ズームとツイッターと言論の自由

今日はこの話題です。
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1.ズームのアカウント一時停止騒ぎ


6月11日、アメリカ・ビデオ会議サービス「ズーム(Zoom)」は中国の天安門事件に関するビデオ会議の閉鎖などがアメリカや香港の人権活動家らから指摘されたことを受け、中国人利用者が関わる複数の会議が「中断された」ことを認めました。

アメリカの人権団体「人道主義中国(Humanitarian China)」によると、天安門事件を振り返るビデオ会議をズームで行い、中国ユーザーも含め250人以上が参加していたのですけれども、1週間後に、この団体の有料アカウントが何の説明もなく停止されたとのことで、ズーム自身も、アカウントを一時停止し、すでに復旧させたことを認めています。

ズームの広報担当者は、「どのグローバル企業とも同様に、当社も事業を行っている国や地域の法律に従わなければならない。会議が複数の国にまたがって行われる場合は、各参加者はそれぞれの国の法令に従うことが求められる……当社は、各地の法令を順守するために取る措置に限度を設けることを目指しており、こういった問題に関係するプロセスを常に見直し、改善している」と述べました。

アカウントの停止はこれだけではなく、香港で毎年恒例の天安門事件犠牲者追悼集会を主催してきた李卓人氏は6月11日、彼が会長を務める香港市民支援愛国民主運動連合会(Hong Kong Alliance in Support of Patriotic Democratic Movements in China)が、世界における中国の影響力に関するオンライン討論会を開催しようとしたところ、先月22日以降ズームアカウントにアクセスできない状態になっていると明らかにしています。

李氏は「討論が始まる前にアカウントは一時停止となった。これは政治的な検閲なのかとズームに何度も尋ねたが、返事は一切ない」とコメントしています。


2.中国政府の圧力に屈したズーム


アカウント停止の煽りを食らった人権活動家らは、ズームが中国共産党指導部から直接圧力を受けた可能性があると怒りをあらわにし、人道主義中国は、「もしそうなら、ズームは独裁的政府と共謀して天安門虐殺の記憶を消そうとしていることになる」とする声明を発表。厳しい検閲が行われている中国にいる人たちと連絡を取る上でズームは「不可欠」なものだとしています。

また、言論の自由の擁護団体「ペン・アメリカ(PEN America)」は、中国政府は同国本土以外のズーム利用者を検閲するべきではないとし、「ペン・アメリカ」のスザンヌ・ノソル会長は、「電話会社が電話会議で自身の意見を述べている人へのサービスを断ったとしたら、われわれは容認などしないだろう。デジタル空間においても同じことだ」と批判?しています。

こうした批判を受けてのことなのか、11日、ズームはアメリカや香港の人権活動家らのアカウントを停止したことについて、中国政府からの要求に応じた措置だったとする声明を発表しました。

声明によると、天安門事件を追悼する4つのビデオ会議について、「中国政府が、中国国内で違法とされている活動だと通告してきた。会議の閉鎖と主催アカウントの停止を要求された」とのことです。

これらのビデオ会議には中国本土在住のユーザーも参加していたのですけれども、「特定の参加者を会議から除外したり、特定の国からの会議参加を阻止したり」する機能がズームには備わっていないため、「ビデオ会議4つのうち3つを閉鎖し、それらに関与していた主催者アカウントを停止する決断に至った」と説明しています。

ズームはこの対応について、「不十分だった……中国本土以外のユーザーに影響を与えるべきではなかった」と釈明し、今後は特定の国からの参加者をブロック・排除できるツールを開発するとしています。

結果として中国政府からクレームを受け、関わりのあるアカウントを丸ごと停止したことが雑な対応だったことを、ズーム自身が認めた形ですけれども、特定の国からのアクセスをブロックするツールを開発するということは、中国本土を切り離すことを意味しています。情報の世界でも中国パージが行われるということです。


3.中国共産党関連アカウント削除


情報の世界による中国パージはズームだけではありません。ツイッターもそうです。

6月12日、ツイッター社は、言論操作を目的として組織的に使うことなどを禁じている社の方針に違反したとして、中国共産党に関連しているとする17万余りのアカウントを削除したと発表しました。

ツイッターによると、17万余りのアカウントのうち、2万3750のアカウントは、中国共産党に関連し、投稿には香港をめぐる中国政府の対応を称賛する内容が含まれていたほか、残る15万余りのアカウントは、こうした投稿を拡散させることを主な目的として使われていたことが確認されたとしています。

ツイッターは誤解を招く情報にラベルや警告をつけるという取り組みを2020年5月11日からスタートしているのですけれども、5月26日、トランプ大統領が「郵送投票は実質的に不正なものにならないとは(絶対に!)言い切れない。郵便受けから盗まれ、投票用紙は偽造され、違法に印刷すらされ、不正に署名される。カリフォルニア州知事は何百万の人々に投票用紙を送っている」とのツイートに「Get the facts about mail-in ballots(郵送投票に関する事実をチェックしてください)」というラベルを付与したことで話題になりました。

ツイッターのこの対応を受け、トランプ大統領は「ごく一握りの強力なソーシャルメディアが、アメリカの公的かつ私的なコミュニケーションの大部分を支配している」と激怒。ラベル付けは大統領選挙への介入だとして、5月28日、SNSに対してユーザーが投稿したコンテンツに関する免責を与える法的保護を剥奪するための大統領令に署名しています。

誤解を招く情報にラベルや警告をつけるというのは、その情報が誤解を招くものなのかどうか誰かが判断しているということです。或はその役目はAIにやらせているのかもしれませんけれども、いずれにせよ何等かの判断が介在することは間違いありません。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは「民間企業は『真実の決定者』になるべきではない」という考えを明かしていますけれども、情報に誤解を招くかもしれないとラベルを付けることは、ツイッター社が「真実の決定者」になる可能性を秘めていることは否定できません。


4.真実の決定と工作活動


そんなツイッター社が、中国共産党に関連しているとするアカウントを削除した。一見、これも言論の自由を侵害するものと見えなくもありませんけれども、ツイッター社は今回のアカウント削除の理由として、「中国政府寄りの情報を拡散させていた」と発表しています。

つまり、情報の真偽の判定ではなく、情報の拡散について恣意的なものがあった、とその"行為"を問題にしているのですね。

5月24日のエントリー「親中国政府の情報操作」で、ツイッターとフェイスブックで親中国政府の情報操作に関して分析し、中国による情報拡散に関連するアカウントを特定、更に毎日新たなツイッターアカウントが作成されているという推定を取り上げましたけれども、当然ツイッター社もそういった"恣意的な"工作ツイートやアカウントは掴んでいる筈です。

ツイッター社は、情報の真偽そのものではなく、その行為に着目することで、言論の自由と工作を分離した訳です。

6月12日、ツイッター社によるアカウント停止措置について、中国外務省の華春瑩報道官は記者会見で、「ツイッターが停止すべきなのは中国を中傷することを組織するアカウントだ。中国は、嘘の情報の最大の被害者だ」と反論していますけれども、ツイッターが問題視したのは意図的な拡散行為であって、情報の真偽ではありません。従って、中国の反論は的外れです。

情報の世界でも進み始めた中国パージ。

中国は益々世界から孤立していきそうですね。


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