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zoom RSS ナインダッシュ・ラインの横暴

<<   作成日時 : 2015/12/03 10:00   >>

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 今日はこの話題を極々簡単に……

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 12月1日、中国外務省の華春瑩報道官は、中国の南シナ海での領有権主張をフィリピンが国際法違反として求めた常設仲裁裁判所の仲裁手続きについて「中国は仲裁を受け入れないし、仲裁の場にも参加しない。……中国の立場は一貫している。フィリピンが一方的に行っている仲裁手続きは、合法を装った政治的な挑発だ」と非難しました。

 これは、2013年1月にフィリピンが提訴したものですけれども、その主張は国連海洋法条約に対する「ナインダッシュ・ライン(Nine-Dash. Line)」の違法性です。

「ナインダッシュ・ライン」とは和訳すると"九段線"になるのですけれども、或はこちらの呼び方の方が馴染みがあるかもしれません。

 このラインは、パラセル諸島とインドシナ半島の間の海域からボルネオ島まで南下し、そこから北上してスプラトリー諸島を取り込みながらフィリピンの西岸まで、アルファベットの「U」の字を描くようにぐるりと囲む広大な海域のことで、第一列島線の南半分の領域です。これは、南シナ海の領有権を主張するために1953年から中国が設定した線ですけれども、厳密には、その名の通り、断続する九つの線の連なりで現されます。

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 要するに、中国はこの「ナインダッシュ・ライン」の内側を自国領としているのですね。当然この中には、周辺国のフィリピンやベトナム、ブルネイ、マレーシアなどと領有権を争う島々が存在しています。フィリピンは、この「ナインダッシュ・ライン」が国連海洋法条約違反だとしています。

 国連海洋法条約とは、沿岸国の権利と海洋の自由通航の確保を両立させるために1982年に採択された条約にことで、領海および接続水域・公海・漁業および公海の生物資源の保存・大陸棚に関する条約です。

 これは、沿岸国の権利と海洋の自由通航の確保を両立させるために、沿岸200海里の経済的主権に限定して認める代わりに、沿岸200海里は自由航行できる水域として確保するという折衷案的条約なのですけれども、フィリピンはこの「ナインダッシュ・ライン」が、フィリピンより50〜80kmしか離れていないこと、東南アジア諸国の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚に切り込む形となっていることから、国連海洋法条約の「自国の基線から12海里を領海、200海里を排他的経済水域(EEZ)とする」という規定は適用されず違反していると訴えています。

 そもそもこの「ナインダッシュ・ライン」の元になるのは1947年に同じく中国が設定した「イレブンダッシュ・ライン(11段線)」でした。

この11段線は九段線に北ベトナムのトンキン湾付近の点線二つを加えたものなのですけれども、当時、支援していた北ベトナムのトンキン湾内でのレーダー建設などの活動を妨げないよう削除したという経緯があります。元々、多分に御都合主義的な線だったということです。

 これについて、2014年12月にアメリカ国務省の海洋国際環境科学局が疑義を呈する報告書を出しています。その報告書は、国際法に照らして各国による海洋での権益主張を法的、技術的にどう捉えるかを分析した研究資料という位置付けなのですけれども、中国政府に九段線の根拠を示すよう勧告していて、「陸域の領有に基づく海域の権益主張」でなければ国際法に合致しないと指摘しています。

 また、1947年の地図には記載されていた11段線が2009年の地図では九段線になって二つ減っていることや、地図によって破線の位置がずれているなど、「一貫性がない」とツッコミを入れています。

 当然、フィリピンの今回の提訴に関しても、国際仲裁裁判所がこれらについて検証し、中国に論拠を示すよう要求するものと思われます。

 そのような状況で「仲裁を受け入れないし、仲裁の場にも参加しない」ということは要するに根拠を示せないことを白状しているようなものですね。オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、来年中に最終的な判断を示すとしていますけれども、フィリピン側についている弁護士がこれまで国際裁判で多数の勝利を勝ち取っている凄腕を雇っていることも考えあわせると、中国の不利は否めないですね。というより裁判所に出てこないのですからお話しになりません。

 ただ、フィリピンが勝利したとしても、中国が素直に裁定に従うとも思えません。結局、中国はは国際ルールを無視する国なのだということを世界に示す結果になると思いますね。

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