後ろには退かないトランプ大統領 ~トランプの算盤(後編)~

昨日の続きで後編です。
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5.Holding the Line

ジャーナリストの高濱賛氏が取り上げているのですけれども、最近、アメリカで「Holding the Line: Inside Trump's Pentagon with Secretary Mattis(後ろには退かない:マティス国防長官と共にしたトランプ政権のペンタゴンの内幕)」という書籍が出版されました。

著者はガイ・M・スノドグラス退役海軍中佐。厚木米軍基地に勤務したこともあり海軍パイロット。いわゆるトップガンです。

彼は今年1月まで国防長官の任にあったジェームズ・マティス退役海兵隊大将のスピーチライターを勤め、マティス長官が行くところは常に同行し、大統領との会談はもとより各国の首脳や国防相らとの会談にも同席しました。

この335ページにおよぶ書籍には、伝聞や憶測ではない自らが直接見聞きした情報が散りばめられています。

2017年7月20日、トランプ大統領は大統領就任後初めて国防総省を訪れ、国務・国防・軍の最高幹部との会議が行われました。

当時、国防長官だったマティス氏がまず、「アメリカの海外駐留はアメリカにとってグッド・ディールを得ていると言えます」と説明しました。

すると、トランプ大統領は顔をしかめ、デスクの上に置いてある文書をいじりながら長官には目をやらずに部屋を見回すしぐさを見せたそうです。

壁のスクリーンには韓国や日本など太平洋の同盟国に駐留する米軍を示すスライドが映し出されていたのですけれども、大統領をそれを見ながら、「韓国はアメリカにつけ込む一番の悪たれ者(Major abuser9だ。中国と韓国……奴らは右と左から我々を食いものにしてきたんだ(They both rip us off left and right)……このスライドを見て頭に浮かぶこと。それは金がかかりすぎるということだ。この部屋の外にいる人達がこれを見たら意気消沈するに違いない……こいつらにジャブを出したくなるね。私は中国と貿易戦争をする用意ができているんだ」と言い放ったのだそうです。

この発言にティラーソン前国務長官が、「大統領閣下、アメリカはこれらの国々に大使館を置き、兵力を駐留させることで計り知れない価値を得ています。同盟国に対する影響力を確保しています……それによって第三国との対立が一触即発になる前に回避することができるのです」と諭したのですけれども、トランプ大統領はティラーソン前国務長官の発言を遮って「レックス、そんなことは問題じゃない。我々は1兆ドルをイラクとアフガニスタンのために使っているんだ……我々はこうした地域から撤退すべきだ。我々は巨額のカネを使いながらその見返りなんかないんだ!我々はかの地を去る前にモスルを再建設せねばならなくなるかもしれない」と答えたのですね。

そこで、ゲリー・コーン国家経済会議(NEC)議長が経済的側面から同盟国との関係を説明すると、トランプ大統領は「勉強になった。ありがとう。これなんだな。何年も経つうちに巨大なモンスターが出現してしまったんだ……日本…ドイツ…そして韓国。これら同盟国は、今日論議している議案の張本人なんだな」とコメントしました。

マティス前長官は韓国防衛の必要性を説いたのですけれども、トランプ大統領は「それは儲けのない損な取引(Losing deal)だ。もし米軍駐留を望むなら年間600億ドル程度出せば、それはオーケーな取引(OK deal)だよ……通商交渉をやっている連中は愚かだよ。もっとまともな交渉をしなくちゃだめだ……もっと中国のやり方を見習わなきゃ。アフガニスタンに侵入したらそこにある富をみんなかっさらってくるくらいの覚悟がなきゃだめだ」と述べたそうです。

このやり取りにスノドグラス氏は「誰がどう説明してもトランプ大統領にとっては同盟関係はソロバン勘定でしか考えられないシロモノなのだ。アメリカという国家が第2次大戦後、イニシアティブをとって築き上げてきた同盟関係がアメリカの国益にいかに重要かという外交論は糠にクギだった。……トランプ大統領は、米兵が戦死するたびに、あるいは海外での戦争の戦費に何兆ドルも使うたびにアメリカはその見返りとしていくら儲かるかを知りたがっていた」と記しています。


6.トランプの算盤勘定

このトランプ大統領の発言のポイントは、その内容もさることながら、2017年夏の段階で行われていることです。そして、トランプ大統領はこの自ら語った"ソロバン勘定"どおりに行動しているのは注目すべきだと思います。

「中国と貿易戦争をする用意ができている」、「イラクとアフガニスタンから撤退すべきだ」。2017年に語った言葉はそのまま実現しています。ブレていません。

トランプ大統領は、これらを時には、反対する高官を解任してでも実行しているのですね。オバマ前大統領とは較べ物にならない実行力です。

とすると、これら以外の言葉も同じく実行に移す可能性は高いと見るべきだと思いますね。

現に、韓国には来年の在韓駐留米軍の費用負担として47億ドルと要求しています。けれども、2017年のトランプ大統領の発言からいえば、"オーケーな取引"である600億ドルの10分の1以下です。従って、たとえ47億ドルで妥結するようなことがあったとしても、その次の年には更にその5倍を要求してくるかもしれません。

ジャーナリストの加賀孝英氏によると、アメリカ情報当局関係者は「トランプ大統領はブチ切れ状態だ。文大統領率いる韓国を『同盟国で最低』『恩知らず』などと罵っている。トランプ政権は、文氏側に『アメリカを裏切るのか。答えろ』と最後通告を突きつけている。裏切るなら、アメリカは容赦しない」と語っているそうです。これが韓国の目の前に突き付けられている現実なのですね。

韓国は47億ドルの要求に反発し、それを拒絶するかもしれません。けれども、仮にそれが出来たとしても、それ相応あるいはそれ以上の報いを受けることになるのではないかと思いますね。


7.日本も他人事ではない

そして、これは日本に対しても同じです。

11月1日、トランプ大統領はミシシッピ州での選挙集会で、アメリカは、日本など裕福な同盟国の防衛に多くの負担を強いられているとし、安倍総理との会談で「日本の首相には大きな敬意を抱いているが、首相に『長年どうやって逃げ切れたんだ』と尋ねたら、彼は目をそらし、ちゃんと答えられなかった」と述べています。

来年以降、在日米軍の駐留費用の増額要求はしてくる可能性は高い。

そんなお金はとても払えないと拒絶したとしても、それで済ますとは思えません。何せ「中国のやり方を見習え。侵入したらそこにある富をみんな掻っ攫う覚悟がないと駄目だ」とまで言っているのです。それ相応の何らかの措置をとって、富を毟り取ってくることは十分考えられます。その意味では、トランプ大統領とよい関係を築いている安倍総理であるからこそ、この程度でで収まっているともいえるかもしれません。

まぁ、トランプ大統領の任期の間は仲の良い安倍総理の力で在日米軍費用負担を極力抑えて、逃げ切るという手もありますけれども、逆に「トランプだから」と、"トランプ外圧"にかこつけて、自衛隊を拡充し、単独で国を護れる組織と装備を整えていく。ちゃんとした国防軍にしていくという手もあると思います。

将来を考えると、筆者は後者の自主防衛できる方向にシフトしていく方がよいのではないかと思いますね。
 

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