ファーウェイは世界から排除されるか

 
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画像「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!

1.ファーウェイを排除する大統領令

5月15日、アメリカのトランプ大統領は、大統領令13873号の「インフォメーションやコミュニケーションのテクノロジーとサービスのサプライチェーンを安全にするための大統領令」に署名しました。これは、サイバー空間などで国家安全保障にリスクがあるとみられる企業の通信機器をアメリカ内の企業が使うことを禁じたものです。

大統領令では、「外国の敵対者の管轄権または指示によって所有または支配される人が製造・提供する情報技術を米国内で無制限に使うことは、情報の脆弱性を作り出し、これを悪用する外国の敵対者の能力を増強する」とし、「外国の敵対者」は中国を、「外国の敵対者に支配されている人」はファーウェイを想定しているとみられています。

ただ、直接的にそうといわず「外国の敵対者」とか「外国の敵対者に支配されている人」と曖昧な表現を使っていますから、例えば、中国ロビーにやられて”操り人形”となっている人も対象になる可能性があります。

さらにアメリカ商務省も、ファーウェイと関連企業70社をブラックリスト(エンティティーリスト)に追加すると発表。これによって、ファーウェイはアメリカ政府の許可を得ることなくアメリカ企業から部品などを購入することが禁止されることになりました。

この大統領令を受け、グーグルは、ファーウェイへのハードウエアと一部ソフトウエアに関連するサービスの提供を停止。さらにインテル、クアルコム、ザイリンクス、ブロードコムなど半導体メーカーは、ファーウェイに供給しない方針を従業員に伝えたと報じられています。

アメリカの半導体メーカーが一斉にファーウェイに部品供給を止めるとなると、予算の約3分の1をアメリカ製の部品に充てているファーウェイが自社製品を生産継続することは極めて困難になります。

またグーグルがハードウエアと一部ソフトウエアに関連するサービス提供を停止することについては、Google Play、Gmail、YouTube、Chrome、Googleマップなどグーグルのアプリがプリインストールできないことになります。

つまり、ハードとソフトの両面に締め出しに掛かったということです。


2.各国で報告されるファーウェイの「バックドア」

更にこれに呼応するかのように、ファーウェイ製品による「バックドア」問題に各国が取り組み始めました。

オランダの諜報機関AIVDは、ファーウェイがオランダでの中国のスパイ活動に関与した疑いで調査を開始。現地メディアは「ファーウェイはオランダの大手通信キャリア3社のデバイスに、バックドアを潜ませ、データを収集していた疑いがある」と報じています。

さらにブルームバーグは4月30日の記事で「ボーダフォンが2011年から2012年にかけてイタリアで導入したファーウェイの通信デバイスに、バックドアが見つかった」と報じています。

これらについて、ロンドンを訪問したアメリカのポンペオ国務長官は「アメリカの同盟国の間にセキュリティの不備があるとしたら、国同士の信頼が損なわれる。西側諸国の同盟関係にヒビを入れることが、中国の望みだ……アメリカにはアメリカ企業が活動を行う国で、セキュリティ上のリスクが発生していないことを確認する義務がある」とコメントしています。

ポンペオ国務長官のコメントには、同盟国に「ファーウェイを使うとどうなるか分かっているだろうな」という圧力というか脅しも含んでいるようにも見え、これまで以上にファーウェイ製品の排除を求めてくるのではないかと思いますね。

ここまで来てしまうと、たとえ、アメリカが同盟国にファーウェイ排除を要請しなくても、日本の部品メーカーは少なからず影響を受けるでしょう。ソニー、パナソニック、京セラ、ジャパンディスプレイ、村田製作所など、ファーウェイに部品を供給しているメーカーが数多あり、ファーウェイは日本企業から2017年には5000億円、2018年には6800億円規模で部材を調達していると言われています。

これらが丸々無くなることはないにしても、それなりに減ることになると思われます。


3.グーグルとファーウェイとでシェアを争う世界

5月18日、ファーウェイの任正非CEOはメディアの取材に応じ、アメリカから部品の半導体の供給がストップした場合のファーウェイ製スマホ生産への影響について問われ「影響はあると思うが、一部に限られ、大きなものにはならないと思う……ただ、これまでのような高い成長は望めない」と大きな影響はない、と自信を見せています。

また、クアルコムからの半導体の輸入がストップしたら、自社で半導体を生産するのか、という質問についても「クアルコムから供給してもらう必要はない。クアルコムには特許料を支払っているのだから」と自社開発進めていくことを匂わせています。

任正非CEOは、ファーウェイが成長した理由について、進出先の政府から正式にダメと言われたことはやらない姿勢を貫いてきたからとコメントしていますけれども、裏を返せばダメと言われなかった事や、ダメと言わない国にはやるということです。

何年後になるか分かりませんけれども、もしも、ファーウェイが全ての製品を自社開発できたとしたら、アメリカの締め出しに同調しない国にどんどん売ってくるであろうことはほぼ間違いありません。もしも、その国が属国と言わないまでも中華圏に深く足を突っ込んでいる国だったとしたら、場合によっては「バックドア」で情報を抜かれても仕方ないと考える可能性だってある訳です。

さらに、ソフトについても、中国のアンドロイド搭載スマホ向けにGoogle Playの代わりとなるアプリを各中国国内メーカが用意していますから、そちらをプレインストールすればよいだけの話です。

その時は、世界市場を舞台にしたシェア争いが起こることになります。

そもそも、中国共産党がバックについているとも言われている事実上の「国営企業」であれば、政府資金を裏でいくらでもつぎ込めるわけで、中国政府が支える限り倒産など在り得ません。

ネット等では「ファーウェイ終わった」という声もあるようなのですけれども、今回の大統領令だけで、ファーウェイが潰れるなどと考えるのは、ちょっとまだ早いのではないかと思いますね。

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この記事へのコメント

  • ヘイジ

    今日も執筆ご苦労様です。

    日比野さんは、十分にご理解されていて、あえて執筆されたと思いますが、IT関係者の超端くれとして、私もあえてコメントします。

    パソコンを含め、ITのハードウェアの進化は凄まじく、業界では日進月歩などという言葉は死語になり、秒進分歩(笑)と言われて久しいです。

    例えば、intelが、今はあくまで実験室レベルですが、半導体の立体化技術に成功したと報道されており、そうなると現在の平屋型半導体は一気に陳腐化し、やがてハードの世界から駆逐されるでしょう。

    ITの初期の頃から、ハードウェアの進化にソフトウェアが追いついておらず、新しいハードウェアにソフトウェアが対応する前に、さらに新しいハードウェアが出てきて、新しいはずのソフトウェアが陳腐化するというような事態が当たり前になっています。

    このへんの証明は、Windowsの進化の例が最もわかり易いです。

    ハードウェアの進化がOSの進化を強制し、コンテンツの高速化が古いハードウェアを使えなくし、それ用のOSも使えなくして、ハードウェア・OSとしては故障がなくともパソコンを買い換えることになります。

    (最近、得意先の社長のおばさんがVista!を使っていると聞き「すぐに買い換えないとまわりに迷惑が掛かります。」と注意喚起しました。)

    中国人たちは、「大きな影響はない、と自信を見せ」ているようですが、西側先進国からの技術・情報窃盗(移転ならトランプ大統領はここまでしないでしょう。)が閉ざされた時点で、中国のITが急速に陳腐化することを避けることはできません。

    なぜなら、彼らは「自己否定しない」文化を持っていますので、いわゆる「モノ作り」には適応できないからです。
    2019年05月23日 10:36
  • ヘイジ

    しかも、中国は、西側先進国からの技術窃盗を利用して製造した安価な製品を、その西側先進国に輸出して儲けているわけですから、その儲けがなくなれば、中国が西側先進国と技術・軍事・経済、すべてで張り合えるはすがありません。(アメリカの締め出しに同調しない国々は、ほぼ発展途上国なので儲けにはなりません。)

    約80年前、大日本帝国は、石油の9割、経済の8割、鉄鋼の7割、ひょっとすると技術の10割をアメリカに依存していたにも関わらず、それらを無視して超無謀な戦争をアメリカに挑み、完全に「ボコボコ」にされました。

    中国人は、大日本帝国臣民のような国民国家意識は持ちませんので、実際の武器で戦う「熱い戦争」をしませんが、このまま突っぱねると習近平政権が崩壊し、群雄?が割拠する100年前の中国に戻るのではないかと、私は予想しています。
    2019年05月23日 10:37
  • ばる

    中国の人口が多いことは政治経済方面に優秀な人も多いことでもあるので、けっして甘く見てはいけません。
    中国は一帯一路を掲げてインフラ整備を提案して、融資した相手先に自国民を送り込み、返済できないとあればその土地を長期租借地とすることで支配領土を広げています。
    アフリカでは、資源を有するが自力では運用困難な政府と交渉して採掘権を取得し、やはり自国民を送り込んで資源の占有を進めています。
    利害関係が一致する間は富裕層と中共政府は協力できるので、一帯一路の加速による途上国への影響力増大こそが今後の中心戦略になるでしょう。
    すでに国際取引の基軸通貨として人民元のシェアが広がっています。
    投資と移民の結果、北京語を公用語にする途上国が今後いくつも現れても不思議とは思いません。
    やがて華人が政府の一翼を担うことになると、一国一票制の国連でも大きな力を持つことになります。
    立ち回り方次第では日本が経済的に吸収されるのも遠くないかもしれません。
    2019年05月23日 18:28
  • ヘイジ

    ばるさんへ

    >けっして甘く見てはいけません。

    私は決して甘く見ているわけではありません。

    ただ、経済力・科学技術力・軍事力は政治体制に強く依存するという物理法則?からの分析判断を提示しているだけです。

    >すでに国際取引の基軸通貨として人民元のシェアが広がっています

    中国人民元、世界での決済シェアで5月は1.88%に上昇

    https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-28/PB0CG86KLVRD01

    確かに「元」のシェアは急激に拡大しているように見えますが、それでも、日本円の約半分、ユーロの18分の1、アメリカドルの21分の1です。

    「元」が世界の基軸通貨として完全に認められるためには、国家としての信用が必須であり、持ち出し規制がきつく、変動相場制を採用していない「元」にはその信用は生まれません。

    >中国は一帯一路を掲げてインフラ整備を提案して、融資した相手先に自国民を送り込み、返済できないとあればその土地を長期租借地とすることで支配領土を広げています。

    >投資と移民の結果、北京語を公用語にする途上国が今後いくつも現れても不思議とは思いません。

    >利害関係が一致する間は富裕層と中共政府は協力できるので、一帯一路の加速による途上国への影響力増大こそが今後の中心戦略になるでしょう。

    投資先の国家の人口以上の数の中国人を短期間に送り込むことができれば、その国を乗っ取ることは不可能では無いでしょう。

    しかし、もう既に一帯一路は各国で問題を起こしており、もし、投資先の国で中国人排斥運動が起きたとしたら、中国はそれに対応することができません。
    2019年05月23日 21:51
  • ヘイジ

    なぜなら、中国は伝統的に大陸国家であり、人海戦術により陸続きの隣国を侵略することはできても、海を越えて他国を侵略するための軍事力も経済力もなく、しかも、国民国家ではないので、長期に渡る継続的作戦をする意志さえもないからです。

    「まともな日本人」の皆さんは、法が守られる世界が常識と考えていますが、それは、世界では通用しません。

    中国の投資先はすべて、中国同様の非民主主義国家ですが、だからこそ逆に何が起こるかわからないのです。

    中国自身がそうしているように、それらの国では、法の遵守が保証されないことも多々あり、例えば99年の租借権を一方的に破棄することも可能です。

    その時、その租借権を維持するためには、その国に対する強制力の存在が不可欠であり、その強制力とは軍事力そのものに他ならないのです。(中国は、平気で国際司法裁判所に提訴したりするでしょうが、ご存知のように国連決議でも無い限り、強制力はありません。)

    アメリカが世界一の超大国と呼ばれる理由もそこにあり、人口・経済力・科学技術力・渡洋作戦を行える軍事力・継続的戦争が可能な国民国家意識を持つ政治体制、すべてが揃ってこそ超大国として存在できるのです。(余談ながら、日本に不足しているのは、軍事力とそれを執行する国民の意志だけです。)

    なお、中国は発展途上国を影響下に置こうと必死ですが、自立できない国家たちの親分になったところで、その総合力はアメリカ一国に勝ることはなく、心配する必要は全くありません。(外交とは結局、力がモノを言う世界ですから。)

    以上の判断の根拠の一部は、

    News U.S.

    中国ニュース

    https://news-us.org/article-category/china

    等にありますので、ご参考ください。
    2019年05月23日 21:52
  • 日比野

    ヘイジさん、ばるさん。こんばんは。

    ハードの進歩は御指摘の通りですし、大枠ではアメリカの勝ちは見えていると思いますけれども、そこに至るまでの過程で相当な混乱があるのではないかと見ています。

    過去の歴史をみても中国はひたすら中央集権を目指しては分裂と統一を繰り返していますけれども、それが中原の範囲で収まるのか、一帯一路とからめて地球の半分を巻き込んでしまうのか。

    筆者としては中原のままで終わって欲しいのですけどね。

    今回のファーウェイ問題については、明日、おそらく明後日もエントリーする予定です。
    2019年05月23日 22:06

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