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zoom RSS 紛争長引くフィリピン・ミンダナオ島

<<   作成日時 : 2017/06/21 10:00   >>

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5月23日、フィリピンのドゥテルテ大統領はイスラム武装勢力との戦闘が起きたミンダナオ全島に戒厳令を布告しました。

この日、イスラム過激派で、ISに忠誠を誓う「アブ・サヤフ」幹部のイスニロン・ハピロンが、ミンダナオ島の中でもイスラム教徒が多く居住するバンサモロ地域の南ラナオ州都マラウィに潜伏しているとの情報を得て、政府軍が身柄確保に向かったのですけれども、彼を匿っていたイスラム過激派「マウテ・グループ」と政府軍の銃撃戦が発生しました。

30日の政府発表によると死者は一般市民19人、政府軍・警察20人、マウテ戦闘員65人の計104人に上り、6月上旬には死者170人に達していると見られています。

この事態に、ロシアを訪問中だったドゥテルテ大統領は、急遽帰国。ミンダナオ全島に戒厳令を布告し、負傷した兵士、犠牲になった民間人の遺族を見舞い、政府軍兵士に向け「すでにフィリピンにISがいるのは明白だ。テロリストどもよ、今ならまだ話し合うが、応じないなら全面戦争で叩き潰す」と宣言しました。

「マウテ・グループ」とは、マラウィ生まれのマウテ兄弟が創始した団体で、二人は中東で働いていた際にイスラム神学を学び、タリバン流の司法制度を強制することで知られているそうです。

テロ組織を監視するアメリカの団体「SITE インテリジェンス・グループ」によると、ISが6月12日に通信社「Amaq」を通じ、戦闘員らがマラウィでキリスト教徒6人を銃で殺害する様子が映した動画を公開したそうです。

人口約20万人のマラウィ市の住民の大多数は既に逃げているのですけれども、「マウテ・グループ」は市庁舎や刑務所、大学、病院などを占拠して、民間人数百人を人質にして、抵抗を続けています。逃げようとする人質は、射殺されているようで深刻な事態となっています。

それでも、ミンダナオ島全体でみれば、「マウテ・グループ」はマウテ兄弟を中心とする100人程度の地方集団に過ぎません。これ以外にも治安を脅かしている存在があります。「アブ・サヤフ」や「バンサモロ・イスラム自由戦士」がそれに当たります。

「アブ・サヤフ」はイスラム教徒の政治組織、モロ民族解放戦線(Moro National Liberation Front; MNLF)から、1990年代に分派した組織で、永らくミンダナオ島でフィリピン警察や軍相手にゲリラ戦を行っていたのですけれども、1998年に指導者のジャンジャラーニがフィリピン警察との銃撃戦で殺害されると、二つに分裂し、イスラム社会の独立運動より強盗や身代金目的の誘拐を繰り返す犯罪集団となりました。絶頂期には4000人いた構成員も2000年頃には100人以下にまで減ったようです。

この「アブ・サヤフ」を去った者達の多くを吸収したのが、モロ民族解放戦線から分派独立した、旧反政府武装組組織のモロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front)です。

モロ・イスラム解放戦線は2012年10月、フィリピン政府との間でミンダナオ和平に関する「枠組み合意」を行い、2016年に新たなバンサモロ自治政府を創設する事で一致。2014年3月27日にフィリピン政府と包括和平協定に調印しています。

このモロ・イスラム解放戦線を脱退した集団が「バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)」です。「バンサモロ・イスラム自由戦士」は、ミンダナオ島において国軍に対する襲撃を頻発させ、「アブ・サヤフ」との連携も見られます。更に2014年8月にはISへの忠誠を誓うビデオをインターネット上に掲載しています。

現在、フィリピン政府は過激派掃討の為、空爆を実施しているのですけれども、西ミンダナオ地域の軍司令部を統括するカルリト・ガルベズ少将は、記者団に対して「500ポンド爆弾でさえ破壊できない地下トンネルと地下壕が存在している」と述べ何年も前に建設された広大な地下施設網に推計40人から200人の戦闘員らが潜伏しているとの見方を示しています。

更に武装勢力は包囲に対応できる態勢を整えているとみられ、空爆対象から外れたモスクや宗教学校に、マラウイ市占拠の何日も前から物資を蓄えていたとされています。

7月には、ミンダナオ和平プロセスの一環としてバンサモロ自治政府樹立の前提となる法案審議がフィリピン議会で行われる予定となっていますけれども、この状況が続けば、どう事態が転ぶか分かりません。心配ですね。


 

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
フィリピン諸島のイスラム系部族の反米闘争は米西戦争後のアメリカ統治下ですでに始まってます。
筋金入りですね。
sdi
2017/06/21 21:04

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