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zoom RSS 中国の理財崩壊と融資デフォルトの波

<<   作成日時 : 2015/06/28 10:00   >>

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昨日残したネタを少し…

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中国の株価下落と絡んでその破滅が噂されているのが理財商品です。

理財商品とは、中国の金融機関が国内で販売する高利回りの資産運用商品です。債券や貸出債権を小口化したもので、銀行や投資会社が組成し、主に個人投資家向けに販売しているのですけれども、その規模は約13兆元とも言われています。

最近では、「お子様のお年玉を有効運用しませんか?」などと銘打って、「お年玉理財」まで広告するといいますから、相当なものです。実際、この理財商品の資金の出し手の過半数は個人と言われています。

銀行あるいはシャドーバンキングは、理財商品を販売することで得た資金を、より高い利回りが得られる株や債券などで運用するのですけれども、理財商品は元本保証がない商品で、運用リスクを負わないので、バランス・シートに掲載されません。

ただ、実際は、損失補填がなされることが多いとされ、その意味では、バランス・シートに出ることはなくとも、運用リスクは負うという銀行にとって非常に危ない状態だともいえるわけです。

これまで、理財商品の高い利回りは、その運用先である株や債券の上昇によって支えられてきたわけですけれども、その株価が下落して運用利益が出せなくなってくると、当然、理財商品の利回りも確保できなくなってくることになります。

今年満期を迎た5年前の理財商品の利回りは年2%と少ししかなく、銀行の定期預金の年利よりも低くなっているという噂もあるようですから、実態は相当怪しい。

アメリカのマッキンゼー国際研究所が今年2月に発表したレボートによると、金融業界を含む中国の債務残高が過去7年で約3倍に増大し、対GDP比で282%に達するとしています。

このうち、その債務を最も押し上げたのは、不動産開発会社など非金融企業で、中国の企業債務はGDP比で125%と世界有数の規模に達しているとしています。

レポートは、中国の主なリスク要因として次の3点を挙げ、実現性が高いシナリオとして、不動産業界の膨張と地方政府による非持続的な資金調達が同時進行し、中国に融資デフォルトの波が押し寄せるとしています。
 1.家計、非金融企業、政府の債務は、不動産と直接・間接的に関連したものが約半分を占める。

 2.地方政府による融資が急増しており、「その多くが返済不能となる可能性がある」。

 3.中国の総債務残高のおよそ3分の1を、不透明性の高いシャドーバンキングが行う多様な形態の融資が占める。
ただ、マッキンゼー国際研究所は、中国に融資デフォルトが起こった結果、従来の銀行システムに打撃が及び、シャドーバンキングに資金を投じていた投資家や企業の間で損失が広がる恐れがあるとしながらも、デフォルト率が危機的な水準に達した場合でさえ、中国政府は経済成長を犠牲にしつつ、金融部門を救済する可能性が高いとし、本格的な金融危機を避けられそうだ、と予測しています。

中国の銀行はその多くが国営ですから、国営銀行が破綻することが中国政府に対する人民の不満へと転嫁することは、共産党政府にとっては何としても避けたいと考えているものと思われます。

それを考えると国営銀行を救済するために、理財商品の満期を強制的に延長したり、中央銀行の超法規的な特別融資をする挙に出ることは十分考えられます。

中国の中央銀行である中国人民銀行は今年4月19日に市中銀行に対する預金準備率を1ポイント引き下げ18.5%とし、6月27日には、貸出基準金利(期間1年)を0.25ポイント下げて4.85%に、預金基準金利(期間1年)も同じく引き下げて2%とすると発表しています。

つまりそれだけ投資が鈍っているということなのですけれども、今の中国で政府主導の投資案件というとその主力はインフラや不動産の開発ですよね。

退化する中国 〜戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり〜 」や「中国経済のメルトダウナー」のエントリーでも取り上げましたけれども、中国の地方政府は"土地転がし"をやって自身の債務の返済に当てています。

ですから、土地や不動産或はインフラ開発が滞ると、一気にバブルが弾ける可能性が高まることになります。それこそマッキンゼーのレポートのシナリオが現実化するのですね。

まぁ、そうなったとしても、マッキンゼーの予測どおり、中央政府が強権を発動して国有銀行の救済に走ると思いますけれども、その内容が対したことがなければ、理財商品に大量投資している人民の不満を抑えることはできなくなるでしょう。

また、逆に大規模な救済に踏み込めば、中央銀行の準備金を圧迫することになります。まぁ、中央銀行ではあるので、人民元を増刷しまくって供給するという手もなくはありませんけれども、その場合、今度はドル・ペッグの問題がでてきます。

ですから、事はそう単純な問題ではありません。

その意味では、唯一希望が持てる投資案件であろう「一帯一路」構想とそのためのAIIBの成否は、やはり中国の今後の命運を左右することになると思いますね。

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何だか, 自民党の若手の懇談会での発言がすっぱ抜かれて
若手議員が処分を受けたそうな.

二つの意味で問題がある.

○非公開での発言を新聞が公表するのは表現の自由を阻害している.
 自民党が党としてこのことで戦わないとすれば自民党は表現の自由
 の意味とあり方を理解していないことになる.

○若手議員に簡単に処分が下されたと言うことは,
 自民党内部に彼らを良く思わない連中がいる, 特に上層部に,
 ということだ.

これらの問題を考えれば, 現在の自民党には「広報」と言う概念が
無いことに思い至る.

これにも二つの可能性があろう.

○55年体制にどっぷり浸かり過ぎて広報と言うことが分からなくなっている.
○55年体制(利権)を守りたい内部勢力が敢えてメディアと組んでいる.

子供の頃は政府広報紙があったように思う.
IT技術の進歩とか, SNSの普及とか理屈をつけるのだろうが
政府が正確な情報を全国民に知らせることを妨げる者達が多い.
政府広報が復活しない限り日本も米国のように混乱の中で力を
失って行かざるを得ないだろう.

広報を握るものが勝つ.

これは大東亜戦争を通して得られた貴重な経験の筈だが.
ちび・むぎ・みみ・はな
2015/06/28 13:30

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