メイク・アメリカ・グレート・アゲインという名の第二の建国

今日はこの話題です。    
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1.スキニー・ジョーイ

 
不正疑惑が一向に収まらないアメリカ大統領選挙。今度がマフィアが不正に関与しているという疑惑も出てきました。

フィラデルフィア・マフィアのボスである"スキニー・ジョーイ"・メルリーノは、投票用紙を1枚10ドルで偽造し、3日間で300万ドルという高額報酬を得たという疑惑です。

これら偽造投票用紙は、ダンボール箱に梱包され、投票終了の数時間前に南フィラデルフィアの2つの個人宅に運んだと考えられ、当日の午後10時までには、1時間に3000票以上、真夜中までに1時間に6000票以上の投票用紙を作成していたと見られています。

仮にこうした数々の疑惑が真実であり、民主党がそうさせていたのだとしたら、民主党は、民主主義の根幹を揺るがせたとして壊滅的な打撃を受けることは間違いないと思われます。


2.ポピュラーボートイニシアティブ


そんな民主党ですけれども、当然ながら生き残りを掛けて色んな手を使ってくると考えられます。

そうした動きの一つになるかもしれないものに「ポピュラーボートイニシアティブ(NPVIC=全国一般投票州際協定)」と呼ばれるものがあります。

これは、大統領選で州内の集計結果にかかわらず、全米の得票総数トップの候補がその州に割り当てられた選挙人を獲得するという協定です。

つまり、選挙人が大統領を選ぶのではなく、候補者が選挙人をゲットするというもので、選挙人制度を事実上廃止し、本当の直接選挙にする大転換を意味します。

この協定には、州民の合意が必要になりますけれども、既に、カリフォルニア、イリノイ、ニューヨークなどのブルーステートが参加しており、コロラドでは11月3日の大統領選と行われた住民投票で52%が加入に賛成票を投じ正式に加入が決まりました。

これで、ポピュラーボートイニシアティブに参加しているのは16州。加入州の選挙人の合計は196人に達しています。

協定は、参加した州の選挙人の合計が過半数の270人に達すれば発効するそうですから、次の大統領選でこのポピュラーボートイニシアティブが適用されないとは言い切れません。

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3.共和党から大統領を出させない民主党の大戦略


ポピュラーボートイニシアティブは、アメリカ合衆国憲法が大統領選挙における州の勝者の選定方法を州に一任していることに付け込んだ民主党の大戦略なのですけれども、2000年以降、大統領選で共和党候補がポピュラーボートで上回ったのは2004年だけであることから、ポピュラーボートイニシアティブが適用されると民主党が大きく有利になるといわれています。

ポピュラーボートイニシアティブの推進団体幹部は「アメリカ国内の他の選挙と同様、最多の票を得た候補が勝つべきだという単純な理由からだ」としていますけれども、ポピュラーボートイニシアティブ制度になれば、下手をすれば今後共和党の大統領を出すのは不可能ではないかとさえ囁かれているそうです。

当然ながら、共和党ではポピュラーボートイニシアティブに慎重な声が強く、反対派は選挙人制度が実質的に廃止されれば「候補者は都市部での運動に集中し、小規模州の声を届けられなくなる」と主張し、都市部に強い民主党が結果的に有利になると懸念を示していますし、もしポピュラーボートイニシアティブが成立すれば、共和党は「協定は連邦国家の意義と建国の精神に反する憲法違反」という理由で最高裁に持ち込むだろうと見られています。

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4.アメリカの選挙人制度は民主主義の根幹に根差している


現在のアメリカの選挙人は全部で538人ですけれども、選挙人の割り振り方は基本、州の人口比率に合わせたものに二人を足したものになっています。

合衆国憲法上の前提として、選挙人制度において、各州がどのように票を入れるのかは自由となっています。つまり、極端な話、州が住人の思惑とは全く違う票の入れ方をしても憲法上問題ないのですね。

なぜこうなっているのかというとアメリカ建国当時の成り立ちに起因しています。

1776年の建国当時のアメリカでは、読み書きができない人が多くいました。当時アメリカの制度設計した人達には、読み書き出来ない人達がちゃんと大統領を選べるとも思えず、また選んだら変な人が選出されるかもしれないという懸念があり、それを防ぐためにワンクッションを置くという意味合いで選挙人を立てることになりました。

また、アメリカには、1州1国という考え方が根強く、「州としての判断は1つしかない」という考えの延長で、選挙人も全員で同一の意思表示をするという伝統があります。

アメリカは建国時、連邦政府や大統領制を定める際にも、小さな州といえども高度な自治権を保証するとう考えが根底にあり、連邦政府や大統領が強権化しないように、どの州にも選挙人を割り当てています。

要するに、アメリカの選挙人制度は当時の時代背景と民主主義の根幹に根差した制度でもあるということです。

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5.バイアスと検閲は人民を文盲にさせる


11月17日、アメリカ上院議会は、ツイッター社のジャック・ドーシーCEOとフェイスブック社のマーク・ザッカーバーグCEOを呼んで公聴会を開きました。

4時間半あまりにわたった公聴会の冒頭、フェイスブック社のザッカーバーグCEOは「選挙の公正さを確保することはプラットフォームにとって継続中の課題であり、われわれは引き続きシステムの改善に取り組んでいるが、選挙介入の防止と民主主義のサポートへ向けたここ4年の取り組みには誇りを感じている……何百万人ものアメリカ人がわれわれのサービスを使って選挙運動について語り、投票に関する信頼ある情報にアクセスし、有権者登録をした」と選挙期間中の誤情報の削減や拡散阻止の取り組みが改善し、介入も減ったと主張しましたけれども、それでも共和党の議員を中心に、大統領選についてバイデン氏の疑惑を報じた米紙の記事の共有をツイッターが制限した問題などについて糾弾が相次ぎました。

共和党のジョシュ・ホーリー議員はフェイスブックが「Tasks(タスクス)」と呼ぶ社内システムを使って米グーグルなどと投稿の検閲のために情報を共有していると指摘。これに対しフェイスブックのザッカーバーグCEOは否定しました。

一方、民主党の議員はトランプ大統領がツイッターに不正確な情報の投稿を繰り返していることなどを問題視、フェイスブックによる画像共有アプリ「インスタグラム」の運営会社などの買収が反トラスト法に抵触するとの指摘や、児童ポルノの放置に関する質問も出たようです。

アメリカ議会ではネット企業が利用者の投稿に対して原則として責任を問われずにすむ一方、投稿を削除する権利を広く認めた通信品位法230条の改正が議論となっていますけれども、共和党はSNS運営企業による投稿の規制が過剰と不満を持ち、民主党は偽ニュース対策が不十分など批判しているという背景があります。

公聴会では委員長を務める共和党のリンジー・グラハム議員が「230条は改正が必要だ」と繰り返し、ツイッター社のドーシーCEO、フェイスブックのザッカーバーグCEOに「改正に協力するか」と問い質しました。

両氏は10月末の公聴会では通信品位法230条の改正に否定的だったのですけれども、流石に大統領選を巡るSNSでの検閲行為に批判が高まっていることを無視できなかったのか今回の公聴会では共に「協力する」と回答しています。

今回の大統領選では、大手メディアの苛烈なまでの反トランプ報道とツイッターやフェイスブックなどでの検閲が問題視されていますけれども、余りにもバイアスが掛かり過ぎた報道は、視聴者をそちらに誘導してしまう懸念があります。

これは見方を変えれば、国民を「満足に読み書き出来ない」状態に陥れているともいえ、その意味では、今のアメリカは建国当時、大統領選の制度設計をした人達が懸念した「人民・大衆は信用できない」という状況に近くなっているともいえると思います。

従って、現状メディアやSNSが過剰にバイアスを掛ける問題が解決されない限り、"信用できない人民・大衆"に全てを委ねてしまう「ポピュラーボートイニシアティブ」制度を大統領選に適用するのは、非常に危険な側面があると思います。




6.メイク・アメリカ・グレート・アゲインという名の第二の建国


11月2日、トランプ大統領は、「1776年大統領諮問委員会の設立に関する大統領令(Executive Order on Establishing the President's Advisory 1776 Commission)」を出しました。

これは1776年という数字が示すように、1776年のアメリカ合衆国建国の歴史と原則を子供達に教育することを目的とする諮問委員会(1776委員会)を教育省内に設置するもので、大統領令の序文と第一節は次の通りになっています。(機械翻訳)
1776年大統領諮問委員会の設立に関する大統領令

2020年11月2日

アメリカ合衆国憲法および合衆国法により大統領として与えられた権限により、また、1776年のアメリカ合衆国建国の歴史と原則を新進世代がよりよく理解し、これにより、より完全な連邦を形成することを可能にするために、ここに次のように命ずる。

第一節 目的 アメリカ建国は、生命、自由、幸福追求の権利を自然法とその伝統に具現化され、承認されたものと見なし、「自然の法則と自然の神の法則」の設計に調和した政治秩序を構想した。

これらの原則に基づいて共和国が形成されたことは、これまでの政府の形態とは明らかに異なるものであり、被支配者の同意に基づいて正当な権力を得る政府の形態を通じて権利を確保するものであった。共和国は国家生活の中で、これらの原則の完全な意味を探求し、憲法の批准、内戦、奴隷制の廃止、復興、そして一連の国内危機と世界紛争を経てきた。

これらの出来事は、建国の理念と理想に捧げられた例外的な国家の明確な歴史的記録となっている。

このような歴史に反して、近年では、質の低い学問に基づいた一連の論争が、建国者と建国を誹謗中傷している。

この国の美徳と功績にもかかわらず、今では多くの生徒が自分たちの国を憎み、この国を築いた男女は英雄ではなく、むしろ悪役であると信じるように学校で教えられている。アメリカの歴史に対するこの過激化した見方は、視点を欠き、美徳を曖昧にし、動機を捻じ曲げ、事実を無視したり歪めたりし、欠点を拡大し、結果として真実が隠蔽され、歴史に傷をつけることになる。

この歪んだ視点を特定し、挑戦し、修正することを怠ると、私たちの国と文化を結びつけている絆が擦り切れ、最終的には消去されてしまう可能性がある。

私たちの建国に関する最近の攻撃は、人種に関連したアメリカの歴史を強調している。

これらの一方的で分裂的な説明は、あまりにも頻繁に無視したり、適切にアメリカの国民的経験の偉大な遺産を称え、回想することに失敗したりしている。アメリカを救いようのない、システム的に人種差別的な国として見てしまっては、奴隷制に反対し、公民権を求めるアメリカの運動の偉大な英雄たちの並外れた役割を説明することが出来ない。

これらの英雄たちが示したように、新たな自信に満ちた国民統合への道は、私たちの建国の原則に根ざした共通のアイデンティティを再発見することにある。

これらの原則に対する国民の信頼が失われれば、新世代の人々は、互いの違いを超えて私たちを結びつける共通の物語への信頼を放棄してしまうような自責の念に駆られる危険にさらされることになる。アメリカ人一人一人の生命、自由、幸福の追求に対する平等な権利に対する共通の信仰がなければ、政府と社会に対する権威主義的なビジョンは、国民の同意に基づく自治に代わる魅力的なものになる可能性がある。

このように、アメリカの若者たちには、アメリカの歴史の中で本当に感動的で統一的なものや、大きな国家的課題を克服してきたアメリカの経験から得た教訓にアクセスできるようにすることが必要である。これこそが、共和国の成功に不可欠な情報に基づいた誠実な愛国心を可能にするものである。

建国の原則に基づいた、正確で、正直で、統一感があり、感動的で、心を高揚させるアメリカの教育の回復は、最終的には地方レベルで成功しなければならない。

保護者と地方の教育委員会は、州と地方のレベルでカリキュラムの選択と多様性の拡大を達成するために権限を与えられなければならない。

連邦政府の役割は、教育機関、学校、学校システムのカリキュラム、指導プログラム、管理、人員に対する州と地方の管理を保護し、維持することである。

実際、そのために私の政権は、コモン・コア・カリキュラムや、連邦政府が教育において全国的なカリキュラムや全国的な基準を課そうとするすべての努力を拒否している。

地方政府への積極的な参加は、常にアメリカの自由の実験室であり、私たちを特別な存在にする鍵となってきた。

アメリカの建国の原則の物語を保存する最善の方法は、地域社会が、子供たちが学校で愛国的な教育を受ける方法を制御することを再主張することによって、それを行動に移すことである。

【以下略】
トランプ大統領は大統領選で「Make America Great Again」を選挙キャンペーンに掲げ、何度も聴衆に訴えてきました。

筆者はこの「Make America Great Again」を単にアメリカが超大国であった1970年代かそこらの時代の栄光を取り戻すことなのかなと安易に考えていたのですけれども、この「1776年大統領諮問委員会の設立に関する大統領令」を見て、数十年前などというものではなく、アメリカ建国時の精神そのものを取り戻そうとしているのではないかと思い直しました。

その意味ではトランプ大統領の出現は、やはりアメリカの分断ではなく、いわば「第二の建国」の役割を歴史から託された存在ではないのかとさえ思ってしまいます。

大統領選の勝敗の行方はまだ分かりませんけれども、もしかしたら、アメリカにとって、今は建国の精神を取り戻すのか、それとも、例えば、ポピュラーボートイニシアティブを適用する方向に流れていくなどして、建国の精神を失うのかの選択の時を迎えているのかもしれませんね。


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