台湾、アメリカそしてパラオ

今日はこの話題です。
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1.沿岸警備隊作業部会設立覚書


3月25日、米在台湾協会(AIT)と台北駐米経済文化代表処(TECRO)は、沿岸警備隊作業部会(CGWG)を設立するための覚書に署名しました。

この新しい作業部会は、台湾の海洋委員会海巡署と米国の沿岸警備隊の協力強化を目指すもので、その分野は海洋資源の保護、IUU漁業(違法操業・無報告・無規制)の撲滅、海上捜索救助(SAR)での協力などに及び、更に台湾とアメリカの沿岸警備部門が一致して、インド太平洋地域の繁栄・安定の確保に取り組むことを目指すものです。

台湾の海洋委員会海巡署は、海上警察に関する業務全般を担当する省庁で、いわゆる沿岸警備隊です。つまり、台湾とアメリカの沿岸警備隊がそれぞれ手を握り協力関係を強化するということです。

台湾の沿岸警備隊もアメリカの沿岸警備隊も、それぞれ軍の管轄ではありません。警察組織の一部です。

今回の台湾の沿岸警備隊がアメリカの沿岸警備隊と協力関係を結ぶ動きは、大きく中国を牽制することになります。

なぜなら、中国沿岸警備隊がアメリカの沿岸警備隊に発砲するとは考えにくいからです。

なんとなれば、台湾の沿岸警備隊がアメリカの沿岸警備隊と合同で台湾海峡や南シナ海をパトロールすれば、それだけで手を出しにくくなります。しかも軍の管轄ではありませんから、いきなり戦争にエスカレートする危険も低いです。

台湾の蔡英文相当は、海洋委員会海巡署が保有する巡視船の側面に「TAIWAN」の文字を追加するよう指示。今年1月から塗装が始められ、現時点では500トン級1隻、1000トン級2隻、2000トン級1隻で作業が完了。今後引き続き、225隻に同様の塗装を施すようです。

これについて台湾総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は、中国が外国船舶への武器の使用を認める「海警法」が2月1日に発効したこ
とを指摘しています。

台湾は中国の圧力に屈しない姿勢を見せた訳です。

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2.台湾・アメリカ・パラオ


このような台湾の沿岸警備強化の動きはアメリカとだけではありません。パラオとも行っています。

2019年3月には、蔡英文総統がパラオを訪問する際に、二国間の沿岸警備隊の協力を促進する協定に署名していますし、台湾外交部は、台湾が沿岸警備隊協力協定の一環として、7トン級巡視船2隻をパラオに寄贈すると発表しています。

この台湾・パラオの協力促進にはアメリカが絡んでいます。

2015年、アメリカと台湾との間で「グローバル協力訓練フレームワーク(GTIF:Global Cooperation and Training Framework)」が立ち上げられました。これは、人材育成を目的として、公衆衛生や環境問題など地域の共通課題となっている分野について、台湾外交部と米在台湾協会(AIT)などがワークショップを主催し、東南アジアや大洋州諸国を中心に各国から同分野の担当官や専門家を招き、交流を深めるという取組みです。

2019年9月には、この「グローバル協力訓練フレームワーク」の初の海外ワークショップがパラオで開催されています。

また、この月、ソロモン諸島とキリバスが中国の工作により、1週間の間に立て続けに台湾と断交したのですけれども、これを受け、米台は
翌10月に「太平洋諸島対話」を立ち上げ、台湾が太平洋の外交的同盟国と緊密な交流を維持できるように手を打ちました。

現在、太平洋地域で台湾と外交関係のある国はわずか4ヶ国ですけれども、パラオもその中の一つです。

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3.米軍施設を誘致するパラオ


パラオは、西太平洋ミクロネシア地域に位置する500以上の群島からなる国で、場所的にはフィリピンのミンダナオ島から東に500km程のところにあり、少し距離はあるものの台湾の後背に当たります。

もしも、台湾が中国と戦争になった場合を考えると、パラオは後背の守りとして重要な意味を持ってきます。

現在、パラオは米軍施設を誘致しようとしています。

昨年8月、当時のパラオのレメンゲサウ大統領は当時のエスパー米国防長官に、アメリカ軍のパラオ施設利用を歓迎する書簡を手渡しています。

書簡には「アメリカ軍へのお願いはシンプルだ。共用の施設を建設し、定期的に利用しに来てほしい」と綴られ、アメリカ軍はパラオに国防施設を建設できる権利を十分に活用すべきだとし、港湾施設や滑走路、訓練場建設の必要性を訴え、米沿岸警備隊の駐留も持ち掛けるものだったようです。

アメリカは太平洋戦争後、国連信託統治領としてパラオを施政下に置いた経緯があり、1982年にパラオの安全保障を担う協定を結んでいます。

アメリカがパラオを軍事拠点の一つとして使えるようになれば、中国に対する一定の牽制効果はあるのではないかと思います。

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4.パラオ大統領と駐パラオ米国大使の来台


3月30日、台湾の蔡英文総統は訪台中のパラオのウィップス大統領と台北の総統府で会談しました。

蔡総統は、ウィップス大統領訪問について「台湾が新型コロナの世界的流行後に迎える初めての外国の国家元首で、わが国とパラオにとって歴史的な一瞬だ……新型コロナが落ち着けば(台湾とパラオ間のような)旅行スタイルが実現可能だということを全世界に知らせることができる」と述べました。台湾は、パラオとともに武漢ウイルスの封じ込めに成功したことを受け、一時停止していた観光客の往来に踏み切るとしています。

ウィップス大統領は今年1月に就任したばかりなのですけれども、最初の外遊先として台湾を選んだ事で台湾重視の姿勢を内外に示した形です。

しかも、今回のウィップス大統領の訪台で興味深いのは、パラオに駐在するアメリカのヘネシー・ナイランド大使が同行していることです。

ナイランド大使は、3月30日に呉釗燮外交部長、米在台湾協会(AIT)のブレント・クリステンセン台北事務所所長と、パラオは「真の友人」だと形容し、台湾とパラオの2者間の関係を強化し、アメリカの2つの真の友人の間で人々の結び付きが強固になると信じているとする共同談話を発表しています。

アメリカの大使が台湾を訪問するのは1979年の台米断交後で初めてのことです。

駐パラオ米国大使がウィップス大統領に同行した意義について、台湾国際法学会副秘書長の林廷輝氏は、台湾、アメリカ、そして第三国という三者間の協力体制が築かれているとし、このような現象は台米断交後、初めて見られたと述べ、アメリカによる大使の派遣は台湾との公的交流をアメリカがタブー視していないことを示すと指摘。

更に、台湾とアメリカが沿岸警備の協力で覚書を結んだことにも触れ、今後、台湾が国交を結ぶ太平洋の島国やアメリカと連携して海上訓練を行う可能性もあるとの見方を示しています。

また、与党・民進党の羅致政・立法委員は、台米関係が二者間の協力関係から三者以上の関係に広がっているとし、プラスに捉えられる発展だと歓迎のコメントを残しています。

このように、台湾とアメリカは対中を睨んで、着々と手を打っています。

そう遠くないうちに、この流れに日本も入るように要請されるときがくるかもしれませんね。

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