日米豪印首脳テレビ会議

今日はこの話題です。
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1.日米豪印首脳テレビ会議


3月12日、菅総理は、オーストラリアのモリソン首相、インドのモディ首相、アメリカのバイデン大統領と、4ヶ国首脳テレビ会議を行いました。

4ヶ国首脳が会談するのこれが初めてで、会談後、共同声明が出されました。

共同声明のポイントは次の通りです。
・自由で開かれ、ルールに基づく秩序の推進に関与
・東・南シナ海での海洋秩序への挑戦に対応するため、海洋安全保障協力を促進
・インド太平洋地域への新型コロナウイルスのワクチン普及へ協力
・ワクチン、気候変動、重要・新興技術の3作業部会を設置
・年内に対面の首脳会議を開催。外相会議を少なくとも年1回開催
この中で2番目に取り上げられた、海洋安全保障協力の原文は次の様になっています。
2.我々は、インド太平洋及びそれを超える地域の双方において、安全と繁栄を促進し、脅威に対処するために、国際法に根差した、自由で開かれ、ルールに基づく秩序を推進することに共にコミットする。我々は、法の支配、航行及び上空飛行の自由、紛争の平和的解決、民主的価値、そして領土の一体性を支持する。我々は共に協力し、そして様々なパートナーと協力することにコミットする。我々は、ASEANの一体性と中心性、そして「インド太平洋に関するASEANアウトルック」への強い支持を再確認する。潜在性に満ちた日米豪印は将来を見据える。日米豪印は、普遍的価値に基づき、平和と繁栄を支持し、民主的強靭性を強化することを追求する。
インド太平洋及びそれを超える地域で、「脅威に対処するために、国際法に根差した、自由で開かれ、ルールに基づく秩序を推進する」とは、名指ししなくても中国をターゲットにしていることは明白です。しかも航行の自由だけでなく、「上空飛行の自由」と明記されていることは、中国による台湾進攻をも想定しているのかなとも思ってしまいます。

会議は1時間45分だったそうなのですけれども、4ヶ国のテレビ会議で通訳を交え、たったこれだけの時間で、これだけの内容が共同声明で出てきたということは、事前の事務レベルの協議を相当重ねてきたものと思いますね。

菅総理は会議後、記者団に「日米豪印4ヶ国を新たなステージに引き上げることができた」と述べ、アメリカのジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官も記者会見で、「4首脳は中国が提起している挑戦について話し合い、誰も中国に対する幻想がないことを明確にした」と語っているところを見る限り、中国に関してはかなり共通認識が出来ているのでないかと思われます。


2.戦略的曖昧性から戦略的明確性へ


更に、15日には、アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官が訪日し、日米の外務、防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が行われます。

ブリンケン国務長官は10日の下院公聴会で「2つの最も重要な同盟国をオースティン氏とともに訪問し、その帰路にアラスカで中国の楊潔箎・共産党政治局員らと会う。米国と同盟国の安全、繁栄、価値観に挑戦する中国の行動に懸念を示し、反対する」と述べていますから、中国がテーマであることは明らかです。

プリンストン大のアーロン・フリードバーグ教授は「アジア地域に対する米国の本気度を同盟国と中国の双方に伝える意図がある」と指摘しています。

既に4ヶ国首脳会談で、国際法に根差した、自由で開かれ、ルールに基づく秩序を推進することが合意された訳ですから、2プラス2でもこの枠内で議論が行われるかと思います。

2月、アメリカ国防総省のカービー報道官が記者会見で、「尖閣諸島の日本の主権を支持する」とも明言し、後日訂正する騒ぎがありましたけれども、これも台湾に対する態度と同じく一種の「戦略的曖昧性」なのかもしれません。

ただ、今回の2プラス2では、その「戦略的曖昧性」がやや「戦略的明確性」へとシフトしていく兆しがあります。

11日、政府関係者が明らかにしたところによると、2プラス2の共同文書で、中国海警局に武器の使用を認めた海警法について「深刻な懸念を共有する」と明記する方向で調整に入ったそうで、尖閣についても、日米安全保障条約第5条の適用対象と改めて確認するとのことです。

クワッドの共同声明では名指ししなかった中国を、2プラス2の日米共同文書で名指しする。従来よりも一歩踏み込んできたように思います。


3.自制していると日本政府に伝えてきた北京政府


こうした日米の明確な態度に、中国も少し踏み込みを緩めました。

中国の海警法は、海警局の船舶に武器使用を含む権限を与えるものですけれども、中国政府は、尖閣諸島周辺で活動する際、海上保安庁の巡視船や日本漁船に対する武器使用や強制退去を「自制している」と、日本政府に伝えていたと報じられています。

政府関係者によると、日本側は「尖閣は日本固有の領土」だと反論し、領海侵入などの中国側の活動自体を強く批判したそうです。

3月10日のエントリー「日本の領海警備方針はサラミスライスを鈍らせるか」で筆者は、政府が自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、尖閣への不法上陸の過程で凶悪犯罪とみなせる行為があれば海保による危害射撃が可能になることがあるとの見解を表明したことを取り上げ、明確に線引きしたことで中国の尖閣への「サラミスライス戦略」を鈍らせることになると述べましたけれども、今回、中国政府が海警法の運用方針を伝えてきたのは、それへの返答ともいえ、武力衝突は避けたいと考えていることが明らかになりました。

日本が武力行使も辞さないと覚悟を示したことで中国を怯ませたとするならば、これは抑止力の何たるかを示す証左なのではないかと思います。

果たして今度の日米2プラス2でどのような共同声明が出されるのか。注目したいと思います。


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