鑑賞の不自由展 ~検閲

今日はこの話題です。
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1.鑑賞の不自由展

10月8日、愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、脅迫などの抗議が殺到し中止されていた企画展「表現の不自由展・その後」が8日午後、再開されました。

少女像や昭和天皇を扱った映像作品などを含む不自由展の全作品が公開となり、中止に抗議するために芸術祭で展示をやめたり変更したりした国内外の作家十三組と一機関の作品も元通り展示されました。

企画展の実行委員会は、再開を求めた仮処分を名古屋地裁に申し立てていたのですけれども、6~8日の再開を前提に協議を進めることで芸術祭実行委側と合意。再開について「犯罪や混乱を誘発しないように双方協力する」、「安全維持のため事前予約の整理券方式とする」、「開会時のキュレーションと一貫性を保持し、必要に応じてエデュケーションプログラムなどを別途実施する」、「県庁は来場者に中間報告の内容などをあらかじめ伝える」の四つの条件の下で協議を続けてきました。

その結果、「電話による抗議や警備への対策強化」、「入場は抽選方式とし一回当たり三十人で事前の教育プログラム、ガイドツアーを導入」、「手荷物の預かりと金属探知機を使った検査」、「動画撮影の禁止、会員制交流サイト拡散の防止」の四点を実施。これらの対策を毎日点検し、翌日の対応を決めることとしました。

写真撮影についても、8日は写真撮影を希望する人には、会場の職員が撮影し、後日撮影した写真を送付し、9日以降は、SNSに掲載しないという趣旨の誓約書を書いてもらったうえで、携帯電話などでの撮影は許可としています。やってることは、検閲と変わりません。

不自由展に対する批判を、検閲だとか、表現の自由の侵害だといっておきながら、自分達は検閲して平然としている。正直、白けてしまいます。


2.県が主催するという意味

不自由展の再開に反対する名古屋市の河村たかし市長は、市が負担する開催費用の一部約3380万円について、期限の18日には支払わないと、抗議の意思を示し、更に、8日の再開に合わせて名古屋市内の会場で抗議の座り込みを行いました。

河村市長は7日、ハフポストのインタビューに答え、「表現の不自由展・その後」の再開について、「一定の思想を持っとる人たちが市民の意見を暴力でハイジャックして奪った暴力だ」と批判しています。

その主な論拠は次のとおり。
・天皇なら天皇の話で。天皇制を反対する人がいてもいいが、憲法第1条で陛下は国民の象徴となっている。
・重要なことは運営委員会でやるとなっているが1回もやっていない。検証委員会のメンバーにも愛知県顧問が入っており第三者性はない。
・今後、展示内容をより厳しくチェックすることになり、逆に表現の自由を規制せざるを得なくなってしまった。
・「あいちトリエンナーレ」は愛知県が主催する公共事業。陛下の像をバーナーで燃やして足で踏んづけるという表現行為を愛知県が応援することになる。マスコミもそれを言わない。
河村市長は「作家の人やら不自由展の実行委の人に、こういう表現をするなと言ったことはいっぺんもない」と述べ、日本国民の心を踏みにじる表現行為を愛知県が主催して行うのは問題だというのですね。至極真っ当な批判だと思います。

確かに、例えば、愛知県が公共事業だといって、皇居を勝手に取り壊そうとするならば、一斉に批判の声があがり、止めに入るでしょう。少なくとも国民の意見を聞いたのか、となることは間違いありません。河村市長が「表現の不自由展・その後」の再開を批判したのはそういうことです。


3.国民の半分は不快に感じている

10月2日、大村秀章・愛知県知事は定例記者会見で、不自由展について、8月中旬以降、1日20~30件だった抗議電話が、再開を提言した中間報告を発表後、1日200件近く寄せられていると明らかにしています。

また、8日の再開初日、トリエンナーレ事務局と愛知県庁への電話も計200件にのぼり、その大半は再開への抗議だったそうです。

大村知事は悪質な抗議電話を防止するため、10分たつと電話が自動的に切れたり、声の録音を伝えたりする仕組みを導入したとも説明しています。

更に、JNNの世論調査でも、「あいちトリエンナーレ」について、文化庁は交付予定だった7800万円あまりの補助金を払わないと決めた事について、「適切だった」が46%、「不適切だった」の31%、「答えない・わからない」が23%と、適切だと答えた人が不適切だを上回りました。

このように、国民は不自由展の再開を不快に思っているということですね。

再開された不自由展にしても、入場は抽選だとか、教育ガイドがつくとか、手荷物を預かって金属探知機で検査するとか、動画撮影を禁止して、サイト拡散を防止するとか、何の秘密結社の集会なのかと見紛うばかりです。全然オープンではありません。

こんな人目をさけてコソコソとしてしか開催できないような展示を地方自治体が主催するのは、自分で後ろ暗いことをやっていると自分で白状しているようなものです。


4.批判に答えることができない大村知事

大村秀章知事は自身のツイッターで、河村市長が、不自由展再開に座り込みで抗議をしたことについて、「まさか、こんなことをするなんて。衝撃です。制止を振り切って、県立美術館の敷地を占拠して、誹謗中傷のプラカードを並べて、美術館の敷地の中で叫ぶ。芸術祭のお客様の迷惑も顧みず。常軌を逸してます。厳重に抗議します」と批判していますけれども、表現の不自由を再開する「自由」を保障したのなら、「表現の不自由展・その後」を批判する自由も認めないとフェアではありません。

大村知事は河村市長の座り込みを「公共の迷惑だ」と批判していますけれども、公共を持ち出すならば、同じく公共の観点から、たとえば次のように反論されることは甘受しなければならないと思います。
「まさか、こんなことをするなんて。衝撃です。常識を振り切って、県立美術館の建物を占拠して、国民の象徴たる陛下を中傷する作品を並べて、展示を再開すると叫ぶ。国民の抗議の声も顧みず。常軌を逸してます。厳重に抗議します」
要するに、この大村知事のツイートは、「不自由展」を公共事業で行うことを問題視する河村市長の批判に全く答えていないのですね。

大村知事と河村市長のバトルはしばらく続くと思いますけれども、今回の「表現の不自由展・その後」の騒動は、今後、地方自治体が主催する芸術展等々に少なからず影響を与えることになると思いますね。
 

 

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この記事へのコメント

  • 匿名

    長期的視点では、
    ・愛知県下の自治体への他県からの流入
    ・愛知県下の自治体から他県への流出
    ふるさと納税で
    制裁を国民から受けるでしょう。
    2019年10月10日 04:21