インド太平洋地域に関与するグローバル・ブリテン

今日はこの話題です。 
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1.イギリスがTPP加入を正式申請


2月1日、イギリス政府は日本やオーストラリアなど11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入を正式に要請しました。

この日、今年のTPP議長国を務める日本の西村康稔経済再生担当相、ニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興相とイギリスのトラス国際貿易相が、電話協議を開催。

トラス氏はTPP参加について「世界で最も急成長している地域と結びつきが深まる」とのコメントを発表し、西村再生担当相も「高いレベルの国際貿易・投資ルールをアジア太平洋を越えて広げる第一歩として大きな可能性を秘めている」とイギリスの要請を歓迎しました。

イギリスのTPP加盟については、今後、意思決定機関であるTPP委員会が加入手続きの開始を決めた後、作業部会を設置して加入交渉を始めることになります。

イギリスは関税撤廃率について各国と2国間で交渉し、委員会全メンバーの承認が得られれば加入が決まります。

既にTPPには日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、マレーシア、シンガポール、ベトナムなど11ヶ国が加盟しており、ここにイギリスが加われば、世界の国内総生産(GDP)に占めるTPP加盟国の割合は約13%から約16%となる見通しです。

TPPには中国や韓国、台湾、タイも加入に関心を示していますけれども、みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は「自由貿易を推進する立場のイギリスが初の追加加盟国になれば、中国などに対し『参加には高い自由貿易水準が必要』というメッセージになる」とコメントしています。


2.クワッドにも参加したい


イギリスの日本への歩み寄りはそれだけではありません。クワッドにも興味を示しています。

1月28日、デイリー・テレグラフ紙は、クアッドを「中国への対抗勢力として米国が拡大をにらむ『アジアの北大西洋条約機構(NATO)』」と表現し、新疆ウイグル自治区や香港の人権問題などで中国への強硬姿勢を強めるイギリスが中国に対抗するため、クアッドに参加する可能性があるとの見解を示しました。

また、タイムズも翌29日、ジョンソン首相がバイデン政権との外交政策の擦り合わせに熱心になっていると指摘。ジョンソン首相が今後、インドを訪問した際に参加も視野に入れた協議を行うとの見通しを示しました。

これについて、評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「イギリスは、EUから離脱し、経済的あるいは安全保障上、自立することは当然といえる。地政学的に考えれば、ユーラシア大陸の核保有国を挟むことができ、手を結ぶべき絶好の国といえる。親中懸念があるジョー・バイデン米政権が不安とするならば、イギリスのクアッド参加はそれを埋めてくれる。日本政府は『歓迎している』ことを発信してもいいくらいだ」と指摘しています。

確かに、日本にとって、バイデン政権がトランプ政権並みの付き合いが出来るのか、現時点では不透明です。そんな中、傍らにイギリスがいれば、イギリスを介して関係をつなぎ留めることも期待できます。イギリスのクワッド参加は大歓迎すべきだと思います。


3.グローバル・ブリテン構想


イギリスをEU加盟国と同等に扱う「移行期間」が今年1月31日に終了し、2月1日から晴れてイギリスはEUから完全に離脱しました。

イギリスはEU離脱に際し、その後、世界の舞台でどのような役割を果たすべきかについて検討を進めてきたようです。そして出した答えが「グローバル・ブリテン」構想です。

2016年10月当時のメイ首相は、グローバル・ブリテンとは、イギリスが「自信と自由に満ちた国」として「ヨーロッパ大陸にとどまらず、幅広い世界で経済的・外交的機会を求める」構想だと説明しています。活路をヨーロッパにではなく、世界に見出そうという訳です。

これについて、2018年末のサンデー・テレグラフ紙のインタビューで、ギャビン・ウィリアムソン国防相は「イギリスは再び真のグローバルプレーヤーになる。私はそこで、軍が極めて重要な役割を果たすと考えている。……わが国のリソースをどのように前方配備して抑止力を構築するか、そしてイギリスのプレゼンスを確立するかを、私は大いに検討している。このような機会は極東だけでなく、カリブ海地域にも存在すると考えている」と述べ、「今後2年以内に」、極東に軍事基地を設置する計画を明らかにしています。

ウィリアムソン国防相は、2018年6月に開かれたアジア太平洋地域の安全保障会議「シンガポール・ダイアローグ」で、イギリスは海軍艇を派遣することにより、「国家はルールに沿って行動する必要があること、そうしない場合にはそれなりの結果が伴うことを明確にする必要がある」と述べています。

これは、平たくいえば、ルール違反には軍事力を持って応えるということであり、端的に安全保障の要諦を述べていると思います。

日本のどこぞの野党のように「問題があれば話し合うぞ」とは根本的に違います。これが国際標準であることは留意しておくべきだと思います。


4.イギリスがインド太平洋地域に関与する理由


ここにきて、イギリスがインド太平洋地域に関与する姿勢を見せ始めた背景には、3つの大きな要因があるとされています。

一つが、EU離脱後、独立した存在として世界における役割を規定しなければならなくなった中、イギリスの貿易額の12%が通過する南シナ海やインド太平洋地域の安定と、ルールに基づく国際秩序の形成をサポートすることは、外交的にも経済的にもメリットがあるという点。

二つ目は、インド太平洋地域は世界経済の成長のエンジンであり、イギリスはその成長に便乗したい思惑があること。これはTPP参加への大きな動機となったと見られています。

最後に、インド太平洋地域の防衛に関与することで、イギリスの海軍と先端軍事技術、および安全保障パートナーとしての存在感を高めることが出来るということです。

その意味では、東アジアで大きな影響力を持ちつつも、自主防衛に大きく後れを取っている日本がイギリスと手を結ぶことはWIN-WINの関係となる可能性が高く、やはり歓迎すべきことだと思います。

先日、イギリスの放送通信庁(Ofcom)が、中国の国営テレビ「中国環球電視台(CGTN)」のイギリス国内での放送免許を取り消しましたけれども、昨年にはジャーナリズムビザでイギリス国内にいた3人の中国人スパイを追放したとも伝えられています。

イギリスがEUから離れましたけれども、実は中国とも離れつつあるのではないかと思います。

対中戦略を考えると、対中強硬に舵を切ったオーストラリアと共に、イギリス、インドといった旧英連邦の国々との連携は極めて重要だと思います。

日本は今後キーストーンになるかもしれないイギリスとの連携を深め関係をどんどん強化すべきではないかと思いますね。


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