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zoom RSS 日本にすり寄るメルケル

<<   作成日時 : 2019/02/06 10:00   >>

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今日はこの話題です。

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2月4日、ドイツのメルケル首相が来日。安倍総理と首脳会談を行いました。

会談については、外務省のサイトで公開されていますけれども、両首脳は、自由で開かれた経済システムの維持・強化のために日独で連携していくことを確認。また、イギリスのEU離脱についても意見交換を行い、安全保障・防衛分野と経済分野での協力を確認しました。

メルケル首相の日本訪問は、2005年に首相に就任してから5度目で3年ぶりと報じられていますけれども、その5回のうち2回は日本で行われた2008年の洞爺湖サミット、2016年の伊勢志摩サミットに出席のための来日で、単独での来日という訳ではありません。

単独で日本に用事があって来日した直近となると2015年の来日まで遡ります。この時は、停戦合意後も散発的な戦闘が続くウクライナ情勢や国連安全保障理事会常任理事国入り問題などで連携を確認しています。

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏はあるラジオ番組で「どちらかというと中国の方に熱心で、あまり日本に来ないので有名だった人です」と述べていますけれども、特別な用事がない限り日本には来ない印象があります。

2015年の単独来日についても、フリージャーナリストの佐藤伸行氏は、表向きの理由とは別に「メルケルとしては、ドイツが日本を軽視しているとの見方がこれ以上拡散するのを防ぐ思惑があったのは間違いない。近年我が国では、ドイツのアジア政策は極端な中国偏重であり、中国との緊密な関係、頻繁な首脳の往来に比べ、対日関係は等閑視されているとの指摘が高まっていた。こうした日本側の白けた視線に対し、ドイツ当局もそろそろ本格的に手を打つ必要があると判断していた」と評し、「中国市場はドイツの生命線であり、1990年代から積み上げてきた中国最重視路線が修正される可能性はまずありえない。ドイツは日本の対独不信感を和らげる必要を覚え、微調整に乗り出した局面にあると考えるべきだ」と主張しています。

では、今回の来日目的は何なのか。

その理由として、アメリカのトランプ大統領と、これまで翻意懇意にしてきた中国への牽制の意味合いがあるとの指摘があります。

トランプ政権は、中国だけでなくEUにも鉄鋼などの関税引き上げを突きつけ、交渉の材料としています。それにEUとして対抗しようにも、イギリスのEU離脱に伴う混乱やフランスのマクロン大統領が国内問題に腐心し、求心力が落ちていることなど力不足の感は拭えません。

そこで、トランプ大統領と良好な関係を保ち、対等に意見交換できる安倍総理の存在がクローズアップされてきたというわけです。

メルケル首相は会談で「日本はドイツと共にルールに基づく秩序を重んじる代表的な国だ」と持ち上げて見せました。

安倍総理とメルケル首相は、経済連携協定(EPA)の発効を踏まえ、経済面の関係強化で一致していますけれども、トランプ流の保護貿易に異を唱えるメルケル首相としては、日本を仲間に引き入れたいのでしょうね。

日欧EPAは世界の国内総生産(GDP)の3割近く、貿易額の4割近くを占める自由貿易圏となる見込みですから、これをもってトランプ大統領に保護貿易はダメだというメッセージを送ると共に、経済的利益を確保しようとする狙いがあるものと思われます。

また、同時にこの日欧EPAは、ドイツ経済にとっても保険としての意味合いがあると見ます。

それは勿論、中国がコケたときの保険です。

ドイツは、これまで巨大市場を抱える中国との関係を強化することに力を注いできました。

ドイツ政府は、中国と首脳や閣僚などが一堂に会する「政府間対話」をほぼ毎年行い、メルケル首相の中国訪問は2005年の首相就任以来、11回に及びます。

貿易面での中国依存は凄まじく、既にに3年前から最大の貿易相手国は、アメリカに代わって中国になっています。

2017年の独中間の貿易額は1870億ユーロで、うちドイツから中国への輸出額は860億ユーロ。輸入額は1010億ユーロに達します。そして、ドイツから中国への2016年時点の直接投資残高は760億ユーロで、約5200のドイツ企業が中国で100万人以上の従業員を雇用しているといわれています。

また、大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンは、世界全体の販売台数の約4割を中国市場が占めています。まさにべったりというかズブズブの関係です。

ところが、中国は御存じのとおり、中国に進出したドイツ企業などに技術移転を強要しています。また中国当局によるスパイ活動の懸念があります。

去年の12月、ドイツ政府はEU域外の企業が、情報通信や電力などインフラや防衛関連のドイツ企業に投資する場合、投資を認めるかどうかの審査を強化しました。いうまでもなく、中国企業による買収を念頭に置いた対策です。

更に、ドイツ最大の経済団体「ドイツ産業連盟(BDI)」は、産業・企業に政府介入して市場をゆがめているとされる中国に対抗するため、EUやドイツ政府に54項目の要求項目からなる提言書をまとめています。

それによると、EU単一市場の経済政策の枠組み強化を要求し、非市場経済国の企業であっても、EUで事業を行う場合は、単一市場の枠組みの順守を求めていくことと、その点をEU域外にも積極的に示していくことを求めています。

また、中国国営企業による欧州のテクノロジー企業の買収を管理し、必要に応じて阻止するための新たな管理制度の導入を支持。

同時に、ドイツとEUは研究、開発、教育、インフラストラクチャー、将来の技術にさらに多くの投資を行うべきであり、EUは技術革新や自由貿易の促進などに焦点を当てた野心的な産業政策を導入していくべきだとしています。

一方、中国に対しては「中国自身の利益のために、国内市場をさらに開放し、長期にわたって約束された経済改革を精力的に実行すべきだ」と述べ、中国による国家主導の経済体制がますます大きな課題だと指摘しています。

日本からみれば、何を今更というところですけれども、今になってようやくドイツも中国のヤバさを認識したようです。

メルケル首相の側近で、知日派のフォルカー・カウダー連邦議会議員はNHKのインタビューで、「日本とドイツの協力は密接だが、EPAは両国の関係をさらに推進させる力になるだろう……日本との関係は貿易や経済にとどまらない。アジアで、日本ほど法の支配や民主主義が実践されている国はない」と、法の支配に態々言及する辺り、相当中国に参っている感じを受けますね。

今や米中貿易冷戦で、中国経済が急速に冷え込んでいることを考えると、中国経済の大クラッシュも視野にいれておかなければなりません。

メルケル首相の来日も、それらに備えた準備として日本に接近してきている。そうみるのが妥当でしょうね。

自分達が危なくなってきたから、すり寄ってきた、と一部ネットではあまり歓迎されていないようですけれども、対中包囲、対韓、対北を考えると、「遠交近攻」に従い、遠きの味方は増やしておくのが得策です。

作家の川口マーン惠美氏は、ドイツのメディアは日本に無知で悪意に満ちあふれる一方で、中国に対する報道はきわめて好意的だと述べています。筆者にはドイツがそこまで中国に肩入れしているのがちょっと理解できないのですけれども、もしそれが単なる経済的利益のためにそうなっているのなら、金の切れ目は縁の切れ目で、中国が経済的に後退すれば、手のひらを返してくることだって考えられます。

というのも、今回の日独首脳会談について複数のドイツメディアは「日本から助けが来た」などと好意的論評を載せているのですね。

ドイツが中国を警戒し、日本にすり寄ってきている今、日本はそのチャンス活かし、中国のプロパガンダを破るための仕込みをしていくのもよいのではないかと思いますね。
 

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
「これまで翻意にしてきた中国への牽制」

翻意【ほんい】 いったんした決意を変えること。「―をうながす」
懇意【こんい】 親しく交際して、仲のよい間柄であること。「―にする」
ばる
2019/02/06 01:43
最近、やっといろいろな事実が表に出てきまして、まだ、検証はしていないのですが、どうもドイツは戦前から中国に好意を感じているらしく、78年前のあの戦争も親中国の当時のドイツやアメリカの策略であるという説が浮上しています。

日本人は、鎖国をする気がないのなら、そういう大陸世界の常識を理解するよう努力すべきですね。
ヘイジ
2019/02/06 09:08
ばるさん、こんばんは。
ご指摘の件、修正しました。
ありがとうございました。
日比野
2019/02/06 19:52

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