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zoom RSS 制作こぼれ話「ロシアンルーレットで異世界へ行ったら最強の魔法使いになってしまった件:第一部」

<<   作成日時 : 2016/09/12 10:00   >>

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画像「ロシアンルーレットで異世界へ行ったら最強の魔法使いになってしまった件」完結!

1.はじめに

「小説家になろう」で連載していました、日比野庵ラノベプロジェクト第二弾「ロシアンルーレットで異世界へ行ったら最強の魔法使いになってしまった件:第一部」ですが、目出度く9月7日に完結しました。

 お読みいただけた方にこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。m(__)m

 本作を連載するにあたり筆者は二つの目標を挙げました。

 一つは「底辺脱出」、もう一つは「日間ランキングに乗る」です。これについては8月13日のエントリー「尖閣情報戦に勝利せよ(ラノベ第二作目の連載開始しました)」で述べていましたので、割愛させていただきますけれども、御蔭様を持ちまして今回二つとも達成することが出来ました。本当に有難う御座います。

 連載中は、なろう底辺作家脱出基準となるブックマーク100超えすらどうかな、というところでしたが、連載最終日に連投して達成。流石に無理だと思っていた日間ランキング入りも翌日果たすことができました。激戦区の日間ランキングは直ぐランク外になりましたけれども、そうそう入れるものではありませんから、やはり嬉しいものです。

 今日は、制作こぼれ話的なものを。

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2.時空のおっさん(0-001〜0-005話)

 本作は「小説家になろう(以下なろう)」では定番の異世界ファンタジーものですけれども、その異世界に行くまでのエピソードです。「小説家になろう」では異世界転移、異世界転生ものが溢れており、各種集計も独立ジャンルとして扱われている程です。
 それらの多く、いや殆どはトラックに撥ねられて異世界に転生とか、異世界に行く前に神様に何某かのチート能力を貰って異世界に転移する、といったお決まりのパターン、所謂「テンプレ」展開なのですね。けれども、それがたった1話か2話で済まされてしまいます。

 色々調べてみると、「なろう」の読者の中には、異世界に転移するまでの話を飛ばして読む人も少なからずいるそうです。最初筆者はそんなものかな、と思っていたのですけれども、実際本作を解析ツールにかけるとやはりいました。筆者は小説で途中から読み始めるという感覚がなかったですから、ちょっとびっくりしました。あるいは、転移まではテンプレだからと飛ばして読むのかもしれませんけれども、「なろう」特有のものかもしれませんね。

 さて、本編の異世界転移についてですけれども、異世界についての都市伝説を参考にしています。ネットでの其の手(オカルト)の掲示板の中には、異世界に行って帰ってきた人の話とかあったりするんですけれども、真偽は別として、面白いと思うのは、その異世界に行った人はどの人も謎のおじさんと会って元の世界に帰してもらっているんですね。そのおじさんは何故か作業服を着ているケースが多く、ネットでは「時空のおっさん」と呼ばれています。本作に登場させた汎宇宙の管理人タガミはこの「時空のおっさん」を参考にしています。ルイージにしたのはビジュアル的に(笑)

 また、本作で異世界へ行くのにエレベーターを登場させましたけれども、これもエレベーターを使って異世界に行くという都市伝説もあったからです。なんでも特定の階を順番押して行けば行けるそうで、本作でも面白いと思ってエレベーターにしてみました。

 パラレルワールドの設定は、リサ・ランドールの膜宇宙論エヴェレットの多世界解釈を参考にそれっぽく設定しました。今のところ、この設定が今後本作で活かされるのかどうかは不明です(笑)

 本作では異世界の呼び名を付けていたりしていますけれども、実はある漫画をリスペクトしたネーミングだったりします。

 最近の若い人は余り知らないかもしれないですけれども、昔、一世を風靡した「軽井沢シンドローム」をの著者、たがみよしひさ氏の作品に「ファイター」という漫画があります。その中で主人公、女王将唯は古武術「八骸」を習って武術大会で活躍するのですけれども、そこで「八骸」の技の前につける枕詞が筆者には恰好良く感じたんですね(苦笑)。普通に○○とか××じゃなくて「奥義の一・応用の四・変化の三」とかいってその後に技の名前である「飛鳴乱」といったりしてるんです。

 筆者も本作で、主人公が転移した世界の呼び名にこれを真似しました。「枝の一、拡散の五、変化の四、『フライ・リーフ・ドラゴン』」は「ファイター」の「奥義の1・応用の5・変化の4『飛葉竜』」から取っています。無論、汎宇宙の管理人タガミは、たがみよしひさ氏からですし、助手のメノウは、「ファイター」の主人公の女王将唯(めのうしょうい)から拝借しました。因みに「八骸」と「八階」も掛けてます。(笑)

 筆者はダブルミーニングとか掛詞を仕込んだりするのが好きなので、前作でもそうでしたけれども、ちょこちょこそうやって遊んだりしてます。御容赦を。

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3.異世界語(1-006〜1-012)
 
 異世界に転移した主人公が、現地人とコミュニケーションするシーンです。当然言葉の問題が発生することが想定されるのですけれども、「なろう」での異世界転移ものでは、何故か皆日本語を話しているという設定でクリアさせています。これが異世界転生だと、幼少時から言葉を習うという設定にできますから、簡単なんですけどね。

 このパートでは筆者も御都合主義的に言葉が通じるように展開していきましたけれども、悩んだのが「異世界語」の設定です。他の作品の中には「>+*&%#&+」てな感じで記号を列挙して、理解できない異世界感を出したりしているのもあるのですけれども、筆者は多少なりともそれっぽくしたいと思って、人工言語について少し調べてみました。これが存外難しい。言語はその世界の文化と風土と密接に結びついているからです。日本語では雨に関する単語が豊富ですし、エスキモーは雪の種類を示す単語が沢山あります。
 
 最初はなんとかそれっぽいのをやっつけででも作れないかと思ったのですけれども、難易度が高くて断念。単語だけ適当につくって、既存の文法に当てはめる形に落ち着きました。単語毎に区切って並べてから、句点、読点を削って、単語を全部繋げていますけれども、ちょっとはそれっぽくなったかな、と思っています。全く知らない異世界語でも音の羅列だけは聞こえる筈ですからね。作中では適当なカタカナが並んでいるようですけれども、一応、それぞれ意味ある台詞になってます。

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主人公が歩いた丘陵地帯のイメージ



4.キャラ(2-013〜2-020)

 本作で筆者の一番のお気に入りキャラは、この2章で登場する青年商人シャロームです。当初は単純に換金するだけしかプロットを組んでいなくて、出てくる商人も卑しい下品な男として設定していました。イメージ的にはヴェニスの商人のシャイロックですね。畢竟、名前もそこから捩ってつけていました。ところが、主人公と交渉事のシーンを書き進めていくうちに、この商人がどんどんカッコ良くなっていくんですね(笑)。下品な顔のイメージが交渉シーンを書き終えたころにはイケメンになってました。なので路線変更でイケメン青年商人に設定変更。カリスマ性すら感じられたのは驚きでした。下の名前はアシモフの「銀河帝国の興亡」に出てくる豪商ホバー・マーロウから拝借。

 これは、キャラが自分で走り出したといえるのか微妙ですけれども、当初の思惑を超えたキャラになりましたね。シャロームは第二部以降にも登場させる予定です。

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5.賭場(3-021〜3-027)

 賭場が登場します。ダイスによる賭けは古くから古代ローマでも行われていたようです。ヨーロッパのダイスゲームはローマ帝国の崩壊によって一度廃れてしまいますが、12世紀後半に帰還した十字軍によって再び紹介され、盛んになりました。ヨーロッパでダイスゲームは「ハザード」と呼ばれ、18世紀までヨーロッパで王族にも農夫にも娯楽として人気がありました。
 「ハザード」の由来は、十字軍時代のアラブの地名であるとか、アラビア人がその勢力を元ローマ帝国まで拡大した時代、ダイスの番号がついた立方体を"azzahr"と呼んでいたことからついたのだ、など諸説あるようです。

 作中にダイスゲームとして「クラップス」や「カウンターズ」の名が出てきますけれども、「クラップス」は二つのダイスを使って「シューター」と呼ばれる1人が何度も続けて振り、一投目で出た目が再び出れば「シューター」の勝ち、一投目で出た目が再び出る前に7が出たら「シューター」の負けになるゲームです。また、「カウンターズ」はダイスを五つ振ってゾロ目になったものだけを得点として、合計得点が多い者が勝ちとなるゲームです。

 作中に出しているサイコロは、表と裏の合計が7にならない目の付け方をしていると書いていますけれども、これはモヘンジョダロ遺跡から出土したサイコロがそういう目の付け方になっていたことから、それに倣いました。

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モヘンジョダロから出土したサイコロ



6.胡椒とエール(4-028〜4-033)

 中世ヨーロッパではワインは水で割って飲むことが割と広く行われていました。ギリシャ、ローマの時代のワインは、素焼きの壺に入れて保存されていたのですけれども、日中に水分が蒸発して勝手に濃縮されてしまったようです。そんなことから水で割って飲む習慣が広がりました。ただその割合はワイン1に対して水が2から3くらいだそうで、結構希釈してますね。今でいうとウイスキーの水割りのような感覚でしょうか。ここまで薄いと確かにガブ飲み出来そうです。作中世界のアルコールは度数が高くないという設定にしています。

 作中ではワインに胡椒を入れていますけれども、これも中世ヨーロッパでは、様々な香草やスパイス、蜂蜜、またはこれらを調合したものを加える飲み方がポピュラーだったようです。筆者も一度試してみたのですけれども、全力でお勧めしません(爆)。彼らは一体どういう味覚をしていたのでしょうか(苦笑)

 また、作中にエールという酒が出てきますけれども、これは勿論、ビールの事です。ビールは醸造方法の違いによって、上面発酵ビール、下面発酵ビール、自然発酵ビールの3つに分類されますけれども、エールは、20℃前後の比較的高温で発酵させたビールで、発酵中に酵母が浮き上がることからこう呼ばれています。作中では低温にする技術がまだ発達していない(氷魔法は除外)ため、上面発酵か自然発酵がその殆どを占めているという設定です。

 エールにも多くの種類があるようです。筆者は飲んだことないですが、「マイルドエール」は軽い口当たりの暗褐色のエールで、アルコール度数はやや低め。「ストロングエール」はアルコール度数は約12%と高め。暗褐色で強い芳香があり、果実のように甘く苦いビールのようです。

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6.ワックス・タブレット(5-034〜5-039)

 2016年6月1日、 ロンドン考古学博物館は、ロンドン中心部の建設現場から見つかった数百枚に上る木の板について、古代ローマ時代に使用された手書き板であることを発表しました。これは2012年から2014年にかけて発掘されたもので、50棟以上のローマ時代の建物の跡が見つかったほか、15000点もの人工物が出土しています。

 ローマ時代の「帳簿」は薄いタイルのような形状で、蜜蝋を塗った板の上に、針などで文字を書くようになっていました。消すときはヘラ上のもので擦ると引っ掻いた部分がつぶれて字が消えるという仕組みです。ちょっとしたメモ代わりとして使用され、19世紀まで使われた記録が残っているそうです。

 作中では、契約書などの記録として残すものには羊皮紙を、冒険者クエストの依頼のように長期間記録に残す必要のないものや、重要でないものはワックス・タブレットをと、いう具合に使い分けをしている設定にしています。

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7.第一部総評(6-040〜7-052)

 本作は15万字弱と前作よりは少な目ですが、実際はもう少し書いています。けれども、17万字を超えて、長丁場になっていたことと、書いていて少し閉塞感が出てきたので、12万字くらいでぶった切って第一部とすることにしました。その影響でクライマックスを作らなければと少し構成を見直し、加筆して今回の形となりました。御蔭で、それなりに盛り上がりを作れたと思う反面、未回収の伏線を所々に放置する形になってしまいました。これは第二部以降で回収の予定です。

 最後に、本作について、感想および演出上のアドバイスを下さいました方にこの場を借りて篤く御礼申し上げます。

 第二部は早く始めたい気持ちもないではないですけれども、ちょっと思案しています。再開前になればまた告知させていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


 

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
小道具の由来が良く分かりました。成る程です。スパイスの入ったお酒のシーンがやけにリアルでしたが、成る程、そういう訳でしたか(笑)
キャライメージを描いた方は漫画が上手いですね。この方の漫画も読んでみたい気がします。
※本格的な異世界言語体系をこさえるには、エルフ言語体系や『指輪物語』を制作したトールキンぐらいの学術知識が無いと、流石に難しいかも知れませんね。
ミモロン
2016/09/12 05:50

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