あり方が変わった大統領討論会

今日はこの話題です。
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1.酷い討論会だった


9月29日、アメリカ大統領選に向けた初の候補同士のテレビ討論会が行われました。

内容については動画アップされていますし、色んな方が論評されていますから繰り返しませんけれども、トランプ大統領がジョー・バイデン前副大統領への攻撃を重ね、バイデン氏が「あなたはうそつきだ」などと応酬する混乱した討論でした。

マスコミはトランプ米大統領がルールや司会者を無視して発言し、司会を務めたフォックス・ニュースのクリス・ウォラス氏が「あなたの陣営が同意したルールに従うつもりはないのですか」とトランプ氏の不規則発言を制止しようと声を荒げたと報じていますけれども、タレントのケント・ギルバート氏によると、通常の討論会では、1パート15分の時間の中で、候補者が2分づつ話して反論2分、再反論1分づつでその間は割り込まないルールのところ、今回は最初に候補者が2分づつ話した後の残り11分は全部自由討論とするルールだったそうで、その御蔭で、司会者がコントロールしきれず、あのような泥試合のような状態になったと述べています。

今回の討論について、CBSニュースによる視聴者調査では、討論会の勝者はバイデン氏と答えた人は48%、トランプ氏と答えた人は41%、どちらとも言えないと答えた人は10%でした。

また、討論会の印象についての調査では、69%の有権者が討論会を見て不愉快になり、19%が悲観的になったと答えている。一方で、31%が楽しかったと答え、17%が新たな情報を得たと答えたそうです。

討論会について多くのコメンテーターは、今回の討論会について、本当に敗北したのはアメリカと国民だと述べていますけれども、まぁ、自分の持ち時間が少なく、殆どが自由討論だという、泥仕合を招きやすいルールだったのも問題だったようにも思います。

なぜ、そんなルールにしたのか分かりませんけれども、あるいはバイデン側が、長時間バイデン氏に一人で喋らせると、ボロが出る危険があるので、トランプ大統領に悪口を言わせるだけ言わせておいて、バイデン氏が穏やかにやり過ごして印象を良くしようとする思惑もあったのではないかとも思ってしまいます。




2.バイデンが優勢


討論会について日本の識者でも意見が分かれています。

アメリカの社会問題に詳しい慶應義塾大学の渡辺靖教授は、「バイデン氏が当選した場合、これまでで最も高齢での大統領就任となるため、その健康状態が1つの注目点だったがきょうの討論会で不安を払拭できたのではないかと思う。トランプ大統領に途中で話を遮られてもバイデン氏は失笑してかわしたり、反論すべきところは反論したりして、総じてうまく対応していた。また、途中でトランプ大統領のことをあえてこの人、この男と呼んでカウンターパンチを出す部分もあり、弱々しいバイデン、寝ぼけたジョーというイメージを払拭できた」とバイデン氏が優勢だったと評価。

トランプ大統領については、「矢継ぎ早やに話を遮ったり個人攻撃を仕掛けたりと、余裕がない感じがした。議論を錯乱する戦略だったかもしれないが、そこまで強いカウンターパンチは作れなかった。バイデン氏が言い間違うなど、反論できないシーンを作りたかったが、バイデン氏の受け答えが予想以上にしっかりしていた」と指摘しました。

渡辺靖教授は討論会全体について、「本来、討論会は、政策論議の場だが、感情のもつれが全面に出ていて、アメリカの現状の分断を示唆しているように見えた。これまで両者が主張したことの繰り返しで、そこから深く論戦を繰り広げる場面はなかった。予想された範囲でのコメントが多く、流れを大きく変えることはなかった」と纏めています。


3.トランプが優勢


一方、アメリカ大統領選挙の演説や討論会を研究している明治大学の鈴木健教授は、トランプ大統領が優勢だったと評価。その理由について、「どちらを支持するか決めていない人は、テレビを見終わったときの印象で最終的に決めることが多い。トランプ大統領の場合は、後半で経済の実績を強調したり、バイデン氏を激しく攻撃したりと多少、強引でも結果的に相手を押しているという印象を視聴者に与えることができた」と指摘し、バイデン氏については、「ゆっくりとした話し方で、相手の攻撃を笑ってやり過ごすなど、冷静な印象を与える戦略はよかったと思う。前半は政権の新型コロナウイルス対策を批判して、トランプ大統領が論理的に説明できない場面があるなど、バイデン氏が優勢に進めたが、後半はややアピールに欠けるところがあったのではないか」と評価しています。

鈴木健教授は「大統領選挙は祭りのようなもので、有権者を熱狂させられる人が当選する傾向にある。また、アメリカでは現在、新型ウイルスの感染拡大により悪化した失業率が改善しつつある状況なので、どちらを支持するか決めていない有権者にとって、新しい大統領を選ぶことはリスクをとることになる。バイデン氏が有権者に対して自分のほうが経済を改善できるとアピールできないかぎり、今後もトランプ大統領が有利なまま進むのではないか」と分析しています。


4.分極化した討論会


また、大統領選挙の討論会そのものの性質が変わってきたと指摘する人もいます。

アメリカの現代政治が専門の上智大学の前嶋和弘教授は、今回の討論会について「さまざまな政策について話されたが、相手の言ったことに対してすぐに反論していて政策論争が深まらず、全体的に何が話されていたか覚えていない。ただ、議論は全くかみ合っていなかったものの、自分たちの支持者に対しては個々の政策をアピールしたという意味で甲乙付けがたい」と述べ、双方が自分達への支持固めに終始して政策論争が深まらず、勝ち負けがつかなかったと評価しました。

その上で前嶋教授は、「かつての討論会はまだ誰を支持するか決めていない人に向けて政策論争をする場だったが、いまは自分の支持者へのアピールに終始し、分極化の時代だと感じた。反対側へのメッセージはほとんど何もないので、無党派の人も心が揺れないという感じだと思う……2回目、3回目の討論会では答えにくい質問に対しても答えざるをえない場面がでてくるはずなので、もう少し議論は深まるはずだ。残りの討論会に加え、オンラインや戸別訪問などの地道な戦略で無党派層がどれだけ動くのか、また、大統領選挙の勝敗を左右するとされる『激戦州』の中でまだ迷っている人がどちらを支持するかがポイントになる」と指摘しています。

次回の討論会がどうなるのか分かりませんけれども、筆者としては、討論のルールを、今回のような自由討論の時間に多くを割かず、それぞれの候補者にじっくりと語らせる方式にした方がよいのではないかと思いますね。


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