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zoom RSS アジアインフラ投資銀行(AIIB)の裏にある中華帝国の野望

<<   作成日時 : 2015/03/22 10:00   >>

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今日はこの話題を極簡単に…

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3月20日、麻生財務相は、閣議後の記者会見で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、日本が求めている意思決定の透明性や、返済能力を考慮した貸し出し基準が担保されれば「協議ということになる可能性はある」と将来の参加に含みを残す発言をしました。

アジアインフラ投資銀行(AIIB:Asian Infrastructure Investment Bank)とは、現在ある世界銀行やアジア開発銀行などの国際金融機関では、近年急成長するアジア各国の都市化や工業化に伴うインフラ建設資金需要を賄えないとして、2013年10月に習近平国家主席がインドネシアを訪問した際に打ち出した構想です。

1年後の2014年10月には、早くも中国を始めとするアジア21ヶ国でAIIB設立準備覚書が交わされ、2015年内に、AIIB加盟意向国間で設立協定の交渉を済ませ、2015年末から運営に入る計画としています。

資本金は当初は500億ドル規模からスタートし、法定資本金は1000億ドル(約12兆円)。

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その背景には、現在、インフラ投資を行う国際金融機関であるアジア開発銀行(1966年設立)があるのですけれども、出資比率は日本:15.7%、アメリカ:15.6%、中国:6.5%で、これ以上の発言力の拡大が難しいことから 、自ら影響力を行使できる国際金融機関を設立したいとの思惑があるのではないかと言われています。

まぁ、国際機関といえば聞こえがよいですけれども、要するに、中国は国際機関の皮を被った子飼いの金融機関を持つことで、周辺国や世界に影響力を行使できるようにしたいということです。

はっきり言えば、アジアを中心に元経済圏を作って、元のハードカレンシー化を狙っているのだと思いますね。一昨年の米中首脳会談で、習近平国家主席が「太平洋を中国とアメリカで二分しよう。」という趣旨の発言をして、騒ぎになったことがありましたけれども、元がハードカレンシーになって、世界の半分が使用することになれば、金融面で世界を二分したことになります。

金融面で他国の首根っこを押さえることができれば、その国は中国の言いなり、悪く言えば属国になります。そうなると、別に戦争してその国を奪わなくても、全然構わないわけです。

現在、周辺国への拡張政策を取っている中国ですけれども、おそらく、そうしたことを狙っているはずです。

今でも人民元の国際金融取引額は増加しています。2014年9月の世界全体の国際決済に占める人民元の割合は1.7%で世界7位。2013年1月の0.6%から、ほぼ3倍増になっているんですね。

現在国際金融取引は米ドルが43%、ユーロが29%、ポンドが8.6%とこれら3通貨だけで、8割を占めています。日本円はポンドにつづいて4位ですけれども、シェアは2.7%しかありません。

ですから、人民元取引が拡大し、更に倍増すれば、シェアでいえば日本を抜くことになるのですね。人民元を日本円以上のシェアを持つ通貨にすることで、アジアに元経済圏を作る。中国が世界の半分を中華帝国にする野望を持っているとすると、当然考えることですね。

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勿論、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には日米を中心として懸念の声が出ています。先程の麻生財務相の指摘にあるとおり、日本は、意思決定の透明性や、返済能力を考慮した貸し出し基準が担保されるかどうか。そして、既存のアジア開発銀行があるのに更に、国際金融機関を作るだけの付加価値があるのか、と指摘していますし、アメリカも銀行のガバナンスや透明性は国際基準を満たす必要があると注文を付けています。

これに対して中国は、「既存の国際金融機関は貧困削減を重視しているが、アジアインフラ投資銀行は、アジアのインフラ建設と経済協力の促進に注力する」と、競合関係にはならないと回答し、また、ガバナンスについても、最初に世界で通行するルールに基づいて準備を進める。国際金融機関の管理モデルに基づいて、理事会や取締役会の形で管理する、と述べています。

けれども、競合しようがなかろうが、国際機関のモデルに合わせようが合わせまいが、肝心なのは、どの国の何に対して、どのような投資をするのか、ということです。要するに形より中身が大事だ、ということですね。

昨年香港で"雨傘革命"がありましたけれども、「香港と自由を守る闘い」のエントリーで述べたように、香港基本法では、普通選挙の実施を謳っているにも関わらず、その解釈権は全国人民代表大会が持っていて、中国共産党政府が、自分達に都合の良いように、いくらでも勝手に解釈できるようになっています。

また、融資についても、中国はアフリカ諸国を始めとして資源外交などで、低利融資や支援をしていますから、アジアインフラ投資銀行(AIIB)でも同じように、自分に都合のよいように低利融資しまくることだって考えられるわけです。ですから、中国の目的が人民元のシェア拡大とハードカレンシー化にあるのだとすれば、その場その場の多少の損など問題にしないでしょうね。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、最近になって、イギリス、ドイツ、イタリア、フランスなどの欧州各国が続々と参加表明しています。これについて、経済評論家の渡邉哲也氏は、イギリスが加わって投資のルール作りに参加することで、中国の思い通りにならない可能性が出てきた、と述べています。

渡邉氏は、投資ルールについて、IMFのように重要な決定に85%の議決権を必要にして、徹底できるかが勝負だと指摘していますけれども、ルール作りはこれからという現時点では何ともいえません。

確かに渡邊氏のいうように、イギリスのエグさに期待したいところですけれども、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の投資ルールが、中国の俺様ルール、或は、俺様解釈になるのかどうかが、非常に大事な注目ポイントになるかと思います。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
元が決済通貨になるためには
欲しいものが元で手に入ることが必要.
しかし, エネルギー源, 穀物, 鉱産物などの売買は
欧米が利権をしっかりと握っているから,
元で手にはいるのは武器, 手抜きインフラや支那労働者位しかない.

そもそも, 本稼働するまで習王朝が存在するか?
ちび・むぎ・みみ・はな
2015/03/22 10:49
 この問題について、個人的にはかなり消化不良の状態です。
 中国の野望はその通りだと思うのですが、イギリスの参加を含め、なぜ今なのかが分かりません。しかも、昨年の習近平の構想では、日米印を外していたのに、今は印度が参加、日本にも秋波を送ってきています。しかも、将来的には分かりませんが、当初はドル建てです。また、この1年で、中国の国内金融はもとより、個別に行なってきた海外投資の多くが失敗であったことが明らかになっています。
 おそらく、渡邊氏も言うように中国に唯一残された優良な資産である豊富な外貨準備を狙った動きだとは思うのですが。

 BRICS銀行関連と併せて、参考サイトの一部を付記します。

・アジアインフラ投資銀行(AIIB)で銀行のビジネスモデルが成立するか?
http://genuinvest.net/?eid=2280
・BRICS開発銀行が失敗する理由
http://genuinvest.net/?eid=1944

・中国主導のアジア投資構想に日米が反発 腐敗増長や「生活の質」犠牲の懸念
http://biz-journal.jp/2015/03/post_9321_2.html

〈宮崎正弘の国際ニュース・早読み〉
・年内に本格発足するBRICS銀行だが(2015/03/13)
http://melma.com/backnumber_45206_6178297/
・アジアインフラ投資銀行に英仏伊参加表明(2015/03/20)
http://melma.com/backnumber_45206_6181682/

・中国がまた新しい銀行をつくる?(2014/05/28)
http://melma.com/backnumber_45206_6034444/
opera
2015/03/22 12:00
中華人民共和国内での投資先がなくなり、元を増刷する理由がなくなったし、銀行の貸出も制限してる?、、、もし、元建ての投資先ができれば、再び元の供給を増やし、支那人(個人・企業両方)の投資先を紐付けして支那国内で集めた元を海外へ投資するモデルをつくれば、バブル崩壊を止められるとみていたりして、、、実現すればバブル崩壊を世界のせいにできる。いつもの不幸の押し売りになるのは確実かと。
白なまず
2015/03/22 14:58

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