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「世の人はわれを 何とも言はばいへ わがなすことは我のみぞしる」 維新回天の立役者、坂本竜馬の句。 自己のプライドがいい方向に発揮された「わが道を行く」人たちは自己評価に絶対の自信があって、他己評価などものともしない強さを持っている。ゴーイング・マイウェイな人たち。 しかし、たとえ「わが道を行く」に属していたとしても、自己評価というものが、他人様の目を通して評価するものであった場合は少し事情が異なる。自己評価といいながら、本当の意味で自分で自分を評価することができず、他人様の評価を頂いてようやく自分が評価をできるという考えになるから。 この場合の自己評価は、確固たるものじゃなくて、株価のように他人様の評価によって上がったり下がったりする不安定なものとなる。 たとえば、自分の職業の偉さを鼻にかける人がいたとして、その人の自己評価を考えてみると良く分かる。 自分の偉さというものを職業に依存する態度は、自分の評価を他人に委ねている事と同じ。他人様に認めてもらって安心できて、そしてようやく自分を認められる。そんな評価。 だからもし、脚光を浴びていた自分の職業が、時代の流れや何かで落ち目になってしまうと、その分他人様の評価が得られなくなってしまうから、それに連動して自己評価も低くなってゆくしかなくなる。他人に依拠した自己評価というものは、それくらい不安定でちっぽけなもの。 そんな他人に依存した自己評価がただ萎むだけだったら、まだ他人様に迷惑をかけない分まだマシではあるのだけれど、最悪なのは、自分が認められないのは世の中が悪いんだとか、こんな境遇になってしまったのはあいつのせいだ、とか言って逆恨みの方向に行ってしまうこと。 萎んだプライドが自分に向かえば自殺を選ぶし、逆恨みが外に向かえば他人に危害を加えてしまうことにもなりかねない。 本当の意味で「わが道を行く」人たちはそれとは違って、自分で自分に絶対の信頼と誇りを持っているから、他人様の評価が上がろうが下がろうが全然関係ない。自分の価値は自分が知っている。それこそ坂本竜馬に通ずる気概と強さ、何より本当の自信を持っているから。 それでも世間は良くしたもので、いつまでもそうした人をほったらかしにはしないもの。やがては見出され、引き上げられ、正当な評価を受けるようになってゆく。中には、宮沢賢治のように、生前ついに認められなくて、死後ようやく評価が高まる人だっているのだけれど、いつかは正当な評価が与えられている。 この意味では、第二象限に属する「栄光なき天才」に居る人たちにも似たようなところがあって、自らの価値を自分では知らない、または認めていないにも関わらず、世間様はちゃんと評価していることを示してる。 もちろん、誤解されて「偉い人」に祭り上げられてしまって、実はそうじゃないんだ、と冷静に自己評価している、というケースもあることもあるのだけれど、いずれにせよ、そういうものはやがて時と共に、適切な評価に修正されてゆく。 要するに、第四象限の「わが道を行く」人と第二象限「栄光なき天才」に属する人は、共に自己評価と他己評価にギャップが発生している状態なのだけれど、どちらも時間とともにその評価は修正されていくことになる。 なぜかといえば、世間を永遠に欺き続けることはできないから。 嘘はいつかバレるし、真実にはいずれ光があたる。 わが道を行く人も栄光なき天才たちも、その中身が真実である限り、正当な評価はいつか与えられる。 本シリーズエントリー記事一覧 格差について考える その1 「格差とは何か」 格差について考える その2 「職業選択と職業観」 格差について考える その3 「職業の格付け」 格差について考える その4 「職業威信と収入の関係」 格差について考える その5 「健全な日本社会」 格差について考える その6 「年収300万円の世界」 格差について考える その7 「市場原理が働くプロの世界」 格差について考える その8 「主観的職業威信」 格差について考える その9 「職業の魅力」 格差について考える その10 「派遣会社の職業威信」 格差について考える その11 「中途採用と専門性」 格差について考える その12 「自己評価と他己評価」 格差について考える その13 「わが道を行く栄光なき天才たち」 格差について考える その14 「好きこそものの上手なれ」 格差について考える その15 「今を変える、未来を変える」 格差について考える 最終回 「祝福のこころ」 |
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米流時評 2008/08/12 17:15 |
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