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help リーダーに追加 RSS 健全な日本社会(格差について考える その5)

<<   作成日時 : 2008/08/03 10:00   >>

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ここで、職業威信と収入の関係をより概略化するために、職業威信スコアでのホワイトカラー、ブルーカラーの境界値である55、中小企業サラリーマンの男性平均年収の435万円を原点として、職業威信をY軸に、収入をX軸にとって、ポートフォリオを組んで、4つの象限に大別してみる。

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[Asagi's photo]より


第一象限はホワイトカラーで、平均的サラリーマンより年収が高い職業群
第二象限はホワイトカラーで、平均的サラリーマン年収が低い職業群
第三象限はブルーカラーで、平均的サラリーマンより年収が低い職業群
第四象限はブルーカラーで、平均的サラリーマンより年収が高い職業群

になる。

ここで

第一象限を「エリート」
第二象限を「報われない仕事」
第三象限を「3K業種」
第四象限を「キワモノ」

と名づけてみる。

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これをみてみると意外なことに、日本の職種の殆どは「エリート」と「3K業種」に集中して、「キワモノ」や「報われない仕事」が少ないことに気づく。

「キワモノ」に属する職種が多ければ、社会的尊敬を受けていないのに稼げる職があることを意味するし、「報われない仕事」に属する職種が多ければ、社会的尊敬だけを頼りに、報われない仕事に従事する職種が多々あることを示している。

もちろん理想としては、全ての職種が「エリート」に属すればいうことはないのだけれど、それは机上の空論に近いくらい浮世離れした話。

現実問題として、「キワモノ」や「報われない仕事」に属する職種やそれに従事する人が多いと、持てない者から持てる者への不満が募り、それはやがて潜在的な社会的不安定要素になってしまう。

だから、第一・第三象限である「エリート」「3K業種」に職種が集中して、かつ綺麗な正の相関があればあるほど、社会的尊敬を受ける仕事ほど、収入は多くなるということを意味するから、比較的社会の健全さは保ちやすくなる。

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意外であるのが、日本は職人を大事にする国といわれてきた割に、職人の地位が低いこと。これは、X軸の原点を平均的サラリーマンの年収においたことも影響しているのだけれど、本当の意味での職人である、大工、とび職、調理師などが「3K業種」になってしまっている。これは日本における旧来の「職人」の地位が既に平均的サラリーマン以下にまで追いやられていることを意味してる。

もっとも現代社会における「職人」は「研究者」や「科学技術者」なのだと再定義するのであれば、彼らは「エリート」に属しているから、その意味において日本は「職人」の地位が高い国といえるのだけど。

ともあれ、全体の印象としては日本の業種は所謂ホワイトカラーが多く、収入もそれなりに確保され、一部の職種を除く大部分の職種においては、職業威信スコアと収入には強い正の相関があって、比較的健全な社会だといえる。


本シリーズエントリー記事一覧
格差について考える その1 「格差とは何か」
格差について考える その2 「職業選択と職業観」
格差について考える その3 「職業の格付け」
格差について考える その4 「職業威信と収入の関係」
格差について考える その5 「健全な日本社会」
格差について考える その6 「年収300万円の世界」
格差について考える その7 「市場原理が働くプロの世界」
格差について考える その8 「主観的職業威信」
格差について考える その9 「職業の魅力」
格差について考える その10 「派遣会社の職業威信」
格差について考える その11 「中途採用と専門性」
格差について考える その12 「自己評価と他己評価」
格差について考える その13 「わが道を行く栄光なき天才たち」
格差について考える その14 「好きこそものの上手なれ」
格差について考える その15 「今を変える、未来を変える」
格差について考える 最終回 「祝福のこころ」


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
投稿は久しぶりですが、いつも読ませていただいています。

細かいことですが、数学での第2、4象限が、上記記事では反対に扱われているように思います。第2象限は左上、第4象限は右下なので、図に合わわせるならば、

第二象限を「報われない仕事」
第四象限を「キワモノ」

だと思います。
ろし
2008/08/03 18:35
ろし様、ご指摘ありがとうございます。
うっかり、というか大ボケかましてしまいました(汗
修正しておきます。全エントリー見直さなくちゃ(滝汗
日比野
2008/08/03 18:48

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