるとした。同じ争点で違う論理を使い、正反対の結論を出した。非常に画期的な判決だ。地裁という下級審の判決で、日韓関係が大きく悪化しかねないという政治的な重みに、司法が耐えられなかったのではないか」と述べています。

それにしても、日韓関係の悪化という政治的な重みがあるにせよ、なぜこれほど180度も判断が変わるのか。

これについて、先の木村幹教授は、長らく権威主義体制下に置かれた韓国では、1987年の民主化以後様々な改革が行われ、急激な社会の変化はに伴った適切な法改正は行われず、法律の解釈を大胆に変える事で、新たな状況へと対処してきたと指摘しています。

このように韓国の行政府、更には後に司法府が「時代的要請」に答えつづけた結果、司法府が法律の解釈を大胆に変え、「ゴールポストを移動」させる事は、日常茶飯事になってしまったというのですね。

だからといって、そんな韓国の「ムービングゴールポスト」の流儀を勝手に日本にも適用されては堪ったものではありません。

ただ、木村幹教授は、そんな韓国のムービングゴールポストも一方向だけのものとは限らないと指摘しています。

2003年、盧武鉉政権による新与党、ウリ党の結党以降、韓国の政治的は進歩派と保守派に大きく二分され、それぞれのイデオロギーの対立は激しさを増す状況にあり、この影響が司法にも及んでいるというのですね。

つまり、韓国では、司法もまた進歩と保守の二つのイデオロギーに分断され、彼らはそれぞれ自らのイデオロギーに忠実に、全く異なる法的解釈と判決を以て対峙した結果、互いに「ゴールポスト」を左右から押し合う事となっていると述べています。

今回の判決について、木村幹教授は「韓国社会はポピュリズム的で、最近は急進左派の流れが強く、裁判所が示す判断もどんどん変わってきた。今回は変化が行きすぎではないかという不安感が働いたのだろう」と述べていますけれども、木村幹教授の説に従えば、非常にまともにみえる今回の判決は「ゴールポスト」を押し合った結果、たまたま日本に近づいたというだけのことであり、国際正義に目覚めたのでもなんでもないということになります。


4.ポピュリズムに支配された国


けれども、「時代」からの要請に、法律を変えず、解釈だけでなんとかしようというのは、その場凌ぎではどうにかなっても恒久的に行われるようになると、どんどんポピュリズムの方向に流れていく危険があります。

無論、これは政治の世界も同様です。

ジャーナリストの崔碩栄(チェ・ソギョン)氏は、文在寅大統領の政治スタイルについて、深く考えずに何かの方針を表明し、それに対する世間の反応が悪かったら、実行前に発言を撤回する、いわゆる「味見」の政治を行っていると述べています。

例えば、「仮想通貨取引を禁止する」と発表した結果、仮想通貨が暴落し、世論の風当たりが強くなると、「確定したものではない」と発言を撤回。また、公共部門非正規職員の正規職員への転換、大学入試改編、住宅ローン規制等、政策を発表しておきながら、国民が反発すると、数日後に発言を覆すことを繰り返してきたと指摘。メディアは、それを指す言葉として「味見政治」という新造語を生み出し、今やすっかり定着したと述べています。

これなどもポピュリズムの際たるものでしょう。

韓国の政治と司法が、ポピュリズムに支配されているのだとすると、日本が韓国に譲歩しない限り、日韓関係は今後改善の期待は殆ど望めないと思います。

なぜなら、韓国世論はこれからもどんどんと反日に流れていくと予想されるからです。

先の崔碩栄氏は、その著書『韓国人が書いた韓国が「反日国家」である本当の理由』で、「韓国の過激な反日感情は自然に発生した感情ではない。『反日国家』韓国では、日本は『悪い国』だという情報だけが与えられ、人々が自然に『反日型人間』になるように仕組まれた『反日システム』という社会構造が形成されている。そこから利益を得ている人々(北朝鮮や日韓の左派など)がシステムを維持強化している」と述べています。

つまり、教育のレベルから反日を生み出し、既得権益がそれをがっちりと守っているというのですね。

韓国の世論が「反日」に染まり、政治と司法がポピュリズムに支配されるとその行きつくゴールは決まっています。ゴールポストが左右に動いても、決してセンターラインの向こう側、すなわち「親日」にまで動くことはない。

反日教育を止めるか、法の勝手な解釈を止める。日韓の未来は、韓国がそのどちらかを行うことから始めるしかないのではないかと思いますね。


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