トランプの危険なディール

今日はこの話題です。
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1.ソレイマニ司令官殺害

1月3日、アメリカ国防総省はイラクのバグダッド国際空港を攻撃してイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した声明を発表しました。

攻撃はトランプ大統領の指示で行われ、国防総省はソレイマニ司令官がイラクなどでアメリカの外交官や軍人を攻撃する計画を進め、多くのアメリカ人を死傷させたと主張し、「今回の攻撃はこの先のイランによる攻撃を防ぐためだった……アメリカは、国民と国益を守るためには世界のどこにおいても必要なあらゆる措置を取る」と警告しました。

殺害されたソレイマニ司令官は、イランの最高指導者ハメネイ師直轄の「革命防衛隊」の精鋭部隊「コッズ部隊」を率い、中東でイランの影響力を拡大させる工作活動を指揮するなど外国での特殊任務を担うなど、国民から「英雄」と呼ばれるほど人気の高い実力者として知られていました。

また、イランのハメネイ師からの信頼が厚く、大統領選挙への出馬を取り沙汰されたこともあります。

イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は、殺害されたソレイマニ司令官について「イラン国内では自分たちの国を過激派組織ISやアルカイダなどテロ組織から守ってきた英雄として扱われている。イラン国民から見ると自分たちを守ってきた人をアメリカが殺したことになる」と指摘した上で「アメリカを標的とした反撃に出る可能性は非常に高い。イラン国内でアメリカへの主戦論の声が強くなる……このレベルのイランの軍人を直接、殺害するのは初めてだ」と今回の殺害が極めて異例な事態であり、イランが軍事的な対抗措置に乗り出す可能性が高いという見方を示しています。

イランの国営テレビはソレイマニ司令官の殺害を受けて、テレビ画面の左上に黒い帯を表示し国をあげた追悼の意を表したそうですけれども、当然ながらイランは、アメリカに強く反発しています。

イランの最高指導者ハメネイ師は「ソレイマニ司令官の殉職は、アメリカに抵抗する意欲を倍増させるものだ。犯罪者には厳しい報復が待ち受けている」と述べ、ロウハニ大統領は、「アメリカによる身の毛もよだつ犯罪行為に対しイランは間違いなく仕返しをする」と報復を示唆しました。

更に、ラリジャニ国会議長はソレイマニ司令官を「国民的な英雄だ」としたうえで「イラン国民は彼の死を黙って見過ごさない」と怒りをあらわにしています。

また、イラン政府に近いことで知られるテヘラン大学のマランディ教授は、国営テレビの電話インタビューで「ソレイマニ司令官はイラン国民から広く尊敬を集め、極めて人気がある人物だ。ソレイマニ氏への攻撃はアメリカの大きな計算違いだ。イラクにいるアメリカ人は直ちに国を離れたほうがよい」と、イラクにいるアメリカの外交官や軍人らを標的にした報復攻撃が考えられるとして、強く警告しています。


2.カタイブ・ヒズボラ

今回の攻撃について、トランプ大統領は「ソレイマニ司令官は長年にわたって多くのアメリカ人を殺害し、さらに続けようとしていた」とツイッターに投稿していますけれども、その切っ掛けとなったのが昨年12月27日のイラクでのアメリカ軍の兵士らに対する攻撃でした。

国防総省によるとアメリカ軍も展開するイラク北部の基地が30発以上のロケット弾で攻撃され、アメリカ国籍の民間人1人が死亡し、アメリカ軍の兵士4人が怪我をしました。

アメリカ軍は2日後の29日、革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」と強いつながりを持つとするイスラム教シーア派の武装組織「カタイブ・ヒズボラ」に対する報復措置に乗り出します。

「カタイブ・ヒズボラ」は2007年後半に三つのシーア派組織がイラクに駐留する多国籍軍の排除などを目的として合併・設立したとされる組織です。組織設立に際してイラン革命防衛隊の支援を受けたほかレバノンの「ヒズボラ」からも支援を受けているとされています。最高指導者はアブ・マフディ・アル・ムハンディスといわれており、勢力は2014年12月時点で3万人以上と自称しています。

アメリカ軍はこの「カタイブ・ヒズボラ」がイランからアメリカ軍主導の有志連合に対する攻撃への支援を受けていたとして、イラクやシリア国内の武器庫や指揮所など5つの拠点を空爆しました。

この攻撃に今度は「カタイブ・ヒズボラ」を支持する民兵らが反発。2日後の先月31日からイラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館の前で激しい抗議デモを仕掛けます。このデモでは大使館の窓ガラスが割られ、一時、襲撃も懸念される事態に発展し、トランプ大統領は31日、ツイッターに「われわれの施設で死者が出たら、イランが全面的に責任を負う。イランは非常に『大きな代償』を支払うだろう。これは警告ではなく脅しだ」とイランを強く牽制しています。

トランプ大統領は記者団に「今回はベンガジのようなことにはならない」と、2012年のリビア・ベンガジにあるアメリカ領事館が襲撃を受け多数の被害者を出した事件に言及し、当時、厳しく批判されたオバマ政権の対応との違いを強調しました。

アメリカ大使館前でのデモは今月1日、民兵グループの指導層がデモ隊に引き揚げるよう呼びかけたことで収束してはいます。


3.緊張高まるイラク

それでも、アメリカは、イラクの報復を警戒。1月3日、バグダッドにあるアメリカ大使館は「イラクで緊張が高まっている……航空便で退避するのが望ましいが、それが無理ならば陸路でもほかの国に出るべきだ」と、イラク国内のアメリカ国民に対し、直ちに国外に退避するよう求めていますけれども、空路で退避しろということは、陸路の方がより危険が伴うということであり、イラク全土での報復活動をも警戒しているということだと思われます。

1月2日、エスパー国防長官は記者団に対し「イランやイランが支援する勢力が追加攻撃を計画している可能性を示すいくつかの兆候がある……もし攻撃の通告や何らかの兆候があれば、アメリカ軍や国民の命を守るため先制攻撃をする」と述べて、アメリカ軍の防衛のための先制攻撃も辞さない方針を示していますから、更に何かあれば、更なる衝突が起こることが懸念されます。

その一方、1月3日、トランプ大統領が、ツイッターに「イランは決して戦争に勝たなかったが、交渉では負けなかった」と書き込んでいることから、イランに圧力を強めることで、アメリカとの交渉のテーブルに引きずり出そうというねらいがあるのではないかという見方もあるようです。

果たして、その"交渉"がイランの核開発に絡むものなのかどうか分かりませんけれども、イラン革命防衛隊の司令官を"ヘッドショット"することで交渉が進むのかどうか疑問ですし、一歩間違えば戦争にも繋がりかねない荒っぽいやり方ではあると思います。

2020年はどんな年になるか」のエントリーで、今年は色分けと不安定化が増していくと述べましたけれども、早々に中東の不安定化が加速してきたようです。

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