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help リーダーに追加 RSS 天の恵み 地の怒り (チャイナ・クライシス 補追1)

<<   作成日時 : 2008/06/24 10:00   >>

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前回のシリーズエントリーで、いくつかコメントをいただいたので、それへの返答も踏まえ、補追とさせていただきます。多少暴論になるかもしれない。諸兄のご指導を仰ぎたい。

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宙に浮く中南海」のエントリーで丸幸亭様からこんなコメントをいただいた。非常に端的に中国世界を現しているように思う。少し引用させていただく。



こんにちは。地域コミュニテイーこそがシナの実体であって、そこへかぶさって収奪をするのがシナ式中央集権体制です。

ですからその二つは、シナにおける根本的な社会矛盾であると思います。しかし、その中央集権体制こそが<シナ>そのものであって、その箍がはずれたとき、あるいは緩んだときが、革命の時、と相場が決まってはいます。

しかし、歴史的に、箍がはずれた地域共同体ごとの独立割拠と(あるいはそれらの)連合という政治形態は、結局は一過性のものでいずれは皇帝権力による中央集権シナ体制に回帰していった、というのが、これまでのシナの歴史でした。

さて、かれらがはたしてその<シナ>を放棄して、あらたな政治社会体制を構築できるのか、あるいはその意志があるのか、は大いに疑問ではあります。 丸幸亭




この丸幸亭様のご指摘どおり、確かに中国は「地域コミュニテイーこそがシナの実体であって、そこへかぶさって収奪をするのがシナ式中央集権体制」なのだと思う。

いわば、逆らわなければ、命の安全を保障をしてやるから、見かじめ料をよこせといったところ。まるでヤクザの親分のよう。

中国のこれまでの革命は、天命が下りた故の天子の交代であって、人民主体じゃない。人民は、群雄割拠ののち、最後に勝ちそうなところに寄ってゆく。勝ち馬に乗る嗅覚はずば抜けている。

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勝海舟は「シナは国家ではない。あれはただの人民の社会だ。政治などはどうなってもかまわない。自分の利益さえ得れば、それでシナ人は満足するのだ。 」と指摘していたけれど、「食わしてさえくれれば、誰が天子であってもかまわない」というメンタリティが中国人の素の心象風景なのではないか。だとすれば「老荘」に生きるというのが実は中国人民の根本にあるのではないかとさえ。現に老荘思想をも取り入れた「道教」はいまの中国社会にも息づいているという。

現実に生きるという意味において「道教」は実に具体的・実践的な教え。呪術、おふだ、呪言、占いから、医学、本草学などまで取り入れている。だけど、そのような現実の世の中をとにかく生きるということを、社会体制として求める場合には条件がある。

ひとつには、無為自然で生きてゆけるほどの天の恵みがあること。もうひとつは、天の恵みを皆に分け与え、かつ行き渡らせられる社会であること。

これが成り立つためには、その土地が供給できる作物や資源の限界以下の人口と、モノを独り占めしないだけの民度が要る。だけど、今の中国ではもう危うくなりつつある。

今でこそ莫大な人口を誇る中国だけれど、人口の急激な増加はここ数十年の話

それ以前の天の恵みによって生きていける分には、人民のレベルで問題はなかった。誰が天子であっても構わない。勝手に生きてゆけるから。

ただし、天変地異とか飢饉が起こるときは別。食えなくなるときが天命の下るとき。

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大陸は広いから、本当は飢饉のときに、食のある土地に逃れるという選択肢もあるはずなのだけど、1958〜1961年の中国の大飢饉では、時の政府が人民の移動を厳しく制約したために却って餓死者を増やしたという説もある。

政府が人口の少ないときから地道に開墾や治水に努め、食料増産と流通インフラに気を配っていれば、このようなことはある程度は回避できたのかもしれない。だけど如何せん、図体がデカくなってからでは思うようにはいかないもの。大躍進時代の自然の摂理を無視した増産計画は、却って天の恵みを洪水という大地の怒りに変えてしまった。

乱暴な言い方をすれば、大陸が広すぎたが故に天の恵みに甘えてしまい、その恵みを貪るだけで、適正な社会の発展を蔑ろにしてきたツケを受けていると見えなくもない。

食糧生産が十分な南部と全然足りない北部。アンバランスの国。食糧輸出国から、食料輸入国に転じるのもそう遠いことではないという観測もある。

いまや中国は膨張する人口をなんとか支えようとしてもがき苦しんでいるようにも見える。その意味では大陸の人口が増えたときから中国の悲劇が始まったともいえるのかもしれない。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
かつては国土の広さと人口の多さが国力のバロメータと言えましたが、将来的にはその相関関係が崩れ、逆に国土の広さと人口の多さが国力の足枷になるのではないか、と漠然と考えていました。

今回のエントリを読んで、「天の恵み>人口」の状態では国土・人口と国力の相関が保たれるが、人口が増えて「天の恵み<人口」になると相関がピークアウトして逆相関になるのかも、と愚考して見ました。

何にせよ、今の中国は広すぎる国土と13億の民自体が国力の足枷になっているように思われてなりません。
かせっち
2008/06/24 21:49
こんばんは。かせっち様

そうですね。今の中国では、逆相関になりつつあると思います。横方向に広い大地に恵まれた社会が長くつづくと足りないものは周りからとってくればいいと安易に考えてしまうのでしょうね。日本のように限られた中でなんとかしようという発想にはなかなかならないのかもしれません。
日比野
2008/06/25 01:26
本エントリの「天の恵み」の一節に触発されて、国土・人口と国力の相関について愚考して見ました。トラックバックを打ったのですが、送信失敗を繰り返すので、コメントでの紹介になることをご容赦の程を。

http://kyo-yota-blog.seesaa.net/article/101531562.html
かせっち
2008/06/25 22:06

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