北朝鮮の核ミサイル開発再開という観測気球

 
今日はこの話題です。

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3月15日、北朝鮮の崔善姫外務次官は外国メディアを招いて行った平壌での緊急記者会見で「我々は、アメリカ側のいかなる要求に屈するつもりも、そのような交渉に積極的に取り組むつもりもない」と述べ、アメリカは「ギャングのような」立場を取ったと非難しました。

崔次官は「明白なのは、今回、アメリカ側が絶好の機会を棒に振ったということだ……なぜアメリカが異なる内容を発表したのか、私には分からない。我々は全面的な制裁解除は1度も要求しなかった」とハノイ会談で北朝鮮が要求したのは、交渉が決裂した後の会見でトランプ大統領が主張したような全面的な制裁解除ではなく、民間の経済と北朝鮮国民の暮らしを妨げている5つの主要な経済制裁の解除だけだった批判しました。

更に、崔次官は、金正恩委員長がハノイでの米朝首脳会談でアメリカの態度に当惑したことを明らかにした上で「ポンペオ国務長官とホワイトハウスのボルトン国家安保補佐官の強硬な態度により敵対と不信の雰囲気になった……故国に戻る途中、委員長同志は『一体何のためにこんな汽車旅行をしなければならないのか』と語られた……アメリカの強盗のような態度が結局、今の状況を危険なものにするだろう」などと説明。

そして、「ミサイル発射と核実験の中断など、我々が過去15ヶ月にわたり行った措置に対し、アメリカが相応の措置を行わず『政治的計算』をやめないなら、妥協や交渉を続ける考えはない……金委員長は発射と核実験が中断した状態を今後も続けるか、近く決めるだろう」などと述べました。

いかにも思わせぶりな発言ですけれども、筆者には、観測気球というか、核・ミサイル開発を見直すかもしれないとブチ上げることで世界の反応を見ているような気もします。世界がすわ大変だ、経済制裁緩和すべきじゃないかとなるか、いや更なる制裁強化だ、となるか、その反応を探っているような気がするのですね。

今回の米朝会談後、暫く関連報道を控えていた北朝鮮のメディアも今月11日ごろから「完全な非核化」について言及し始めていますし、13日にはインターネットの対外宣伝メディアが「部分的制裁解除の要求は、信頼醸成と段階的解決の原則に従う最も現実的で大きな歩幅の非核化措置だ」などと、「段階的非核化」の有効性を報じています。

そうしていながら、15日に非核化を見直すかもしれない発言を外国メディアに向かって発信する。両極の発言をして、世界の反応を見ようとしている。そんな気がします。

また、それとは別に注目したいポイントは、崔次官が「アメリカの同盟である南朝鮮は仲裁者ではない」と明言したことです。北朝鮮は韓国を最早仲介役とは見做していないというのですね。

一部では、韓国の文在寅大統領が、アメリカが経済制裁を緩和してくれると調子の良いことを金正恩に吹き込んでいたという見方もあるようですけれども、崔次官がハノイ会談の後、金正恩委員長が「一体何のためにこんな汽車旅行をしなければならないのか」と漏らしたことや、「韓国は仲裁者ではない」と発言したことはそれを裏打ちしているようにも見えますね。

韓国大統領府の尹道漢国民疎通首席秘書官は「いかなる状況にあっても韓国政府は朝米交渉の再開に向け努力したい」と述べていますけれども、今後は北朝鮮も韓国を相手にせず、アメリカとの直接交渉に動くほかありません。

記者会見では、ミサイル発射と核実験の中断を見直すかもしれないなどと、強気に出ている北朝鮮ですけれども、そのくせ、崔次官は「朝米最高首脳の関係は今なお良好で、その相性は神秘的なほど素晴らしい」と、対話を続けて欲しいと本音をちらりと覗かせています。

これに対してアメリカのポンペオ国務長官は「金正恩氏はハノイでトランプ大統領に直接『核とミサイルの実験はしない』と約束した……北朝鮮との交渉を続けられることを期待したい」とコメントしています。

ポンペオ国務長官のコメントが本当であれば、北朝鮮は交渉の中断と核・ミサイル実験の再開をチラつかせることで、交渉を有利に運ぼうとしていることになります。まぁ、条件闘争ですね。

では、北朝鮮は本当に非核化路線を維持するのか。

これについて、元航空自衛隊情報幹部の鈴木衛士氏は、これまで北朝鮮の代表としてアメリカと事前交渉に当たってきた金英哲副委員長の処遇に注目すべきだと述べています。

金英哲副委員長は、少佐時代から南北軍事停戦委員会の連絡将校を務めるなど軍政畑を歩いてきた生粋のエリート軍人です。

過去、数々の軍功を上げたことから、人民軍はもとより北朝鮮内において英雄と讃えられ、党中央委員会副委員長にまで上りつめた金正恩政権の高級将校の中で、唯一生き残ってきた側近中の側近です。

1968年に、アメリカ軍の情報船を北朝鮮が拿捕する、いわゆる「プエブロ号事件」が起こったのですけれども、この時、若き金英哲氏は朝鮮人民軍の軍事停戦委員会の連絡将校を担当していました。

この事件でアメリカは、北朝鮮に謝罪文を書かされ、アメリカ軍の拉致被害者を解放してもらうという屈辱を味わっています。北朝鮮はこの一件を、「アメリカへの勝利」と大宣伝。金英哲氏はその殊勲者の一人に数えられているのですね。

鈴木衛士氏は、金英哲副委員長が非核交渉の代表に選ばれたのも、彼が朝鮮人民軍、即ち強硬派の代表そのものであることから、金正恩が「非核化」という柔軟路線を採るにあたり、「軍などの強硬派もこれに追随している」という姿勢を内外に示す必要があったのだろうと指摘しています。

今の所、金英哲氏が更迭されたなどの報道は見かけませんから、鈴木衛士氏の指摘が本当であれば、北朝鮮は未だ対話路線を維持していることになります。無論、それは日米も認識しているものと思われます。

今後は、半島有事の可能性も念頭におきつつ、北朝鮮の出方に注意したいと思いますね。
 

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この記事へのコメント

  • イオンのバベル

    北朝鮮は相変わらずですね。
    日本国内の工作員たちはどう動くのでしょうか。
    2019年03月18日 08:10

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