北朝鮮の短距離弾道ミサイルと菅官房長官訪米の真意

 
今日はこの話題です。

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5月5日、北朝鮮の国営メディアは金正恩朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、「大口径の長距離ロケット砲と戦術誘導兵器」の発射訓練を4日に行ったと写真を公開しました。

これに関し、韓国国防省はこれまでの分析結果を発表し、新型の「戦術誘導兵器」や多数のロケット弾が発射され、飛行距離はおよそ70キロから240キロだったとしています。

この「戦術誘導兵器」について、軍事ブロガーのJSF氏は、「ミサイルを2個のリング状クランプで固定し、発射直後にリング状クランプを爆破ボルトで吹き飛ばす方式」であったことから、ロシア軍の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を忠実にコピーしたものだとしています。

JSF氏によると「イスカンデルは旧式のスカッドとは比較にならない高性能な短距離弾道ミサイル」で、「北朝鮮は保有する短距離ミサイルの中で最も性能が高く危険な新型兵器を発射してアメリカと韓国を威嚇してきた」と警告し、国連安保理決議に違反しているとしています。

今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射について、アメリカは静観の構えです。

4日、トランプ大統領は「正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的な潜在性を認識しており、それを損なったり、絶ったりすることをしないだろう……合意は実現するだろう!」と述べています。
また、ポンペイオ国務長官も5日、FOXテレビに出演し、「飛翔体は数回発射され、短距離だった」と述べ、短距離弾道ミサイルの可能性は排除できないという認識を示した上で、今後、詳しく分析するとしています。

更に、ABCテレビのインタビューもで、飛翔体はアメリカや日本、韓国にとって脅威ではなかったとし、我々は再び交渉の場に戻り進むべき道筋を見いだすことを望んでいると述べています。

ロシア軍の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の射程は300kmから500kmありますから、北朝鮮が今回発射した誘導弾が「イスカンデル」の忠実なコピーであるならば、アメリカには脅威でなくても、日本と韓国には脅威になります。

それが脅威でないとわざわざコメントするということは、現時点では、なんらかの理由で時間を与えようということです。

そのなんらかの理由とは、やはり日本でしょうね。

北朝鮮の短距離ミサイル発射と日朝首脳会談」のエントリーで、触れましたけれども、安倍総理は日朝首脳会談に意欲を見せています。

また、菅官房長官が9日から訪米。「拉致問題の早期解決に向けたすり合わせを行うとともに、沖縄の基地負担軽減に直結する米軍再編の着実な実施を確認してきたい」と、拉致問題担当、沖縄基地負担軽減担当としての訪米だと強調しています。

菅官房長官の外遊は2015年10月にグアムを訪問して以来の2度目のことで、政権の留守居役である官房長官の外遊は極めて異例であることから考えても、拉致問題担当、沖縄基地負担軽減担当としての訪米といえども、非常に重要なミッションを担ってのことだと考えるのが普通です。

2月末にハノイで行われた米朝首脳再会談で、北朝鮮の金正恩委員長が、拉致問題に言及。「日朝間の懸案として日本人拉致問題があるのは分かっている。いずれ安倍晋三首相とも会う」とトランプ大統領に語り、既に安倍総理にも伝えられていることが報じられていることとも考えあわせると、日朝首脳会談への下準備という見方も出来るでしょうね。

実際、菅官房長官の訪米について、韓国紙・中央日報は、ワシントン外交筋の話として、拉致問題担当相を兼ねる菅氏が訪米中に「北側の人物と会うことを推進している」と報道。既にこの提案が非公式に北朝鮮側に伝えられたと述べていますけれども、そういう記事がでるのも無理からぬことです。

従って、もし本当に、菅官房長官が北朝鮮側の人物と接触し、日朝首脳会談への下交渉を行うのであれば、その進展を見極める為に、アメリカが北朝鮮のミサイル発射に静観の態度を取っていることも頷けます。

先のエントリー「北朝鮮の短距離ミサイル発射と日朝首脳会談」で、筆者は、安倍総理が本当に前提条件を付けずに日朝首脳会談を行う気があるのかを北朝鮮が試すと同時に、ミサイル保有を黙認させる意図を含めてあのタイミングでミサイル発射をしたのだ、と述べましたけれども、やはりその可能性はあると思いますね。

ただ、トランプ大統領は甘い相手ではありません。

5日、トランプ大統領は、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する追加の関税を10日に10%から25%に引き上げると、ツイートしました。

一見、北朝鮮とは何の関係もないように見えるのですけれども、これまで米中協議は上手くいっていると発言していたのに、いきなり掌を返して関税引き上げを宣言する。

金正恩からしてみれば、トランプ大統領が金正恩委員長との友好関係を力説していても、いつ反故にされるか分かったものではない、と疑心暗鬼に陥ると同時に、下手な真似をしたらどうなるか分かっているな、とプレッシャーを掛けられているのではないかと思いますね。

ただ、弾道ミサイルの発射は、国連決議違反でありますから、更なる制裁強化なり、何らかの締め付けが行われる可能性は高い。少なくとも制裁緩和は有り得ない。

拉致問題解決に向けての動きが出てくるのか。菅官房長官の訪米には注目です。
 

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