切羽詰まる北朝鮮とアメリカの空爆オプション

今日はこの話題です。
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1.泣きを入れてきた北朝鮮

12月3日、北朝鮮のリ・テソン外務次官、対米関係について「われわれはこれまで最大の忍耐力を発揮し、先制的に取った重大な措置を破らないため、あらゆる努力をした……年末の期限が近づいていることをアメリカに再び想起させたい」とする談話(DPRK Vice Foreign Minister for U.S. Affairs Issues Statement)を発表しました。

談話では、「今残っているのはアメリカの選択であり、近づいているクリスマスのプレゼントに何を選ぶかは全面的にアメリカの決心にかかっている……我々の先制的な措置に答えて動こうとはせず、『持続的かつ実質的な対話』などとし、自分たちに必要な時間稼ぎにとらわれている……国内政治情勢と選挙に有利に使うために考案した愚かな小細工にすぎない……アメリカが窮地に追い込まれるたびにオウムのように唱える対話うんぬんを我々は耳にタコができるくらい聞いてきたし、これ以上、そのような話に耳を傾ける人はいない」と非難しました。

威勢は良い物言いですけれども、言ってることは早く何とかしてくれという懇願と催促です。追い込まれている様子が窺えます。

金正恩委員長はここ数日、白頭山一帯に滞在し、崔竜海・最高人民会議常任委員長を同行させて「白頭山地区革命戦跡地」を視察。12月2日には白頭山の麓に位置する両江道三池淵郡の再開発地区の完工式に出席しています。

更に、4日、朝鮮中央通信は金正恩委員長は、馬に乗って中朝境界にある朝鮮半島最高峰の白頭山に登ったと報じました。北朝鮮は、かつて、日本の朝鮮併合時代に、金日成主席がキム・ジョンスク夫人ら抗日パルチザンと焚き火をしながら祖国を懐かしみ、抗日運動への意欲を燃やしたと宣伝した過去があり、今回、金正恩委員長には、朴正川・陸軍総参謀長や司令官、軍団長などが同行していることなどから、年末を目前にしてアメリカが態度の変化を見せない場合は軍事行動に踏み切ることを示唆したのではないかとの観測も出ているようです。


2.経済が後退し、軍事力が進んだ北朝鮮

経済制裁を受けている北朝鮮にとって、年を越せるかは大きな課題となっています。

11月29日、韓国の情報機関、国家情報院は国会情報委員会で、今年10月時点の北朝鮮の海外派遣労働者数が制裁前の2017年8月に比べ約40%減少したと報告。国連安全保障理事会の決議により、北朝鮮は今年12月20日までに海外派遣労働者を撤収させなければならず、労働者を海外に残留させるためさまざまな方法を講じていると明らかにしています。

そして、北朝鮮の北西部・東倉里にあるミサイル発射場で「車両や装備の動きが少し増えた」と報告。北朝鮮が11月28日に発射した多連装ロケット砲の意図について、「年末までに米朝対話で望む目標を達成しない場合、過去に戻り得るというメッセージをアメリカと韓国に送ったもの」と説明しています。

ただ、過去に戻ったとしても、経済制裁が解かれるわけでもなく、海外派遣労働者を撤収させなければなりません。少なくとも経済的な面では、過去に戻りたくても戻れないのが実態です。その反面、多連装ロケット砲の精密誘導機能や連射能力に磨きをかけ、そちら方面では先に進んでいます。無論、非核化も進んでいません。

大きく見て、2018年の初の米朝会談からこの2年程度で、何が変わったのかというと、経済が後退し、軍事力が進んだといえます。これは同時に、北朝鮮にとって対外交渉となる武器は軍事力、とりわけロケットしかないことを意味します。トランプ大統領の対中関税のように、経済力を武器にして交渉する力はほぼないといっていいでしょうね。


3.北朝鮮の空爆オプションは捨てられていない

こうした動きに、トランプ大統領はすかさず牽制を入れました。

12月3日、トランプ大統領はロンドンで行われた北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談冒頭で記者団に対し、北朝鮮との関係について、「私はキム委員長が好きだ。ロケットを打ち上げるから『ロケットマン』と呼んでいるが、実は、私とは仲が良いのだ」と金正恩朝鮮労働党委員長と良好な関係を維持していると述べ「非核化するとした合意の順守を望んでいる」と強調しながらも、「アメリカは世界最強の軍隊を持つ。できるなら使いたくはないが、必要なときには使う」と牽制しています。

筆者は11月19日のエントリー「北朝鮮の目前に広がる二つの道」で、今の北朝鮮には、非核化によって、米朝間の緊張緩和される道か、逆に、非核化交渉決裂によって、北朝鮮が空爆されるかの2つの道があるのではないかと述べたことがありますけれども、トランプ大統領は、今現在も、北朝鮮の空爆オプションは捨てていないと思います。

このトランプ大統領の発言に焦りを見せたのが韓国です。

12月4日、韓国の康京和外交部長官は、国立外交院の外交安保研究所主催の国際会議で基調演説し、「いかなる状況でも朝鮮半島で戦争が起きることはない……北が現在、危うい状況にあるかのように見えるかもしれない……少なくとも、対話の経路は開かれている」との認識を示しました。

そして、「問題解決のためには引き続き対話と外交的な解決策を追求し、軍事的な防衛態勢と準備態勢で後押ししなければならない……アメリカや中国、日本、ロシアと協力し、北が対話を通じた完全な非核化と恒久的な平和の実現に加わるよう、努力している……米韓の安保同盟は朝鮮半島と北東アジアの平和と安定のリンチピンであり、今後もそうなると思う」と述べています。

問題解決の為に「対話だ、外交だ」というのは結構なことですけれども、北朝鮮から対話を拒絶されている韓国がいったところで、説得力がありません。

ただ、国防がそれを後押しするという認識は間違っておらず、米韓同盟が「北東アジアの平和と安定のリンチピン」であるというのもその通りです。けれども問題なのはそれが「今後もそうなる」のかどうかです。


4.事態は年末から動き出すか

先に取り上げたトランプ大統領の軍事力行使発言ですけれども、この時の冒頭記者会見で、「韓半島に米軍兵力すべてを引き続き駐留することが、アメリカの国家安保の利益に合致するのか」と質問されたトランプ大統領は、「その問題が議論される可能性はある……私は(駐留でも撤退でも)どちら側にも行くことができる……私は両方とも主張できる……我々がそうしようとするなら、彼ら(韓国)は防衛費分担をさらに公正にしなければならない」と述べました。

そして、「今、韓国が分担金をさらに出すよう再協議中だが、アメリカが富裕国を防御するのは公正でない……韓国の他に、別の5つの富裕国と同じ議論をしている……サウジアラビアに兵力を追加派兵するのに、彼らは我々に数十億ドルを出している……日本の安倍晋三首相も私の友人だが、あなたは裕福な国なので、さらに多くの金を出して我々を助けなければならないと言った」と主張しているのですね。

つまり、韓国の康京和外交部長官が述べたように、「米韓同盟は北東アジアの平和と安定のリンチピン」であると韓国が本当に考えているのであれば、在韓米軍駐留費負担の増額に相当程度応じなけえば、筋が通りません。

北朝鮮の軍事力行使と在韓米軍撤退可能性および駐留費負担増額の話が一緒に出てくるあたり、これらが非常に密に関係しているように筆者には聞こえてなりません。

先日のGSOMIA破棄撤回を巡って、アメリカが韓国に猛烈に圧力を掛けました。これは全くの筆者の妄想ですけれども、もしかしたら、アメリカはGSOMIA破棄し、在韓米軍が撤退するようなことになれば、北朝鮮を空爆するといって脅したのではないかとさえ思ってしまいます。

在韓米軍駐留費交渉も、北朝鮮のいう期限もどちらも年末です。

どうなるのか。要注目ですね。

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