ベイルート大爆発と揺さぶられるレバノン

今日はこの話題です。
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1.ベイルート大爆発を引き起こした硝酸アンモニウム


8月4日、レバノンの首都ベイルートの港湾地区で大きな爆発が二度あり、多数の犠牲者を出した件について、ハマド・ハッサン保健相は、レバノンの病院の記録として、負傷者の数は5000人に増加し、20%が入院を必要としており、120人が重体であると発表。数百人が薬局、診療所、または民間のクリニックに治療に行き、誰も自分の名前を登録しなかったため、負傷者の数はさらに多くなる可能性があるとしています。


今回の大規模な爆発の原因となったのは硝酸アンモニウムだと考えられています。硝酸アンモニウムは、農業用肥料や鉱山で使われる爆薬の原料として使われることが多い化学物質です。

レバノンのミシェル・アウン大統領によると、爆発現場の港湾倉庫には2750トンの硝酸アンモニウムが安全対策が不十分なまま6年にわたり保管されていたとのことで、港湾倉庫の火災が硝酸アンモニウムに引火して爆発を引き起こした可能性が高いと見られているようです。




2.爆発はミサイル攻撃


ただ、この大爆発については別の見方もあります。

レバノンのミシェル・アウン大統領は、「この事件はミサイルや爆弾による過失または外部介入により起こった可能性があり、飛行機やミサイルの存在を確認するため、フランスのエマニュエル・マクロン大統領に航空写真を提供するよう依頼した。もしフランスがそのような写真を持っていなかったら、外国の攻撃があったかどうかを確認するため、他国から写真を手に入れるかもしれない」と、ミサイル攻撃または爆弾によるものの可能性があると述べています。

何の証拠もなしに、国家元首がこんな重要な発言をするとも思えず、それなりの証拠を掴んでいるのではないかと思いますし、フランスのマクロン大統領に航空写真を提供するよう依頼したのは駄目押しというか証拠固めの一つのような気もします。

おそらく、他国首脳にも、それなりに情報を掴んでいると思われます。

8月4日、アメリカのドナルド・"正直者"・トランプ大統領は、記者会見でレバノンの大爆発について、「恐ろしい攻撃のようだ……製造工場での爆発といった出来事のようではなかった。軍高官らは攻撃だったと考えているようだ」と述べていたのですけれども、翌5日には、「事故とも、爆発物とも聞いた……まだ誰も分かっていない」と軌道修正しています。




3.飛び交う陰謀論


今回の爆発に関連して、既に19人の容疑者が逮捕され、レバノンの元関税局長のChafic Merhy氏が軍警察に尋問されたそうです。

レバノンのアウン大統領によるとフランスのマクロン大統領はこの出来事起に「憤慨」しており、調査は直接責任のあるすべての人々が対象となると述べ、レバノンの裁判所は、階級に関係なく、すべての役人を審理するだろうと明言。そして、港で爆発物がどのようにして移されたか、それらを6年間保管していた責任者は誰か、爆発が事故であったか故意であったかといった多くの関心事があるとコメントしました。

巷では、ミサイル攻撃の動画があるだとか、UFOが映っているだとか、半ば陰謀論めいた噂が飛び交っているようですけれども、真相が明らかになるかどうかまで、時間が必要だと思います。




4.賄賂が蔓延るレバノン


レバノン当局は、今回の爆発による損失は30億ドル(約3200億円)以上と推定。経済への打撃は約150億ドルになるだろうとしています。

今回の爆発について、多くのレバノンの人々らは、政府の怠慢と腐敗が爆発の原因だとして、10日まで3日連続でデモが起こり、警官隊との衝突も発生しているようです。

これらもあり、10日、レバノンのハサン・ディアブ首相は国民向けのテレビ演説で内閣の総辞職を発表しました。

レバノンは、公用語はアラビア語であるものの、英語もかなり使われており、イスラム教徒が圧倒的に多い中東諸国の中でただ一つ、キリスト教国家視されるほど多数のキリスト教徒が存在しています。

また、議会制民主主義と自由主義経済システムの導入・言論・報道の自由などからレバノンは独立直後からアメリカや西ヨーロッパ諸国などに親近感を持たれ、国づくりは金融・経済中心に進展しました。

一方、出身家庭の収入や社会的地位により、生まれた時点で人生が決まってしまうと声がでるほど、貧富の差が激しいのがレバノンです。

汚職が日常茶飯事のこの国では、官民問わず、賄賂(バクシーシ)が蔓延り、手数料や税金のような感覚で賄賂が使われているとされています。

例えば、ある大企業がベイルート郊外にオフィスビルを建設しようすると賄賂なしで許可証を得ようとすると最低でも3ヶ月かかるところ、正しい人に正しい額の賄賂を払えば、1週間で全ての手続きが完了するのだそうです。




5.シリア難民と国内立て直し


そこで起きた今回の大爆発。爆発はレバノン政権を崩壊させるだけでなく、レバノンの社会をも揺るがしています。

爆発が起きたベイルート港は、レバノンの輸出入を担う主要港で、国連などからシリア国内へ運ばれる支援物資の玄関口となっていました。

2011年にシリア内戦が始まって以降、隣国のレバノンは難民受け入れの主要国となり、現在も約150万人が暮らしています。

けれども、このシリア難民が低賃金で仕事を受け、レバノン人の仕事を逆に奪っている面があるのですね。

現在、レバノンでは失業率が30%を超えており、彼らシリア人難民への風当たりが強くなっています。

特に爆発後は一部で難民を「送り返すべきだ」との声も上がっているそうです。

今年の初めにデフォルト状態に陥って、経済危機が進行するレバノンは、市中で外貨が不足し、食糧の輸入にも支障が出ているといわれていましたけれども、今回の大爆発でその輸入港をも失った今、レバノンはかなり厳しい立場に追い込まれることなると思われます。

レバノン内閣が総辞職して新しい政権が立ち上がっても、厳しい状況は変わらないでしょう。しばらくは、国内の立て直しに精一杯になると思われます。




6.レバノンに唾を付けるもの


けれども、こんなときにこそ、他国がレバノンに食指を伸ばすものです。

中東政治に詳しい青山弘之・東京外国語大学教授は「レバノンは危機に立たされている国だ……今回の事件を機にレバノンが世界的な注目を集めることによって、結果的には海外からの人道支援、救援支援を勝ち取ることにもつながると思う……一方、イスラエルと対峙しているということ、地中海に面していることなど、地政学的に非常に重要な位置にあるレバノンを戦略上必要としている国も少なくない。旧宗主国であるフランスはレバノンを足がかりに中東に進出してきたし、ロシアもレバノン政府側の呼びかけに真っ先に応えた。ロシア同様、中東やアフリカの様々な地域にマンパワーや資金を供与している中国も必ず来ると思う」と指摘しています。

取り分け、世界から包囲網を敷かれて、孤立化を深める中国が、札束を片手にレバノンに入って来ることは十分に考えられます。

レバノンに誰が唾を付けるのか。注意が必要だと思いますね。


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