菅総理の成績表

今日はこの話題です。
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1.日米首脳電話会談


1月26日、菅総理はアメリカのバイデン大統領と約30分間にわたって電話会談を行いました。

会談内容の概要については、外務省から公開されていますけれども、次の通りです。

1月28日午前0時45分から約30分間、菅義偉内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr. President of the United States of America)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭、菅総理から、バイデン大統領の就任及び政権発足に祝意を述べ、これに対して、バイデン大統領から謝意が述べられました。

2 両首脳は、日米同盟を一層強化すべく、日米で緊密に連携していくことで一致しました。また、バイデン大統領から、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を含む日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントが表明され、米国の日本に対する拡大抑止の提供に対する決意も再確認されました。

3 両首脳は、米国のインド太平洋地域におけるプレゼンスの強化が重要であること及び「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて緊密に連携するとともに、地域の諸課題にも共に取り組んでいくことで一致しました。

4 バイデン大統領から、日米豪印の日本の貢献に対する高い評価が示され、今後とも推進していくことで一致しました。
 
5 両首脳は、安保理決議に従い、北朝鮮の非核化が実現するよう、日米で緊密に連携していくことで一致しました。また、菅総理から拉致問題の早期の解決に向けて理解と協力を求め、バイデン大統領から支持を得ました。

6 菅総理から、米国のパリ協定への復帰決定、WHOからの脱退通知の撤回とコバックスへの参加表明を歓迎しました。その上で、両首脳は、気候変動問題やコロナ対策、イノベーションといった国際社会共通の課題について、日米で緊密に連携していくことで一致しました。バイデン大統領から、気候変動サミットへの招待がなされました。

7 両首脳は、菅総理の訪米については、今後、コロナの感染状況も見つつ、早期の実現を念頭に、しかるべきタイミングで調整していくことで一致しました。
報道では、「ヨシ」「ジョー」と互いのファーストネームで呼び合うことを申し合わせたとか、日米同盟を強化し、「自由で開かれたインド太平洋」を推進することで一致したと報じられていますけれども、首脳同士が互いをファーストネームで呼び合うこと自体は左程珍しいものではありません。

バイデン氏が就任後、最初に会談した首脳は隣国のカナダとメキシコの首脳です。次いでイギリス、フランス、NATOのストルテンベルグ事務総長、ロシアのプーチン大統領と会談した後に日本の菅総理と会談です。

「自由で開かれたインド太平洋」という割には、日本は7番目、インドやオーストラリアに至ってはまだです。

バイデン氏にとって、日本やクワッドはあまり関心ないのかもと思ってしまいます。


2.菅総理の成績表


では、バイデン政権は菅総理をどうみているのか。

これについて、アメリカのリベラル系ニュースサイト、「ディリー・ビースト」は「日本の総理は既に逃げ出している(Japan's Prime Minister Is Already Flunking Out)」という記事を掲載しています。

記事では、発足当初高かった菅政権の支持率が、日本学術会議の学者6人の任命拒否やパンデミックさなかの強引な『Gotoトラベル』固執などで急落。「所詮、史上最長期政権を誇った安倍氏を『頭脳』とすれば、菅氏はその安倍氏の『筋肉』でしかなかった」と辛辣に批判して、菅総理は落第だと評価。

いくつかの事例を挙げながら

科学    :F
生物学   :D-
基本的な数学:D
統計の紹介 :D-
経済学   :C-
倫理    :C-
歴史    :F
家政学   :D-
人前で話す :F

という評価を出して見せたりしています。

この記事を書いたのは、ミズーリ州出身のユダヤ系アメリカ人ジャーナリストのジェイク・エーデルスタイン氏。彼は1992年に外国人初の読売新聞の記者となり、日本の暴力団界のルポに12年間にわたり携わった経歴の持ち主で、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル、BBC、インデペンデント、ガーディアンなどの新聞にしばしば寄稿しています。

リベラル系の「ディリー・ビースト」以外で寄稿している媒体はほとんど中道であることを考えると、菅総理の海外評は、このあたりが標準的なのかもしれません。

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3.日本国内と対日関係に存在する計り知れぬフラストレーションの1年


1月26日、多摩大学「ルール形成戦略研究所」客員教授で「パシフィックフォーラムCSIS」所長のブラッド・グローサーマン博士は「2021年:日本国内と対日関係に存在する計り知れぬフラストレーションの1年(2021: A Year of Immense Frustration in and with Japan」という論文を発表しました。

論文の論旨は次の通りです。
・せっかく安倍氏が国家ビジョンとそれを政策として実現してきた日本だが、安倍路線を継承すると約束して登場した菅首相は、ビジョンのなさと外交経験のなさゆえに約束を反故にしている。今日本にとって最大の問題は強力なリーダーシップの欠如だ

・菅氏の頭の中に今あるのは東京五輪開催と新型コロナウイルス感染拡大阻止だけ

・それに米民主党政権についての(先入観として入っている、日本にとっては共和党政権の方がいいという)不信感が付きまとっている

・その結果、日米関係は停滞はしなくとも、緩慢になる可能性大だ

・安倍政権の8年間で、日本は自衛隊のモダニゼーション(近代化)を進め、東アジア太平洋地域諸国の軍隊の中でもキャパシティ・ビルディング(能力強化)を最もつけてきた

・環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(TPP)や環太平洋経済包括的先進的パートナーシップ協定(CPTPP)などを実現し「自由で開かれたインド太平洋」構想実現に向け貢献している

・日本は2013年に策定した(グローバル化が進む世界において、国際社会における主要なプレーヤーとしてこれまで以上に積極的な役割を果たすための指針として掲げた)『国家安全保障戦略』を2021年に改定する予定だというが、米新政権との戦略的パートナーシップを深化させる絶好の材料だった

・バイデン政権にとっては、新たな対中戦略をスタートさせるうえで自信に満ちた日本の積極外交が必要だったが安倍氏から菅氏への『選手交代』で状況は一変してしまった

・脆くて弱い首相の登場は、自民党内の派閥の領袖たちを勢いづけ、政策決定で大きな役割を与えてしまっている

・日本の外交・安保政策の最重要な柱である対中政策決定では、対中軟弱派の二階俊博・自民党幹事長が絶対的な力を持っている

・日本の財界でも中国へのソフト・アプローチを求める空気が強く、対中強硬派だったトランプ政権から柔軟派のバイデン政権へに移行を歓迎する向きが少なくない

・日本の政権内部には、政府全体としての政策を遂行するうえで、リーダーシップの欠如と首相官邸の弱体化は大きな痛手だと不満を漏らすものも少なくない
このグローサーマン博士の論文はアメリカ政府部内や議会でもかなり読まれているそうで、国務省関係者の一人は、「頷ける論文だ……グローサーマン博士は、すでに日本に3年以上住んでおり、日本の国内政治については精通しているはずだ……専門分野の米国の対日外交安全保障政策をそのジャパン・レンズを通して見た現状はこの通りなのだと思う……それを百も承知でバイデン氏は菅首相に日米同盟関係の深化を呼び掛けている……意外と短命に終わるかもしれない菅政権だとすれば、その呼びかけは菅氏個人にではなく、日本という国家、日本政府に対するものにならざるを得ないだろうね」とコメントしています。


4.本音は日本に頼りたい


これだけ聞くと、グローサーマン博士はいかにも日本に精通しているように聞こえますけれども、彼は、2013年に安倍総理が靖国参拝した後、当時の駐日アメリカ大使館が、「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している」との声明を出して炎上したことについて、「失望したという表現は適切だった、靖国参拝は米国の東アジア戦略を混乱させることは確かだ。いろいろな点でアメリカの意に反している」と述べているのですね。

それが今度は「対中戦略をスタートさせるうえで自信に満ちた日本の積極外交が必要だったが安倍氏から菅氏への『選手交代』で状況は一変してしまった」と批判する。

一変したのは、安倍路線に対する貴方の評価の方ではないのですかといいたくなりますけれども、当時から6年経って、ようやくアメリカも中国というものを理解しだしたのかもしれません。

と同時に、対中外交について、日本に頼りたかったという弱音が顔を覗かせているという点で、やはりバイデン政権に対中外交は期待できないのはないかと思えてきます。

ただ、逆にいえば、日本が「自由で開かれたインド太平洋」戦略のように、リーダーシップを発揮すれば、バイデン政権を引っ張っていける可能性もある訳で、その意味では、次の総選挙が非常に大きな意味を持ってくるのではないかと思います。

その意味では、共産思想に対する国民の意識が奈辺にあるのか。それを明確に選挙で示すことができるのか。それが大事だと思いますね。


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