新型コロナウイルスのエアロゾル感染について

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1.エアロゾル感染
2月8日、中国の公式保健部は上海で記者会見を開き、新型コロナウイルスが空気感染する可能性があるとの見解を示しました。

会見で伝染病予防の専門家は、感染経路について直接感染および接触感染に加えて「エアロゾル感染」も含まれるとしています。

エアロゾルとは、気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子のことで、粒径は、分子やイオンとほぼ等しい1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたる広い範囲が対象となっています。

もっとも、新型コロナウイルスのサイズは0.1um前後ですから、「エアロゾル感染」はこのあたりのサイズの話になります。

筆者は1月30日のエントリー「新型コロナウイルスに負けない方法を考える」で、飛沫感染と飛沫核感染の差について触れ、湿気と風通しも対策として大事なのではないかと述べましたけれども、「エアロゾル感染」に対してもマスクをする前提で湿気と風通しは有効ではないかと思います。

品不足で手に入りにくくなっているマスクについても、除菌・消臭に幅広く使われている次亜塩素酸水で洗えばよいという動画も上がっているようですけれども、当面はマスクは手放せなさそうです。




2.中国の55都市が封鎖

2月6日、WHO(世界保健機関)は、中国で新たに新型コロナウイルスの感染者について、6日朝までの24時間で中国国内で新たに感染が確認された患者は3700人近くに上る一方、統計を取り始めた先月20日以降、初めて増加した患者数が前の日を下回ったことを明らかにしました。

それでも、WHO健康危機担当のライアン氏は「患者の増加数が減ったことはよいことだが、今後の予測をするのは時期尚早だ。いまだに激しい大流行のさなかにある」と感染のピークはまだ過ぎていないという見方を示しています。

確かに新型コロナウイルスが「エアロゾル感染」するとなれば、封じ込めはさらに困難になります。

感染症に詳しい東北大学の押谷仁教授は「日本国内でもヒトからヒトに感染したとみられる患者が出ることは想定されていた。現在の中国の状況をみても封じ込めは難しいと考えられる。今回のケースだけでなく、すでに人から人への感染が広がっている可能性もある。今後、深刻な事態も想定して対策をとっていく必要がある」と話しています。

中国当局は、流行を防ぐため、都市を次々と閉鎖し、2月6日時点で国内55都市を封鎖、合わせて4億人近くが封鎖されたことになります。

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3.パンデミックになるのはほぼ確実

WHOは新型コロナウイルスの感染拡大について未だ「パンデミックではない」としていますけれども、感染症研究の世界的権威であるアメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・フォーシ博士は、「コロナウイルスは、非常に、非常に伝染力がある。パンデミックになるのはほぼ確実だ。しかし、カタストロフィックになるか? それはわからない」とコメントしています。

また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の前ディレクター、トーマス・フリーデン博士も「ウイルスはいよいよ封じ込められなくなりそうだ。だから、インフルエンザや他の微生物のように感染が拡大するだろう。しかし、どこまで拡大し、どれだけの人が亡くなるかはまだわからない」とその、封じ込めの難しさに言及しています。




4.三週間が勝負

2月4日、武漢大学中南医院・重症医学科主任の彭志勇医師は、中国メディア「財新網」の取材に対し、新型コロナウイルス感染による肺炎の致死率について、1月28日までに、中南病院にいる感染者138人のうち、36人が集中治療室(ICU)で治療を受けており、28人は治癒して退院し、5人が死亡。2月3日も死亡者が1人増えたため、致死率が4.3%に達したとした上で、「ICUに患者がまだいるので、致死率がさらに高くなる可能性がある」と述べています。

彭志勇医師によると、138人の感染者の中で、12人は感染源とされる華南海鮮市場を訪れたことがなく、57人は病院で感染。彭医師は「院内感染が最も深刻だ」と指摘しています。

新型コロナウイルスが「エアロゾル感染」するとなると、病院内のように、室内にコロナウイルス感染者が沢山集まってくる場所は院内感染という意味では、非常に危険な場所であるといえるかもしれません。

ただ、それ以上に筆者が気になるのは、武漢肺炎とも呼ばれる新型コロナウイルスによる死亡原因について、彭志勇医師が肺炎による呼吸不全だけではないと指摘している点です。

彭志勇医師によると、感染後1週目は軽症から呼吸困難など重症化する期間で、2週目は回復するか、または危篤状態になるかの重要期間で、免疫力の強い患者はこの段階で少しずつ回復。しかし、免疫力の弱い患者は呼吸不全、さらに他の臓器の機能低下が起こり、3週目に入って、免疫機能が徐々に良くなると、治療を受ければ、治癒の見込みがある一方、そうでない患者は多臓器不全で亡くなると述べているのですね。

ここまでくると、単純に「肺炎」だと片づけてしまうのは少々危険ではないかとも思います。


5.やはり免疫力

多臓器不全とは、重要な複数の臓器が障害されて働かなくなり、生命維持に重大な障害を及ぼす状態のことですけれども、死因に多臓器不全と記載される場合は、肝不全、腎不全、呼吸不全、心不全などを合併したときに用いられることが多いのだそうです。

山野美容芸術短期大学客員教授で医学博士の中原英臣氏は「例えば、ウイルスが血液に入った場合、最初は肺炎の診断を受けても血がめぐるなかで全身にウイルスが行きわたり、多臓器不全になる可能性はある。一方で、ウイルスが心臓に入り、突然死を引き起こすというケースはほぼないだろう……武漢市では予防策をとる前にウイルスが拡散してしまった。他の肺炎と致死率は変わらなくても、患者数が増えれば死者数も増える。横浜沖のクルーズ船の乗員・乗客は検査が終わるまでは隔離を徹底すべきだろう。本人にとっても周囲にとっても賢明ではないか」と解説しています。

集団感染が確認されている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新たな感染者が次々と報告されていますけれども、エアロゾル感染の可能性と院内感染が多々発生している事実を重ね合わせると、「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者が劇症化して、多臓器不全を起こすこともないとはいえません。

筆者は先に取り上げた「新型コロナウイルスに負けない方法を考える」のエントリーで、免疫系がポイントであり、自身の免疫力を高めることが大事ではないかと述べたことがありますけれども、その必要性が増々高まっているように思いますね。

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この記事へのコメント

  • さんさん

    エアロゾル感染は正確には空気感染と飛沫感染の中間的な感染を指す物で、厚生労働省でも、病気ごとに飛沫か空気かを分類してます。エアロゾル感染、発生時は特定に条件下で発生する物だと言われて居ります。
    しかし、エアロゾル感染が発生したと報道したのはBBCですよね?
    BBCの報道は誤訳が元の誤報で有ると言われて居ます。
    日本の厚生労働省でも、その様な事例は報告されてない、確認されて無いと公式に述べてます。
    ちょっと、情報が性急過ぎたかも知れませんね。確認を取るべきでしたね。
    2020年02月10日 21:08
  • 日比野

    さんさん、さん

    コメントありがとうございます。もう少し確認してみました。

    筆者のエアロゾル感染の認識は、「ウイルスを含んだ水滴で飛沫よりも小さいもので感染する」というものです。飛沫感染の一種という認識です。

    CDCは新型コロナ患者に対する対応(Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV) or Persons Under Investigation for 2019-nCoV in Healthcare Settings)の中で「感染性エアロゾルを生成する可能性があるので、咳を誘発する可能性のある処置は慎重に」と注意しています。
    したがって、CDCがいうエアロゾルは、飛沫感染としてのエアロゾルだと思われます。

    で、中国公式保健部の発表「新型冠状病毒肺炎診療方案(施行第五版 修正版)」注:簡体字は漢字に補完しています。

    の「二、流行病学特点(二)伝播途経」に
    「経呼吸道飛沫和接触伝播是主要的伝播途経。気溶●(月へんに交)和消化道等伝播途経尚明●(石へんに角)」とあります。

    前半は、「主な伝播経路は呼吸器からの飛沫と接触伝播」、後半は「エアロゾルと消化器の伝播経路ははっきりしない」だと思われます。

    後半の「エアロゾルによる感染ははっきりしない」を、BBCが「エアロゾル感染の可能性がある」と誤訳したかどうかですけど、100%誤訳かといわれると微妙な感じはします。

    中国保健当局発表は、はっきりしないが(あるかもしれない)と「もしかしたらあるかも」のニュアンスを含む一方、BBCの可能性がある、は「わりとあるかもしれない」のニュアンスを含んでいると思います。ただし「確認した」とは原文にはないので、これは誤訳でしょう。

    ただ、「証拠がない」には、「まだ見つかっていないだけ」も含みますので、「絶対ない」とまでは言い切れません。

    エアロゾル感染の可能性について、元外務省医務官として海外医療に携わってきた勝田吉彰氏は「今回の上海当局の発表は、中国の環境下であるから起きている感染なのではないか、というのが私の推測です。今回の発表からは、2003年SARS流行中に発生した事象を想起させられました。中国の老朽化した集合住宅でトイレ配管の損傷部からウイルスが漏れ出し、同じ向きの部屋に居住する住民が集団感染する事象が発生し、すわ空気感染かと不安がかきたてられました。しかし、その後、同様の集団感染は発生していません。今回も中国の集団住宅で同様事象が発生したのではないか、と考えています」とコメントしています。

    筆者も勝田氏の意見が真相に近いのではないかと考えています。
    2020年02月11日 02:26