日比野庵 本館

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 今を変える、未来を変える(格差について考える その15)

<<   作成日時 : 2008/08/13 10:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3

収入とか、学歴とか、職業であるとか、そういった価値基準もなくはないけれど、それが全てである訳がない。

職業威信スコアは世間一般で思われている職業評価だから、縁起のレイヤーからみれば、所詮、経済レイヤーと思想レイヤーといった、上位レイヤーでのみ通用している価値観にしか過ぎない。

だけど、地域共同体、知人友人レイヤーや血縁レイヤーといった下位レイヤーでは、そんな「建前」は脇に追いやられ、性格や人格といった、もっとその人本人に即した評価がされている。

おそらく昔は、どんな職業についている人も、建前上の職業威信スコアより主観的職業威信が高く、それを規定するところの家族や地域共同体、友人・知人からの支持に支えられていたに違いない。人はパンのみにて生きるにあらず。

画像


真の友人や隣人、そして家族は別にその人の収入や職業と付き合っているわけじゃない。相手にしてるのは当人そのもの。そこは安寧の場所。

だから、もし、格差だけが社会の不安定性の原因であるならば、それは、地域共同体や友人・知人、そして家族の絆といった、縁起の下位レイヤーでの心の支え・安定機能が喪失してしまっていることになる。

家族の存在はとても重要。社会的評価に関わらず、その当人にとっての親は親だし、子は子、貴方が存在してくれているその事実がかけがえのないこと。居てくれることこそが最大の評価の対象。

家族の中では、社会的評価なんて2の次、3の次。家族は世間的評価と基本的に無関係の場であるけれど、そうであるが故に人々の心は支えられている。

画像


自分は自分の人生を、他人は他人の人生を生きることしかできない。他人の人生に成り代わることなんてできはしない。当たり前のこと。

格差を嘆くということは、過去への悔恨か生まれを呪うことに等しい。

だけど、過去は反省材料にしかならないし、生まれを呪っても空からお金が降ってくるわけじゃない。過去を悔やみ、生まれを呪っている人の心はいつもその過去の一点に囚われている。

主観的には、いつまで経ってもその過去に生きていて、時計の針はぴくりとも動いていない。自分の人生を呪い、他人の人生を羨むことからは何も生まれない。

その悩んでいる時間を、他のもっと有益なことに使うことができたなら、その人は過去の呪縛から解き放たれる。心の針は時を刻み始める。

どんな人であっても、人ひとりでは生きていけないし、世間からみえる姿がその人の全てじゃない。未来を変えるには今を変えてゆくことからしか始まらない。如何なる境遇でも光を放つ生き方をした人は、後世の人々への勇気になる。

たとえ、自分自身は全く夢を描くことができない境遇であったとしても、そんな中でも力強くその人自身の人生を生ききることができたなら、その姿はそのまま他の人への希望。

画像


太平洋戦争時のゼロ戦のエースパイロットであった故坂井三郎氏は戦場で生き残る人、エースと呼ばれる人はとにかくあきらめることがなかったという。いかんと思ったら、ぱあっと死んでしまうような虚偽の武士道の虜ではなかった、とにかく粘って粘って粘りぬく、その執念深さがやっぱり運につながっているのだ、と。

どんなに格好が悪くても、生きてさえいれば、次のチャンスを待つ資格がある。

「物に打ち込む、ということは、私流に言わせてもらえば、命をかけるということであり、命がけでやるつもりになり、それを実行する小さな勇気を持ち得るなら、未来に光明はあると思うんですよ。なぜなら、命がけでやる勇気を持って行えば、人は胆力を養うことに成功し、ハラがすわっていれば、見えないものも見えてくるはずですからね。」 坂井三郎


本シリーズエントリー記事一覧
格差について考える その1 「格差とは何か」
格差について考える その2 「職業選択と職業観」
格差について考える その3 「職業の格付け」
格差について考える その4 「職業威信と収入の関係」
格差について考える その5 「健全な日本社会」
格差について考える その6 「年収300万円の世界」
格差について考える その7 「市場原理が働くプロの世界」
格差について考える その8 「主観的職業威信」
格差について考える その9 「職業の魅力」
格差について考える その10 「派遣会社の職業威信」
格差について考える その11 「中途採用と専門性」
格差について考える その12 「自己評価と他己評価」
格差について考える その13 「わが道を行く栄光なき天才たち」
格差について考える その14 「好きこそものの上手なれ」
格差について考える その15 「今を変える、未来を変える」
格差について考える 最終回 「祝福のこころ」


画像

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
>おそらく昔は、どんな職業についている人も、建前上の職業威信スコアより主観的職業威信が高く〜
村の鍛冶やさんは昔は職業としての尊敬を集めていた大工や瓦葺き師、他生活に関わる職を尊敬する意識は高かったかのかな?(古来の地域の童謡や逸話でそう思います)皆のために○○をしてくださる、という意識が高かったのかもしれません。公に対し奉仕する尊さの意識が現在より高く職業意識も高かったんじゃないかと思っています。
閑話休題(それはさておき)ブログはじめました^^;(イザブログでブログ名・形が違うから世の中面白いのです・)それだけなら別段コメント入れるつもり無いのですが、拙ブログにてブックマークをつける際にブログ推薦とかしないとブックマークに入れられなかったので、日々野庵様を誠に勝手ながら推薦(ブックマーク登録)させていただきましたので此処に謝辞を・・不都合などございましたら対応します、よろしくお願いします<(_"_)>
pipi
2008/08/13 10:23
pipiさん、こんばんは。

早速ブログ拝見させていただきました。非常に味のあるブログですね。日比野庵を推薦くださりありがとうございます。(不都合などあろう筈が・・・^^;)

貴ブログを早速ブクマさせていただきました。近いうちに日比野庵からもリンクさせていただくこともあるかと思いますがその節はよろしくお願いいたします。
日比野
2008/08/13 20:21
こんばんは^^
お認めいただいた上に拙ブログにブックマークまでいただき感謝いたします。
>近いうちに日比野庵からもリンクさせていただくこともあるかと思いますがその節はよろしくお願いいたします。

こちらこそ、よろしくお願いいたします<(_"_)>
pipi
2008/08/14 21:03

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文