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<<   作成日時 : 2018/07/01 10:00   >>

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今日は感想エントリーです。

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サッカーワールドカップ・ロシア大会。日本代表はポーランドに0−1で敗れながらも、日本がフェアプレーポイントでセネガルを上回り決勝トーナメント進出を決めました。

けれども、後半リードを許しながらも、同じグループリーグを戦うセネガルがコロンビアに一点ビハインドとなった後、日本が急にペースを落し、このまま試合を閉じようとする消極的な試合運びについて賛否両論が起こっています。

両者の論調は一言でいえば「内容が無様だ。許せない」と「結果に拘って結果を出した。OK」だというもので、この手のプロスポーツでは昔から論議を読んでいる、結果か内容かという命題ですね。

当事者の選手や監督は忸怩たるものを覚えているのか、ファンに対する謝罪コメントが相次ぎました。

ただ、本田選手は「ホッとした……僕らがベンチから『攻めろ攻めろ』と叫ぶのも、おかしな話。勝って1位通過から負けて2位通過まで想定していた中で、合格の範囲内。リスクを取りにいった西野さんの采配は結果的に素晴らしかった。もし僕が監督だったら、この采配はできなかったなと……サッカーはエンターテインメント。結果主義じゃダメなんです。でも、結果を出さないと誰も俺の発言を聞いてくれないから。本当は、いいサッカーしてナンボ。でも勝たないと次がない。ブーイングしたファンには申し訳ないけど、また面白いサッカーで喜ばせる機会を失ってしまうので」と、西野監督の采配を肯定しつつも、結果主義は駄目だとコメントしています。

けれども、そんな本田選手でも「結果を出さないと誰も俺の発言を聞いてくれないから」と結果を出すことの重みについても触れています。

また、西野監督は、29日の練習前ミーティングで、「こういう場所に来たにもかかわらず、素直に喜べない状況をつくってしまったのは申し訳なかった」と謝罪しています。

けれども、あの時、セネガルが同点に追いついて、日本が負けていればそのままグループリーグ敗退になっていた訳ですから、相当にリスキーな選択であったのも事実です。

その意味では西野監督は大博打を打って、見事勝ったとも言えます。

終了間際に見せた日本のボール回しについて、批判の声は当然理解できます。朝日新聞などは「日本は世界のサッカーを敵に回してしまったのかもしれません」などと批判していますけれども、スポーツ報知の緊急アンケートでは6割以上が納得と回答し、その他のアンケートでも半数くらいが支持を示しています。

更に、サッカー関係者も西野監督の判断を支持する声が多いようです。

元日本代表監督を務めたイビチャ・オシム氏は次の様に述べています。
試合終了間際の消極的なプレーについては、とても難しい判断だった。リスクのかけ方によっては、すべてを無駄にする危険がある。選手に少し下がるように指示するのは、決して間違った判断ではない。

 日本の目標はグループリーグ突破だ。そこには何の贈り物もなく、自分たちで決めるしかない。西野監督は自分がよく知る選手たちが目的を達成するために、何が一番適切であるかを判断した。

 私は彼の判断を支持する。そのことについてはあまり騒ぐべきではないし、日本代表にあまり多くを求めてもいけないと思っている。なぜならば、求めすぎるとすべてを失う危険があるからだ。失って後悔しても遅い。

 私は日本がこれまでサッカーのために、どれだけのものを注ぎ込んできたかを分かっているつもりだ。やるべきことをやり遂げながら日本はここまで進んできた。だからこそ、これからもノーマルなサッカーを続けてほしい。

 それでも日本は満足すべきだろう。何はともあれグループリーグ突破という目標を達成したのだから。ひとつひとつ段階を踏まえながら、世界の強豪たちと肩を並べるレベルに到達した。アグレッシブで、それなりにスピード感のある自分たちのスタイルを世界に誇示しながら。
オシム氏は西野監督の判断を「余り騒ぐべきではない」とし、「求めすぎるとすべてを失う危険がある」と警告しています。良いサッカーをして勝つのは理想ですけれども、そればかり求めると全てを失うというのは重要な指摘のようにも思えます。

また、サッカー大国と言われる他国のマスコミを見ても、日本が取った戦略に理解を示しています。

イタリアの『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙のニーノ・ミノリーティ記者は、「過去にはコイントスで勝敗が決まったこともあった。それと比較すれば、より公平であると考える。なぜなら世界レベルにおいても、国内のあらゆるカテゴリーにおいても、フェアプレーが叫ばれている。だからこそ時にはフェアプレー、つまりピッチ上でのクリーンなプレーに対する明白な報酬があっても良いだろう。よりクリーンだったチームが勝ち残るというね」と日本の戦い方に理解を示し「今回のことは、最終的に皆の頭の中の記憶に残る。すると無駄なイエローカードを避けるようになるだろう。例えば抗議であったり、避けられるような場合、選手はファウルをする前に二度、考え直すようになるだろう」と指摘しています。

また、同じくイタリアの『トゥット・スポルト』紙も次のように論評しています。
・Hグループの勝ち抜きを決定する3戦目で日本代表チームは幾つかの選択肢の中から現実的な選択をした
・昨日の日本代表は乾や香川といった主な選手をベンチに座らせ、それまで機会のなかった選手が多く顔を揃えた
・低調な出来のポーランド代表は昨日も冴えず、日本チームの狙いはある程度成功していたが前半にリードできなかったことは一つの計算違いであった
・後半にセットプレイで失点した日本チームに残されていた選択肢は同点を狙うことだったが、その過程でコロンビアが先制した事によりウノゼロならば良しという選択肢も生まれた
・後半の25分過ぎから日本チームの運動量は急激に低下し同点を狙うという選択肢を西野監督は諦めた。あの状態で前がかりになればゴールと勝利に飢えたポーランドのエースに絶望を突きつけられる可能性もあった
・どのような連絡が入ったかはわからないが昨日はセネガルもまた低調だったことを考えると警告の差でノックアウト方式へと進むことは理解に値する
・GLの最終節においてこのような複雑な状況は割と良く発生することであり、その中で帰国せずに済んだことは日本チームが冷静に現状の把握をしたと言える
・この見慣れない光景に日本のファンは戸惑ったようだ。しかしそれは愚直に試合を進めてきた代表チームしか知らない故であり、我らのアズーリならばその狙いをもう少し気付かれにくいように狡猾に試合を閉じたと思われる
日本のファンの批判の声を「愚直に試合を進めてきた代表チームしか知らない故だ」と斬って捨てるあたり、サッカー文化が根付いている国からすれば、あの時間稼ぎは当たり前に映るようです。

それに、ミノリーティ記者が指摘するように、よりクリーンだったチームが勝ち残るという記憶は、今後の大会でファウルや警告を減らしていく効果を生むだろうという指摘は見落としてはならないと思います。

確かに、ファウルや危険なプレーを連発し、「相手を破壊して」勝ち残るよりも、警告が少なかったから勝ち上がる方がずっとよいのはいうまでもありません。

筆者も勿論いい試合を見たかったという気持ちはありますけれども、まずは結果に拘って結果を出して見せた西野監督の手腕は評価したいと思います。
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
戦前〜十数年前ならマスコミ主導の批判一色で一億総火の玉!カミカゼ特攻!!で砕けなければ悪!!!
となってたでしょうねぇ。
マスコミ主導の世論()とやらいうレミングスモードが支持されない世界にようなくなれたという意味で
今回の冷静な支持判断が増えたのは大きいです。

これ、第一期安倍政権末期〜第二次安倍政権下で色々マスコミに我慢しいられた経験が
花開いたんじゃないかなと思わなくも無いです。
ス内パー
2018/07/01 08:12
場外乱闘するつもりは無いことは明らかにしておくが、
こんなところで軽々に特攻隊の話を持ち出すものではない。

閑話休題
時間稼ぎは欧州サッカーから学んだものであり、古くから見ている人にとっては、好き嫌いは別として当たり前のこと。サッカー先進国が文句言うわけがない。
それを知っている人たちは、日本がそれを行う立場になったことに感慨深いのではないかと思う。

問題は、西野監督が謝罪してしまい、
監督が決断したことであり、選手には責任がないことを堂々と宣言できなかったこと。
悪者に徹することができないナイーブさが今後の勝負に影響しないだろうか。
(分かる人は分かるのだから)

ぶっちゃけベルギーに惨敗した場合にどんな非難が起こるか。
でも、六人も温存したこと、六人も状態を確認できたことは、
監督として最大限の仕事をしたと思う。負けても最善の手は打った上での話。

さて、ベルギー戦は何人温存するのでしょうか。ベスト8のことをどう考えているかが楽しみです。
ちなみに、わたくしは本気印のファンではありません。ぺこり。
新宿区民
2018/07/01 21:36

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