治水の瑕

今日はこの話題です。
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1.球磨川氾濫


大雨が続いています。特に九州の集中豪雨が酷く、7月9日現在、熊本県を中心に59人が死亡し、4人が心肺停止、16人が行方不明となっています。

4日には、球磨川が氾濫し、各地で土砂崩れや浸水被害が発生。ネットやニュースに上がる動画を見ても、町が水没。甚大な被害が出ています。

国土地理院が公開した球磨川沿いの浸水地域を示した図は、氾濫による被害予想範囲などを示したハザードマップとピタリと一致。予め浸水地域は分かっていました。

今回の災害について、防災システム研究所の山村武彦所長は「悪い条件の一つに深夜というのもあったかもしれない。昼間だったら周りの人も一緒になって手伝って、もっと大勢の人が手伝ったかもしれない」と専門家は想定外の大雨に、未明の大雨特別警報という悪条件が重なったと指摘しています。

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2.建設中止された川辺川ダム


球磨川は多くの河川が合流して、そのあと川幅が狭まる地形をもっていて、1963年~1965年と3年連続で洪水が発生したこともあり、球磨川の治水の必要性は議論されていました。

2019年10月、一時中断していた工事を再開していた群馬県の八ッ場ダムが台風19号で治水効果を発揮したことが話題になりましたけれども、今回の熊本の甚大な被害を受け、2009年に建設中止となった川辺川ダムは、「やはり必要だったのでは……」という声があがっています。

川辺川ダムとは、球磨川水系川辺川に計画されていたダムで、対象地域の立ち退き移転先への移転は進んだものの、球磨川の水質悪化の懸念などから反対運動が広がったため計画は進まず、2008年に当選した蒲島郁夫知事が反対を表明、「コンクリートから人へ」を標榜した民主党政権によって国の方針としては中止されました。

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3.ダムによらない治水


7月5日、熊本県の蒲島郁夫知事は今回の災害について記者から、ダムを作っておくべきだったのではないかと問われ、次のように答えています。
――知事は川辺川ダム計画に反対し、ダムによらない治水をすると言ってきたが、ダムを作っておくべきだったという思いは?

私が2008年にダムを白紙撤回し民主党政権によって正式に決まった。その後、国、県、流域市町村でダムによらない治水を検討する場を設けてきたが、多額の資金が必要ということもあって12年間でできなかったことが非常に悔やまれる。そういう意味では球磨川の氾濫を実際に見て大変ショックを受けたが、今は復興を最大限の役割として考えていかないといけないなと。改めてダムによらない治水を極限まで検討する必要を確信した次第だ。

 ――(ダム計画に反対表明した)政治責任は感じているか?

 (反対表明した)2008年9月11日に全ての状況を把握できていたわけではない。熊本県の方々、流域市町村の方々は「今はダムによらない治水を目指すべきだ」という決断だったと思う。私の決断は県民の方々の意向だった。私の決断の後に出た世論調査の結果は、85%の県民が私の決断を支持すると。その時の世論、その時の県民の方々の意見を反映したものだと思っているし、それから先も「ダムによらない治水を検討してください」というのが大きな流れだったのではないかと思っている。ただ、今度の大きな水害によって更にそれを考える機会が与えられたのではないかと思う。私自身は極限まで、もっと他のダムによらない治水方法はないのかというふうに考えていきたい。

 ――被害が出てから「極限まで追求する」ではなく、どこかの段階で治水策を講じておくべきだったという指摘がある。この12年間の取り組みは?

 ダムによらない治水をどのようにまとめていくか。時間的にはたったかもしれないが、方向性としては、とにかく早く逃げることがとても大事で、そういうソフト面を大事にしたこと。もう一つは(球磨川上流の)市房ダムの利用だ。市房ダムの目的はダムによってなるべく増水させないこと。元々、昨日(7月4日)の予定では午前8時半に(緊急)放水する予定だったが、私としてはもっと弾力的に考えようと思っていたし、スタッフにも言った。スタッフも自動的に放水するのではなく、その後の1時間の状況を見てみようと判断した。雨がだんだん薄くなっていたのでもう少し待った方がいいと午前9時半まで待ったところ、雨が弱くなった。その段階で放水はやめると。後のデータで見ると最も川が増水したのが午前8時半。あの時にダムの水を全て放水していたら、今回の洪水以上の大きな災害になったと思う。そういう意味では事前放流していたことと事前放流によって多くの水をためられたこと、そして自動的に放水しなかった弾力的な運用が大きかった。それも我々の治水対策の一つだった。これからも今決められている治水対策も皆で合意した分はやっていく。これをダムができるまで何もしないというのは最悪だと思う。私はそういう形で進めていきたい。
蒲島知事は、ダム建設反対を支持したのは県民だと責任転嫁し、これからも「ダムによらない治水」を続けると言い切っています。

確かに、県民はダム建設反対を支持した訳ですから、そういう知事を選んだ県民にも責任はあるとは思います。けれども、12年も「ダムによらない治水」をやった結果がこれでは、そもそも「ダムによらない治水」なんて出来るのかということの検証とその責は問われるべきだと思います。

元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也氏は、「ダムによらない治水」について、「経済的・社会的にダムを上回る方法というのは、ほとんどありません。実際、今回の熊本県の場合、2008年の段階で、"ダムが一番いい"と認めているわけです。そのうえで、"ダムによらない治水"の方法を考えると、やはりダムより難しい。お金的にも社会的にも受け入れられるのが難しい治水になるわけです。“ダムによらない治水”と言われると、ダムと同じ効果を発揮すると思ってしまいますが、そういうわけではないということです」と述べています。


4.それを忘れて言うなよ!


とはいえ、全ての責任が熊本だけにあるかといえば、そうとも言い切れません。当時ダム建設反対を煽った存在がいるからです、マスコミです。

こちらのサイトに、川辺川ダム建設中止について振り返るマスコミ記事を纏めたものがありますけれども、建設中止を歓迎し、再開発させるなという論調が展開されています。

もっとも、このサイトはどうも八ッ場ダム建設に反対している団体のようで、その辺りは割り引いて考える必要があるかもしれません。

当時は民主党政権で、「コンクリートから人へ」などと吹聴しては公共事業を次々とストップさせていきましたし、マスコミもそれを煽っていたことはまだ多くの人の記憶に残っているかと思います。

TBS系「グッとラック!」に出演したニュースキャスターの辛坊治郎氏は、「さっきハセンさんが『ダムがあったら軽減できてたかもしれない』とおっしゃいましたよね?川辺川ダム建設反対運動は、このTBSだのテレ朝だのニュース番組が徹底的にバックアップして『ダム反対!中止!』を徹底して煽った結果中止になったんですから。それを忘れて言うなよ!この局中みんな覚えてる、この局のニュースのアーカイブに川辺川ダム建設反対運動どんだけ取り上げたかっていうくらい残ってますよ……ダム反対運動で『ダムはダメですよ!』までは賛否あるでしょう。そういう立場でやるのもいいでしょう。だけど、じゃあダム計画が終わった後、治水どうすんだっていう、そこまで目を広げないと」と猛烈に批判しています。




5.民主党政権のツケと戦後70年の報い


どうもここ数年の異常気象はもはや異常というべきではなく、常態化したと言っていいように感じますし、「コンクリートから人へ」などとパフォーマンスに走った民主党政権のツケというか報いを受けているような気がしなくもありません。

もし、これらがある種の因果応報であるとするならば、今現在、撒いている種がどうなのかという検証も必要な気がします。

たとえば、安全保障などもそうだと思います。中国が相変わらず尖閣周辺をうろつき、領海侵犯を繰り返していますけれども、中国の脅威など殆ど報じません。

イージス・アショアが撤回に追い込まれたのも、元はといえば、最初の設計思想に入っていない、ブースターの落下制御を後付けしようとしたからでしょう。

これも、もっとマスコミ等々が、安全保障とは何ぞやという報道をしていれば、そもそもにしてブースターの落下を制御しようなんて話は出てこなかったのではないかと思います。

その昔「1発だけなら誤射かもしれない」などとのたまった新聞社がありましたけれども、そうした報道がなおも続き、国民がそれを許しているのなら、いつか、その「報い」を国民全員で受けることになるかもしれないことは頭に置いておいてもよいのではないかと思いますね。




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