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<<   作成日時 : 2018/01/05 10:00   >>

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今日は筆者の体調不良の為、過去エントリーの再掲です。申し訳ないです。

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1.軽空母「22DDH」

平成26年度に退役予定のヘリコプター搭載護衛艦「しらね」を代替となる護衛艦、22DDHの建造が来年度から開始される。(就役は2014年度)


22DDHは、全長248m、基準排水量19500トン(満載排水量は非公開)の空母型多目的艦。現在就役している16DDH護衛艦「ひゅうが」、18DDH「いせ」は全長197m、基準排水量13500トンだから、二回りほど大きい。

これは、旧帝国海軍空母「加賀」の全長254mに匹敵する大きさで、現代であれば、イタリアの新型多目的空母「カヴール」の全長244m、満載排水量27100t、スペインの新型多目的空母「ファン・カルロス一世」の全長230.82m、満載排水量24660tと同クラス。

22DDHは、一応、ヘリコプター護衛艦に区分されているけれど、その機能・運用を見る限り、多目的空母と言っていいい。

因みにDDHとは、ヘリコプター護衛艦を意味する(HelicopterDestroyer)の略で、ヘリを搭載しない(唯の)汎用護衛艦だとDD、ミサイル護衛艦だとDDG(GuidedMissileDestroyer)になる。Dが二つあるのは、艦種記号が略して一文字で終わる場合は同文字を重ねるアメリカ海軍方式と同じで、例えば爆撃機(B-なんちゃら)の"B"と、戦艦(Battleship)の"B"を混同しないように配慮されているから。

多目的空母は、最近、各国の海軍で建造されている"流行り"のタイプの艦で、軽空母としての基本能力に加え、輸送艦・揚陸艦・補給艦としての能力を兼ね備えている。

22DDHは、従来の護衛艦と比較しても輸送機能、補給機能、医療機能が高まっている。

たとえば、「ひゅうが」型では、船体の横から車両などが乗り入れるためのサイド・ランプ(舷側歩板[げんそくほばん])は、入口の大きさの制限からジープ程度の小型車両くらいしか入れないものだったのだけれど、22DDHには、右舷中央部に輸送艦「おおすみ」型が装備しているものと同等のサイド・ランプが装備され、これによって、陸自の73式大型トラックを約50両が搭載可能な他、空自のパトリオット部隊も輸送可能だといわれている。

また、国際援助や邦人救出の際の人員輸送も考慮され、およそ400名程度の人員が収容可能な居住設備や食堂などを備えているのに加え、自衛艦として最も高度な医療能力を持っていることで知られている「ましゅう」型補給艦と同じく、手術室、集中治療室、レントゲン室、歯科治療室と約35床の医療用ベッドを備えている。

そして、格納庫に陸自の野外手術システムを持つ車両を搭載すれば、更に医療機能を充実させることができることから、大規模災害時の病院船としての活用も想定される。22DDHが東日本大震災時に就役していれば、かなりの力になったものと思われる。

その一方で22DDHの兵装は簡略化されていて、最低限の自衛火器しか装備されておらず、ミサイルや対潜ロケット(アスロック:AntiSubmarineROCket)を垂直発射するシステム(VLS)や、魚雷発射管は搭載されていない。

これは、対潜その他の洋上戦闘には、「ひゅうが」型の全長197mくらいの大きさが限界だとされているためで、22DDHは、艦隊旗艦及び航空運用中枢艦としての運用を想定している。

そのため、22DDHは単艦で運用することはなく、イージス艦のような護衛を伴った艦隊として運用されることになる。したがって、艦体自体は大型化したものの、建造費は「ひゅうが」の1057億円、「いせ」の975億円に対して、1139億円と大体同程度に抑えられている。

さて、22DDHのヘリ空母としての機能については、発着艦スポットが「ひゅうが」型の4ヶ所から5ケ所に増え、後部エレベーターも「ひゅうが」型のインボード式からデッキサイド式に変更されている。

この後部エレベーターがデッキサイドに移動することで、エレベーター用として格納庫のスペースが割かれることがなくなり、結果、格納庫スペースが増加し、更に、エレベーターサイズより多少大きい機体でも昇降が可能になる。

実際22DDHは、艦体の拡大と後部エレベーターのデッキサイド式への変更によって、搭載機も「ひゅうが」型の10機程度から最大14機に増加している。

22DDHに関しては、中国も気にしているようで、「駆逐艦と称して完全な軽空母を建造している」だとか「艦載機としてF-35Bが配備される」とか言っているようだ。

だけど、艦載機型であるF-35Bは開発が遅れている上に、そもそも空自のFXが決まっていない状況で、そんなことを言われても、何とも答えようがない。

一説には22DDHは将来的に艦載機も運用できるように設計されているという話もあるようなのだけれど、仮にそうだったとしても、軽空母クラスの大きさでは、スキージャンプ台やカタパルトが必要になるし、F-35BのようなSVTOLにしても、甲板をSVTOLの排気熱に対する耐熱強化等、相当な大規模改修が必要になる。
※尤も、「ひゅうが」の飛行甲板には、既にアメリカの空母や強襲揚陸艦と同じ耐熱の滑り止め剤MS-440Gが施されていて、排気熱の問題はないという噂がある。

だから、今のところは、22DDHは多目的ヘリ空母としての運用を想定しているものと思われる。それでも、中国が22DDHを気にしているのが本当であれば、日本が空母のような「護衛艦」を持つだけでも、政治的には意味あることだし、その運用および能力を考えると、今の日本には必要なものであることはいうまでもないだろう。


2.護衛艦「いずも」進水す

2013年8月6日、海上自衛隊の新型ヘリコプター搭載護衛艦22DDHの進水式が横浜市内で開かれた。

命名は、事前の噂どおり「いずも」。全長248メートル、基準排水量約1万9500トンで過去最大の護衛艦。22DDHについては、もう2年近くも前のエントリーの「軽空母『22DDH』」で取り上げたこともあり、諸元その他について改めて言及しないけれど、凄いと思うのは、その建造期間の短さ。

起工が2012年1月27日で、進水式が2013年8月6日。僅か1年半かそこらで進水にまで漕ぎ着けている。前級の「ひゅうが」が2006年5月11日に起工、2007年8月23日進水だから、まぁ、殆ど同じといえば同じなのだけれど、排水量等「ひゅうが」より2回りほど大きくなっても、建造期間が変わらないのは大したものだと思う。

他国の同規模の軽空母と比べてみても、勿論、その構造や運用が異なるとはいえ、フランスのカブールが2001年7月17日の起工で、進水が2004年7月20日でほぼ丸3年。スペインのフアン・カルロス1世が2005年起工の2008年3月10日進水とこちらも3年近くかかっていることを考えると、やはり日本の建造は早いほうではないかと思うし、このクラスの"護衛艦"であれば1年半で造れるとなれば、それだけでも他国への牽制になるだろう。

「いずも」の命名については、実は、海自内での命名案の中には「ながと」も有力候補として上がっていたようだ。

海自艦艇の命名については、部隊のアンケート結果や語感などを踏まえて選んだ案を防衛相が許可する形で命名するそうなのだけれど、大臣に提出する前の段階で「ながと」が有力な数候補の中に残っていた。だけど、関係者によると、中国などを無用に刺激するのは避けたいとの判断も働き、最終的に見送りとなったという。

ということで、最終的には「いずも」にはなったけれど、海自から「ながと」が挙がったということであれば、それなりの艦だと認識されているということでもある。

この「いずも」の進水について、中韓が早速反応しているけれど、特に中国の反応が喧しい。8月7日には、1面で「準空母」と写真入りで大きく報じている。

中国各紙は「いずも」について、オスプレイの搭載能力があり、F35も「改造すれば搭載可能」などと図解入りで解説。艦名についても「対中侵略戦争に使われた艦船と同じ名前」とし、「原爆の日にあわせて準空母を進水させた。政治的な意味がないわけがない」と述べ「事実上の空母」だと警戒感を露わにしている。

実戦配備前のたった一隻の護衛艦が進水しただけで、この警戒っぷり。このように「空母」が持つ軍事プレゼンスは大きいと言わざるを得ない。

中国の「環球時報」は社説で「中国は空母を発展させることで対抗していくしかない」と指摘したようなのだけれど、中国初の空母「遼寧」は旧ソ連のヴァリャーグをウクライナから買い入れた後、改造したもの。

「遼寧」については、その主任設計士である、中船重工集団公司の王治国氏は中国青年法のインタビューで、「不完全な統計ながら、遼寧艦には航空機に関する、1万件を超えるさまざまな問題が存在する」と述べ、改造についても「遼寧艦のプロジェクトに従事した全部門が直面した最大の課題は、少ない時間と大量の作業だ。彼らは15ヶ月で、30ヶ月の作業を完了した。プロジェクトが始まってから、同部門の同僚のうち約15人が作業により犠牲になった」と答えている。

15人も犠牲になるなんて、一体、どんな作業をやったのかと思うけれど、少なくとも突貫工事であったことには間違いないし、一万件もの問題を抽出したのはよいとしても、そのフィードバックや対策を考えると、まだまだ先は長いように思われる。

中国がヴァリャーグを改造するのに要した、突貫15ヶ月で、日本は「ひゅうが」を新造し、ほぼ同じ期間で「いずも」を新造できる能力があることを内外に知らしめた。建造技術の蓄積という観点からは、他国から軽空母を買って改造して云々よりは、最初から自前で建造できるほうがずっといい。

今後の「いずも」の活躍に期待している。
 

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