緊急事態宣言検討と目玉焼き

今日はこの話題です。   
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1.菅総理の年頭記者会見


1月4日、菅総理は年頭記者会見を行い、武漢ウイルス蔓延対策としての「緊急事態宣言」について、発令を検討すると述べました。

マスコミは、政府は出来るだけ早く専門家による分科会を開催して意見を聞いたうえで、8日にも諮問会議と対策本部を開いて1都3県を対象とした「緊急事態宣言」の発出を決定。施行は9日の午前0時からで調整を進めているなどと報じていますけれども、会見で菅総理は緊急事態宣言の考え方として、「経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと専門家が指摘している。従って、飲食でのリスクを抑えることが重要だ。そのため、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮にご協力いただくことが最も有効ということだ」と述べています。

そして、「北海道、大阪など時間短縮を行った県は結果が出ている。東京といわゆる首都3県においては、三が日も感染者数が減少せずに極めて高い水準。一都三県で全国の半分という結果が出ている。こうした状況を深刻に捉え、より強いメッセージが必要であると感じた」と、北海道、大阪で飲食業の時間短縮によって抑え込みの効果が出ていると述べていますから、仮に緊急事態宣言を出すにしても、昨年5月の時のような移動制限を伴うものというよりは、飲食業を中心とする時間短縮に重点を置いたものを想定しているのかもしれません。




2.緊急事態宣言も営業自粛も全く効果なかった


菅総理が例示した大阪府ですけれども、その大阪府で昨年6月11日、対策専門家会議を行い、緊急事態宣言の効果について検証しています。

そこで、大阪大学核物理研究センター長の中野貴志教授は「日本では第1波を非常に効率よく収束させ、3月初旬に収束させていたが、間髪を入れずに欧米から感染者が流入し第2波の感染拡大が始まった。その拡大がピークになり、そこから減少になった時期は3月28日頃。原因は3連休の気のゆるみではない……感染拡大の収束に外出自粛や休業要請による効果はなかった」と明言しています。

吉村洋文知事が「ピークアウトに外出や営業自粛の効果はあったのか?」と質問したのですけれども、「データを見る限りは、関係なかった」と回答。吉村知事が「緊急事態宣言も営業自粛も全く効果なかったということですか?」と重ねて質問したのですけれども、中野貴志教授は「なかった」と断言。吉村知事は天を仰ぐほかありませんでした。

また、京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏は、ピークアウトしたのは緊急事態宣言後の自粛によるものではなく、その多くは飲み会・カラオケ・夜の街の自粛によるものだと指摘。10日経てば、感染者から出るウイルス量は100分の1となり、そうなれば他人にうつらなくなるので、ウイルスを完全になくすよりは、うつらない量にまで減らすことに発想を変えるべきだと述べています。




3.感染の目玉焼きモデル


宮沢准教授は武漢ウイルスの感染拡大・収束モデルとして「目玉焼きモデル」というのを提唱しています。

このモデルについて宮沢准教授は、昨年12月中旬に週刊SPAのインタビューで次のように説明しています。
――「目玉焼きモデル」とはどういうものですか?

「5つの同心円の真ん中をゾーン1、外側に向かってゾーン2~5に区分し、各ゾーンは場所・状況を表します。ゾーン1は接待を伴う特殊な『夜の街』で、ゾーン2はどんちゃん騒ぎの飲食店など。ゾーン3は一般人エリアで、ゾーン4はかなりの感染予防をしている人々。そしてゾーン5がステイホームで巣ごもりしている人々です。

 感染拡大の火がつくのは、目玉焼きの黄身に当たるゾーン1で、ゾーン2に飛び火して延焼(感染拡大)はするものの、ゾーン3はRt(実効再生産数)が小さいので、ここに飛び火してもすぐに鎮火(感染収束)する。ゾーン4と5ではなおさら感染は拡大しない。石川県や福岡県で今感染者が少ないのは、ゾーン1と2は第1波と第2波でほぼ燃え尽くされて焼け野原となり、これ以上燃え広がりようがないからです。

 一方、ゾーン3~5に感染の火種が入っても、日本では多くの人が過剰なほどに防衛しているので拡大しない。『感染の炎』はまず黄身の部分が燃え始め、外側の白身に向かって徐々に延焼するが、前述したように燃えた部分の感染は収束フェーズに入る。

 今回の第3波で感染が拡大したのは、冬の低温と乾燥によってウイルスが強くなり、一方、低温による人の免疫低下も相俟って、黄身(ゾーン1)の周縁に新たな黄身が出現したからだが、すでに第3波はほぼピークアウトしています」
宮沢准教授の説に従えば、感染拡大を抑えるためには、目玉焼きの黄身とその周辺のゾーン1、ゾーン2を潰しておけばよく、具体的には、接待を伴う『夜の街』と、どんちゃん騒ぎの飲食店の営業時間短縮要請ということになります。

その意味では、菅総理が会見で述べた飲食でのリスクを抑えることが重要というのは的を得ていると思います。

まぁ、この程度であれば、何も国が緊急事態宣言なんぞ出さなくても、都や県からの要請で済むように思いますし、実際、会見で菅総理は「(首都圏の)一都三県について、改めて先般、時間短縮の20時までの前倒しを要請した。そして、国として緊急事態宣言の検討に入る。飲食の感染リスクの軽減を実効的なものにするために、内容を早急に詰める」と述べています。

さらりと述べていますけれども、まず、都県で時短要請があり、その次に国としての緊急事態宣言の検討がある、ということです。

これを見る限り、菅総理は、都県が時短要請をまず出せ、それで効果がないようであれば国としての緊急事態宣言を考えないでもない、というスタンスであり、本心では緊急事態宣言は出したくないのではないかと思います。

4日の年頭会見で緊急事態宣言を検討すると宣言したにも関わらず、8日にも諮問会議と対策本部を開くなどと4日も間を空けたのはあるいは都県が時短要請を出すかどうかを見極めてから動く算段なのかもしれません。




4.感染リスクの可視化


その一方、菅総理は、現在一時停止しているGoToトラベルについて、「緊急事態宣言となれば、いわゆるGoToトラベルの再開はなかなか難しいのではないか」とも述べています。

飲食の感染リスクの軽減をと言いながら、GoToトラベルも停止のままでは、少し一貫性に欠けるような気がしないでもありません。それとも、GoToトラベルを使う人は、須らく旅行先で「夜の街」に繰り出し、飲食店でどんちゃん騒ぎをして"目玉焼きの黄身"になるとでも思っているのでしょうか

武漢ウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されると、対象の都道府県知事は外出自粛呼び掛けや休業に応じない店の公表や、要請より強い「指示」への切り替えが可能とされていますけれども、店名公表といった「吊し上げ」だけではなく、宮沢准教授の「目玉焼きモデル」に基づいて、感染防止対策をやっている店などのゾーン分けしたマップを作成・公開するなりリスクの程度も可視化できるようにしていただきたいと思いますね。

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