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zoom RSS 中国政府は自由経済をねじ伏せることが出来るか

<<   作成日時 : 2015/07/09 10:00   >>

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今日は昨日の続きを極々簡単に…

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中国株の下落が止まりません。7月8日の上海と深センの取引所では約1300社の企業が売買停止し、全上場企業2808社のほぼ半分が売買できないという阿鼻叫喚の状態となっています。

もしかしたら、中国当局は売買を停止したら、それ以上、下がりようがないとでも思っていたのかもしれませんけれども、実際に起こったのは、売買できる銘柄へ売りが集中しただけでした。ですから、このやり方で本当に当局が下落をストップさせたかったのなら、全ての銘柄を一斉に売買停止にするべきでしたね。

けれども、もう後の祭りです。

特に、今のような急落局面となると、株を借りて取引をする、所謂「信用取引」が一番インパクトを受けることになります。

中国は5年前に信用取引を解禁したのですけれども、昨年夏からの株価急騰を先導する形で、信用取引額は増大していきました。昨年5月に1兆元だったのが1年で5兆元になったそうですから、たった1年で信用取引が5倍に膨らんだということです。

けれども、信用取引が株を借りての売買である以上、期日には返済する必要がありますし、また、借りている日数に応じて金利もかかります。

ですから、今回の急落局面で、売り方なら未だしも、買い方で信用を立てていた投資家が莫大な損失を出している可能性は非常に高い。もっと酷くなると、損失どころか「追証」のために即刻現金が必要なケースに陥っていることだって考えらえます。

ですから、そのような状況にまで追い込まれた投資家は、少しでも利益の残っている銘柄を売って利確し、トータルの損失を減らしたいと思う筈です。

けれども、それなのに、既に半分近くの銘柄は売買できないのです。となると、まだ売買できる残った銘柄に売りが集中するのは、もう当たり前のことですね。

東北証券のアナリストである杜長春氏は「当初は多くの投資家が優良銘柄を保有しようとしていたが、小型株の売買停止が相次いだため、リスクエクスポージャーを減らす唯一の手段は優良銘柄を売ることになった」と述べていますし、中国証券監督管理委員会のトウ舸報道は、株式市場で「非理性的な売り」が大幅に増加していると指摘したそうですけれども、まぁそういうことですね。

ですから、もし、これから更に売買停止になる銘柄が増えて、中国の株式市場が全面閉鎖に近い状態になるとすると、今度は損金の穴埋めのために、手持ちの株式以外の資産を売るしかありません。したがって、債券だとか金やプラチナだとか、そういう商品も売られて下落する可能性も出てきたと思いますね。

今回の中国当局の株式売買停止措置の黙認は、一時的に株価の下落を緩やかなものにさせることはあるかもしれませんけれども、その売買停止の期間が長引けば長引くほど、他の金融商品の売り圧力となっていくのではないかと思われます。要するに中国金融全体のバブル崩壊に繋がるかもしれないということです。

その意味では、今の株式売買停止を即座に解除して、とっとと市場に調整させてしまったほうが、結局は傷が浅く済む筈なのですけれども、中国当局は、やはり共産国家らしく、上からの権力によって、株価そのものを押しとどめようとしています。

7月8日、中国証券監督管理委員会(CSRC)は、企業が6か月以内に売却した自社株式の買い戻しをできるようしたとして、自社株買い規制の緩和を行いました。そして、企業の大株主や経営幹部、役員らを対象に持ち株の売却を6カ月禁止するという強権を発動させています。

筆者は2013年の正月にある知人と対談し、その内容の一部を「新春特別対談2013 前編/後編」としてエントリーしたことがあるのですけれども、その知人が中国について述べた部分を次に引用します。
K氏 ただ、中国は中国で今、バブルが弾けてきている。そんな中で、周辺国との関係を拗らせるのは、たとえ政治的にはプラスでも、経済的にはマイナスになる。だから、これから中国は、政治と経済のどちらを優先するのかという綱引きが始まる。習近平を見ていると、どうやら政治優先で、経済は後回しで良いという方針でいるようだけども、それはそれで、景気低迷という形で、経済から報復を受けることになるよ。もし、中国がその報復に負ければ、中国の政治体制は揺らぐ。自由主義体制へのシフト圧力になるし、中国の分裂要因にもなるだろうね。逆に、経済の報復を政治がねじ伏せてしまえば、これは拡張主義になる。経済の落ち込みを他国の資源や富を奪って穴埋めすればいいだけだからね

日比野 内部崩壊か外部への侵略かということですか。

K氏 どちらにしても最初の原因は経済なんだよ。中国はGDPの総額では日本を抜いたかもしれないけれど、一人当たりでは日本の十分の一くらいしかない。それでいて、富裕層との経済格差は物凄くある。平均年収何十万くらいなのに、富裕層は何百億もの資産を持っている。政治体制では平等を謳っているくせに、その共産党幹部が大金持ちだったりするんだから、政治と経済に矛盾があるんだ。去年も温家宝の一族の資産が2000億円あるとか、習近平一族の資産が400億円あるとかバラされたことがあったけども、中国経済が落ち込めば落ち込むほど、矛盾の部分は民衆の不満に変わる。その不満が内に向かうか、外に逸らすかという違いなんだね。

日比野 そんなので侵略されたら堪りませんよ。内部で勝手に自滅して欲しいですね。

K氏 さっきも言ったように、習近平は経済よりも政治を優先する気があるから、内部の矛盾は外に向かって逸らそうとするだろう。尖閣なり台湾なり、どこかを攻め落として占領することができれば、国内の不満を逸らすには一番いいだろうけども、そうそう簡単にできるものじゃない。だから、次善の策として、既成事実を積み重ねて、外交的な勝利をまず目指してくるだろうね。尖閣にしても、領土問題があると認めさせて、共同管理させるとこまで持って行ければ、外交的勝利になるからね。
このように知人(K氏)は、既に今から2年半前に「今後、中国は政治と経済のどちらを優先するのかという綱引きが始まる」と述べていたのですけれども、今回の中国株式の現状に対する当局の動きをみると、正に"経済からの報復"を政治の力でねじ伏せようとしているように見えるんですね。

昨今の中国の領土拡張主義が、この政治が経済をねじ伏せてきた結果だとするならば、今、中国株式市場を舞台に繰り広げられている「政治と経済の綱引き」で、経済が勝ちをおさめるようなことになれば、中国の動きに変化が出てくるのかもしれません。

ちょっと目が離せませんね。
 

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で転載されてますが、許可されたのでしょうか?
通りすがり
2015/07/10 22:59

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