親米、従米、用米、そして国益

 
今日はこの話題です。

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訪米した菅官房長官はアメリカ高官と相次いで会談しました。

9日にはポンペオ国務長官、シャナハン国防長官代行とそれぞれ会談しました。北朝鮮による短距離ミサイル発射について、日米が緊密に連携して分析、対応することで一致。北朝鮮の完全な非核化に向け、国連安保理決議の完全な履行が必要との認識も改めて確認しました。

菅官房長官はポンペオ国務長官との会談で、前提条件をつけずに北朝鮮の金正恩委員長との日朝首脳会談の実現をめざす日本政府の方針を説明し、拉致問題の早期解決に向けて協力することも改めて確認しました。

翌10日にはペンス副大統領と会談。ペンス副大統領とも北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射や日本人拉致問題、在日米軍再編など幅広い分野で連携することで一致しました。

ペンス副大統領との会談は予定を10分オーバーして40分に及び、幅広い議論が行われました。日本政府関係者は「国家全体の戦略という観点から大所高所の議論がなされた」と語っていますし、菅官房長官も記者会見で「会談を通じて拉致問題の早期解決や米軍再編の着実な推進に向けて連携を確認することができた。大変有意義だった」と述べています。

菅官房長官は、ペンス副大統領との会談では、米中貿易摩擦について「米中両国が対話を通じ建設的に問題解決を図ることを期待する」と注文を付けるなどしていますから、御機嫌伺いに終わった訳ではなさそうですね。

アメリカ側は菅官房長官との会談にポンペオ国務長官、シャナハン国防長官代行、ペンス副大統領とトランプ政権トップ級3人を宛てました。

ポンペオ国務長官はグリーンランドに行く予定をキャンセル、更にイラン問題でドイツのメルケルさんとの会談予定もキャンセルしたとも言われています。そうした上での菅官房長官との会談であるところを見ると好待遇といっていいと思います。実際、政府関係者も「厚遇されている雰囲気はあった」と話しているようです。

まぁ、一部にはアメリカも「ポスト安倍」候補とされる菅官房長官の立ち位置を理解し、今の内に菅官房長官との関係を築いておこうとの思惑もあるのではとも言われていますけれども、そもそも思惑なしで行う会談自体が稀有なことでしょう。思惑があるのは当たり前で、問題は思惑の中身です。

なんとなれば、どこぞの2分間大統領のように、会談時間や日程、会談形式そのものでもって、「思惑」を示すことだってある訳です。

安倍総理が、北朝鮮の金正恩委員長と前提条件なしに会う、と言っていますけれども、前提条件と思惑はそれぞれ別のものです。安倍総理にしてみれば、北朝鮮との首脳会談は拉致問題等々を解決に導きたいという「思惑」ゆえですし、このタイミングでそう言いだしたのも、経済制裁を受け、中国・ロシアに冷たくされ、四面楚歌に陥りつつある今であれば、日本の提案に食いつくかもしれないという「思惑」があってのことだと思いますね。

こうした「思惑」を持っての安倍政権の近々の動きですけれども、反安倍マスコミは何をやっても批判しています。

朝日は11日の社説「安倍外交 説明なき転換の危うさ」で、方針を転換したなら「政府の考え方を内外に明示する責任がある」と批判。自分達が北朝鮮との対話せよと声をからして叫び続けてきたことも都合よく忘れています。

そしてまた、4月28日の社説「日米首脳会談『蜜月』の乏しい内実」では、首脳同士の親密ぶりを強調されても成果が出なくては意味がないとし、安倍総理を"従米"だと批判しています。

一方、読売あたりは同じく28日の社説「日米首脳会談 双方に資する貿易協定が要る」で、「日米両国は強固な関係を維持し、アジア太平洋地域の安定と繁栄を図らねばならない。首脳間で緊密な連携の重要性を確認した意義は大きい」と評価しています。

日米首脳会談という、同じニュースで、全く正反対の評価が出る。まぁ、社のスタンスが良く分かる記事ではあります。

では、首脳間の中が良いことは、いいのか、悪いのか。そして、首脳同士の関係は国益にどう影響するのか。そちらを考える方がずっと重要でしょう。

安倍総理とトランプ大統領と顔を合わせての会談は、4月末の日米首脳会談で10回目。電話会談を入れれば実に40回にも及びます。

トランプ大統領を批判するワシントン・ポストでさえも、「世界各国の指導者のなかでも安倍首相はトランプ大統領との緊密な個人的関係を築いた、きわめて珍しい人物である」と評しています。

それでも、昨年前半までは、アメリカ主要メディアも安倍・トランプ関係を批判的に報じていました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、安倍総理がトランプ大統領に追随しすぎるのではと論評し、ニューヨーク・タイムズも「安倍首相はトランプ大統領の政策にすべて賛成する」という趣旨の記事を掲載するなど、安倍総理が"従米"だと批判していました。まぁ、今の朝日と大差ない論調だった訳です。

けれども、今回の日米首脳会談では、アメリカメディアに批判的論調はみられないどころか、安倍総理とトランプ大統領の緊密さを、安倍総理の外交手腕の成果のように前向きに伝える報道が殆どだったそうです。

これは、毀誉褒貶で、予測出来ない行動に出るトランプ大統領に世界各国が振り回されている中、ずっと安定した蜜月関係を続けていることそのものが既に「成果」であると見做されてきたということです。

確かに昨日褒めていたと思ったら、今日になると悪口に変るトランプ大統領の言動に直面すれば、外交当局は対応に大わらわになることは間違いありません。今日立てていた外交方針が、明日には否定されるかもしれないとなると、"中長期を見据えた外交"など出来る訳がない。

国家100年の計も立てられず、畢竟、目先の国益を巡ってあっちに行ったりこっちに行ったりするわけで、安定成長も望めなくなる、それもトランプ流の外交術なのかもしれません。

その意味では確かにトランプ大統領に振り回されることなく安定しかつ良好な関係を続けている安倍総理はそれだけで「稀有な外交手腕」で日本の国益を守っているといえるかもしれません。

なぜ、これほど安倍総理とトランプ大統領の仲が良いのか。

これについて、ジャーナリストの古森義久氏は、「安倍首相の一貫したトランプ支持」、「個人レベルで互いに好感」、「きわめて良好な日米関係」、「危険な東アジア情勢」の4つの要因を上げ、両首脳の仲の良さには正当な理由があるとしています

そして、その上で、「日本にとっては、首脳同士の緊密さを日本の政策に前向きに活用することが十分に可能だし、積極的に活用すべきであろう」と締めくくっています。

これは言葉を変えれば、日本にとっての「用米」であり、それが十分可能だとしているのですね。筆者も同意見です。

国益という観点でみれば、親米あるいは従米が国益になるためには、「アメリカの国益≒日本の国益」の条件でのみしか成立しませんけれども、「用米」は「アメリカの国益≠日本の国益」であっても成立する可能性があります。

その意味では、親米、従米かつ「用米」も駆使できる安倍総理は日米関係において、日本の国益を最大化出来得るポテンシャルを持っていると言っていいと思いますね。
 

この記事へのコメント

  • 岡目八目

    それは途方もない楽観論に見えますし、用米とやらで何の成果が得られているのかも不明です。かつ、「用米」なんてのは、お隣の半島人の言う「用日」と同じで、現実の見えてない恥ずかしいだけの独りよがり発言にしか聞こえませんよ。
    2019年05月17日 22:16

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