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民間調査機関である労働運動総合研究所が先ごろ、首都圏の独身男性の最低生活費の試算結果を発表した。 この試算は、埼玉県さいたま市内在住の25歳男性が都心部に通勤しているものと想定して、 「適切な栄養をえているか」 「雨露をしのぐことができるか」 「避けられる病気にかかっていないか」 「健康状態にあるか」 といった、基本的な健康・生命を維持するための「生活の質」と 「読み書きができるか」 「移動することができるか」 「人前に出て恥をかかないでいられるか」 「自尊心を保つことができるか」 「社会生活に参加しているか」 といった、社会・文化的な「生活の質」を確保できているか、を基準に「最低生計費」を算出したもの。 試算された「最低生計費」は、月額で232,658円となった。年収では約280万円に相当する。 昨今、年収300万生活のススメであるとか、派遣社員の夢が正社員になって、年収300万を確保することだ、などと言われるけれど、この試算からみると、確かに年収300万円というのは、日本で基本的最低限度の生活をするために必要な殆どギリギリのラインであるということがよく分かる。 この調査は、さいたま市内に住む25歳独身男性を想定した調査だから、所帯を持っていたり、都内に在住している人にとっての最低生活費はもっと上になるだろう。 また、同報告では、総務省『平成16年国消費実態調査』に基づいて「最低生計費」未満の若年単身世帯(30歳未満)の割合を計算すると、54.0%にもなるという。 日本のジニ係数は0.275となっていて特に酷い収入格差があるとはいえないことになっているけれど、酷くないのは収入格差であって、収入そのものの絶対値で考えると、若年単身世帯の半数以上は既に「最低生計費」未満ということになっている現実がある。 本シリーズエントリー記事一覧 格差について考える その1 「格差とは何か」 格差について考える その2 「職業選択と職業観」 格差について考える その3 「職業の格付け」 格差について考える その4 「職業威信と収入の関係」 格差について考える その5 「健全な日本社会」 格差について考える その6 「年収300万円の世界」 格差について考える その7 「市場原理が働くプロの世界」 格差について考える その8 「主観的職業威信」 格差について考える その9 「職業の魅力」 格差について考える その10 「派遣会社の職業威信」 格差について考える その11 「中途採用と専門性」 格差について考える その12 「自己評価と他己評価」 格差について考える その13 「わが道を行く栄光なき天才たち」 格差について考える その14 「好きこそものの上手なれ」 格差について考える その15 「今を変える、未来を変える」 格差について考える 最終回 「祝福のこころ」 |
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米流時評 2008/08/04 22:37 |
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