ジハードの赤旗とイラクという国

更に昨日の続きです。
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1.ジハードの赤旗

1月3日、イランのラバンチ国連大使は革命防衛隊のソレイマニ司令官が殺害されたことについて、アメリカCNNの取材に応じ、「イラン国民に対する戦争行為だ……イランに対する開戦に等しく、新たな段階に入った……我々は目を閉じていられない。間違いなく報復する。厳しい報復だ……軍事行動に出るとも宣言した。両国間の緊張は一層高まっている」と述べました。

実際、イランではソレイマニ司令官の殺害に強い憤りを見せていて、イラン・コム市にあるジャムカラン・モスクには「血で血で洗う」ことを意味するジハードの赤旗が歴史上初めて掲揚され、ソレイマニ司令官の追悼に数万人の群衆が集まり、投げられた衣服を司令の棺に擦りつけて投げ返すという光景が見られました。この行為は「血を分ける」という意味が込められているそうで、彼がイランの英雄であったことが窺えます。

これに対し、トランプ大統領は「イランがアメリカ人などを攻撃したら、速攻かつ徹底的に反撃する!(President Donald Trump says U.S. 'will quickly & fully strike back,' perhaps disproportionately, should Iran strike any U.S. person or target@SkyNewsBreak)」と警告したようです。




2.現地住民の反感も買っていたソレイマニ司令官

アメリカ国防総省はソレイマニ司令官の殺害について「アメリカ外交官やアメリカ軍に対する攻撃を防ぐためだった」と発表していますけれども、ソレイマニ司令官は、過去20年以上に渡ってコッズ部隊を率いてきた破壊工作のプロでした。

コッズ部隊はイラクやシリアで数々の工作を行ってきたのですけれども、多くのケースでソレイマニ司令官が直接現地で指導していた姿が目撃されています。

ソレイマニ司令官は、イラクでは配下のシーア派民兵がISと戦う過程でスンニ派住民を大規模に虐待・殺戮する作戦を指揮しています。

また、シリアでは、アサド政権の戦力が脆弱な戦線に配下の民兵「ヒズボラ」を投入。さらにアサド政権が劣勢になると、ロシアと共謀して大規模介入し、アサド政権を死守しています。その目的はイランの勢力圏をシリアに拡大する目的だったと見られています。

いくつもの町を封鎖して住民に飢餓地獄を強くなど、敵対する軍事組織よりも一般の住民を攻撃した行為には当然ながら現地住民の反感を買いました。イラクやシリアの各地では今回のソレイマニ殺害を祝福する声も多くあるようです。(Massive crowds in #Idlib northern Syria are celebrating the death of Qasem Suleimani by the American attacks last night. They’re celebrating the end of that bad guy who caused their displacement and killed their children and the lovely ones...)

イランによるイラクやシリアでのこれら作戦は、無論、ハメネイ最高指導者が細かく立案・指揮した訳ではなく、その殆どは、ハメネイ最高指導者の承認の下で、ソレイマニ司令官が立案・実行したとされています。

コッズ部隊を率いることになった後任のカニ司令官の能力がソレイマニ司令官のそれに匹敵するのか分かりませんけれども、ソレイマニ司令官を殺害したことで、イランによる対外作戦行動は大きなダメージを受けたことは間違いないと思われます。


3.イラクという国を理解出来ているか

ただ、ここで筆者が少し気になるのは、アメリカがソレイマニ司令官の殺害で自国に対する脅威がかなり軽減する筈だと考えている節があることです。

ソレイマニ司令官の殺害について、アメリカ国務省高官は、プレスブリーフィングで、ソレイマニ司令官がイラクだけでこれまで608人のアメリカ人を殺害してきたとし、今回のソレイマニ司令官殺害によって、中東で何百人ものアメリカ人を犠牲にするテロの発生を遅らせたり、少なくさせたりできると指摘。

そして、「1942年にヤマモトを撃墜したようなものだ。まったくもう!我々がこうしたことをする理由をわざわざ説明しなくてはいけないのか」と述べました。

また、別のアメリカ国務省高官も、ソレイマニ司令官が「大変能力のあるテロリスト」で、ソレイマニ司令官がいなくてはイランの部隊は苦しむだろうと語ったそうです。

こうした認識はアメリカ国務省独自のものではないようで、1月3日、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「トランプの合法的な権限」と題した社説で、山本五十六元帥の搭乗機撃墜になぞらえて、ソレイマニ司令官殺害の正当性を主張しました。

また、アメリカのシンクタンク、ブルッキングス研究所のシニアフェロー、 マイケル・オハンロン氏も「ソレイマニ司令官殺害は、民間人指導者への攻撃より、山本五十六元帥の搭乗機撃墜により類似している」と述べています。

冒頭で述べたように、イラン・コム市のジャムカラン・モスクでジハードの赤旗が掲揚されたことといい、イランのハメネイ最高指導者が報復を示唆するコメントを発表したといい、只で済むとは思えません。

イランでは、ハメネイ最高指導者の言葉は非常に重く、宗教指導者で絶対的な権威を持っているとされています。日本で例えるならば、あるいは大戦前までの天皇陛下の位置づけに当たるのかもしれません。

もしそうであるならば、そして、万が一、アメリカが、トップを潰せばそれで終わりだとばかり、ハメネイ最高指導者を殺害するようなことがあれば、「一億玉砕」ならぬ「イラン総玉砕」という事態が起きないとも限りません。

そうなれば泥沼です。

それを考えると、もう既に時遅しかもしれませんけれども、アメリカにはイランへの理解を深めていただきたいし、イランもイスラム圏以外の諸国に自国を理解して貰う努力をすべきだと思います。

今となっては、太平洋戦争終結時にもし陛下が処刑されていたらどうなっていたかを想定した上で、イランの最高指導者を処刑するリスクを説けるのは日本しかないのかもしれません。

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